- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575669589
作品紹介・あらすじ
海賊船は正紀らの活躍で退治したが、頭の鮫五郎は海中に身を投げた。四千俵もの米俵と高級昆布類は行方不明になった。同時に後ろ盾になっていた磯浜屋伝兵衛も、捕縛の手を逃れて水戸城下から姿を消した。この背後には、水戸藩御側用人友部久左衛門の存在が大きい。友部は手に入れた金を、府中藩の世子問題に利用し、勢力の拡大を図っている。府中藩領内の行方郡には、一揆の火種がのこっていた。
感想・レビュー・書評
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おれは一万石シリーズの10作目。
2019.08発行。字の大きさは…小。
毎回、家付きの年上の妻・京と正紀の掛けあいを楽しみにしている。
今回は、京は正紀が江戸を離れて騒動の地・秋津河岸へ行くのに積極的だ。京は府中藩(水戸徳川家 御連枝)の叔母・品の事を相当心配している。
正紀は、今回 高岡藩の領地へ出向くのではなく、積極的に他領の府中藩の領地の騒動にかかわっていく。この先は、テレビの水戸黄門をやろうとしているのか。
次回を楽しみにしている。
【府中藩】
常陸府中藩は、常陸国(現在の茨城県石岡市)に存在した藩。
1700年(元禄13年)、徳川頼房の五男・松平頼隆(保内藩主)が幕府から新たに常陸・陸奥国内において2万石を加増されたため、府中に陣屋を置いて府中藩を立藩する。
この時、保内2万石は水戸藩に返還した。ただし藩の所領の大半は陸奥国のほうにあったため、陸奥長沼にも陣屋を置いていた。
しかし所領が分散していたこと、所領の生産力が低かったことから財政難が起こり、藩財政を早くから逼迫した。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前作の続き。マネーロンダリング事件追跡篇。
首魁の捜索と親戚藩の騒動が並行して進み、どう絡み、まとまるのかを淡々と読ませる。
主人公の活動が少ない分、物足りない感じ。
またシリーズ初期と比較して、大名からの陥落という危機感が減少している分、緊迫感が抜けた気がする。 -
藩主の命を受けた代官は、ひたすら年貢の徴収を。もう米は全くない状態の村民、そしてその代表の名主。村からの逃散は一揆とみなされる。我慢比べも限界に。そこに、自らの身分を隠した正紀が登場、村の窮地を救う! 千野隆司 著「無人の稲田(ぶにんのいなだ)」、おれは一万石シリーズ№10、2019.8発行。
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海賊事件を解決。常陸府中藩の世継問題も解決。
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第十弾
海賊に奪われた米を取り戻す為活躍、影に潜む大藩の暗躍、一揆騒動を絡め、大藩の後継問題も -
海賊船の後始末も終わったら、次はどんなことが起こるのかな?
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2019年8月双葉文庫刊。書下ろし。シリーズ10作目。前作の悪事を働いた者達の残りを成敗する。いつものことながら、読んでいると引き込まれてしまい、京の指摘にむっとする正紀に共感したり、最後の捕縛シーンで力が入ったりして、楽しみました。面白かったです。
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千石船で運ぶ東北からの昆布や米の強奪事件は、いまだ全貌が解決には至っていなかった。
そんな折水夫が刺されて遺体となって発見。
首謀者が家の断絶までいかなかった前回、事件を追う正紀らの活躍!
江戸時代の経済の仕組みが題材となってるこのシリーズ、面白い視点です。 -
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