紫の夢-おれは一万石(3) (双葉文庫)

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  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575668728

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  • 播磨・龍野の淡口醤油を巡る話

  • どんどん夫婦の絆が深まっていく姿が頼もしい。

  • これは時代物小説としては、新しいジャンルといえる。
    一石でも削られれば旗本に格下げさせられてしまう1万石の高岡班に婿入りした正紀。

    藩のために、何か新しい収入源をと探っている。
    今回は親戚筋の淡口龍野醤油をそれ自体が珍しい関東に売り込もう、ひいては高岡河岸をその流通に使ってもらうという野望だ。

    醤油卸問屋が、ライバルの問屋から襲われ、初めて関東におろす淡口醤油を奪われてしまう。

    そして戸川屋が園田を失墜させたことで、園田の妻の実家であることから、高岡藩、正紀を目の敵にしている。

    120両の借用書を持ち出し、返さねば高利にすると脅かす。

    今回も藩主の跡取りとは思えぬほどの大活躍!
    商いにも開眼!

  • 第三弾
    国の反対派を前巻でケリを付けたはずだったが、縁戚の商人の借金の取り立てが
    同時に江戸で龍野藩の上質の塩が奪われる事件が、幼馴染の龍野藩主から塩の奪回を、これで一気に藩では新田開発が難しい所を、倉庫業で実入りを

  • 2018年2月双葉文庫刊。書下ろし。シリーズ3作目。新たな問題に、立ち向かう正紀が、潔くて良い。京と協力して対応する展開も面白い。京は、立派な奥さまだ。

  • 高価な龍野の醤油をめぐる強盗殺人事件と、突如高岡藩に発覚した出入りの商人からの巨額の借財、その二つが結び合わさって進んでいくのが今回のストーリー。堅物で藩財政のことで頭がいっぱいで、時に妻の気持ちに無神経になってしまいむくれられる主人公。しかし、藩への真摯な思いは通じて、すれ違いを見せつつも、最後に今後販路を開こうとする各大名への振る舞いの場でも、妻が大きな役割を果たし。最後の、ふすまを開けるシーンは、もう一幅のドラマにしたい、このあとエンドロールが流れるな、という大団円。直言の臣下に、言外に殿も汗をかいて金策をと迫られたり、奥方に構えるところがあるから味のことしか言えなかったのではとアドバイスされたり。杭のこと、塩のことと前巻までの活躍が買われて、財政手腕を発揮している親族に見込まれて、借財を返すきっかけの大きな仕事を任されたり、と個人的には見所もいろいろだった。

  • 一万石の下総高岡藩に婿入りした正紀。前作で暗殺を企てた国家老を処罰した結果、相手の妻の実家である廻船問屋から借金取立てに。金欠藩を救う手段は、親戚藩の薄口醤油を奪還し利益を得ること。正紀は危機を回避できるのか。

  • 千野隆司さんの「紫の夢」、おれは一万石シリーズ№3、2018.2発行です。竹腰家次男、正紀18歳は、井上家に婿に、2つ年上の京と祝言を。大名ぎりぎりの一万石、少しでもしくじれば旗本に格下げ。しかも藩の財政は逼迫。そんな中、ふりかかる難題を必死で振り払い解決していく正紀、そして上から目線、姉のようなくちぶりではあるものの一緒に困難に向かってくれる京の姿。二人の仲も徐々に通い合ってきます。今回は「紫」、龍野の淡口醤油をめぐる物語です。色は薄くても味わいは深いです!

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著者プロフィール

1951年、東京生まれ。國學院大学文学部卒業。90年、『夜の道行』で第12回小説推理新人賞を受賞し、選考委員から“第二の藤沢周平”と賞賛される。以後、時代小説を中心に活躍中。「入り婿侍」シリーズは、評論家の縄田一男氏から「著者の新たな頂点」と絶賛を受けた近年の代表作。他の主なシリーズに「おれは一万石」「出世侍」など。

「2023年 『新・入り婿侍商い帖 お波津の婿(三)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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