足軽仁義 三河雑兵心得 (双葉文庫)

  • 双葉社 (2020年2月13日発売)
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本 ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784575669879

作品紹介・あらすじ

時は戦国、所は三河。喧嘩のはずみで人を殺め、村を出奔した18歳の茂兵衛は、松平家康の家来である夏目次郎左衛門の屋敷に奉公することになる。だが、折しも一向一揆が勃発。熱心な一向宗門徒である次郎左衛門は「君臣の縁は一代限り。弥陀との縁は未来永劫」と、一揆側につくことを決意する。武士人生ののっけから、「立身出世」どころか国主に弓を引く「謀反人」になってしまった茂兵衛。波乱の世に漕ぎ出すことになった新米足軽の運命やいかに!?

感想・レビュー・書評

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  • こちら、新聞広告や皆さんのレビューを見て、前からちょっと気になっていたシリーズ。
    つい先日、別のシリーズものの感想に『読みたい本がたくさん積読になっている中に、シリーズものに手を出すのもどうかなと思わないでもない…』と書いたばかりだが、またやってしまった。

    桶狭間の戦いから3年、松平家康が治める三河でのお話。
    喧嘩のはずみで人を死なせ村から追い出された茂兵衛は家康の家来である夏目次郎左衛門に拾われる。
    そこに一向一揆が勃発し、熱心な一向宗門徒である次郎左衛門は一揆側につくことを決意。
    なんと茂兵衛はのっけから国主に弓を引く陣営に身を置くことになる…という展開。

    百姓から足軽になり、いずれにせよ世間の最下層の視点から語られる戦国の話はなかなか楽しい。
    人がよく死ぬが、緩い戦の描写は血生臭さを感じさせず、サラサラ読めて時間は忘れる。
    話にあまり深みはないが、楽天的で頭も回り腕っぷしも強い茂兵衛には魅力を感じ、なんとなく続きが気になる。
    こちらにもボチボチと付き合っていくことにするよ。

  • 時代小説の本筋を書いた本です。先が楽しみです。
    足軽仁義 ー 三河雑兵心得シリーズの1作目
    2020.02発行。字の大きさは…中。2022.02.14~16読了。★★★☆☆

    生まれた三河国植田村で誤って人を殺して、村を出る事となった百姓の兄弟・茂兵衛と丑松の活躍の物語です。

    茂兵衛17才は、乱暴者であるが、筋を通す真すぐな気持ちを持った爽やかな男です。頭が少し弱いがやさしい弟の丑松が、村の倉蔵たちに蹴られ殴られたので「なめられたらいかん」と言って、倉蔵をぶん殴ったら、死んでしまいました。しかたなく植田村を出て三河国六栗城(砦に毛が生えたようなもの)城主の夏目次郎左衛門吉信のもとに足軽として奉公に出ます。
    茂兵衛が、六栗城で足軽として勤めだした頃の三河国は、一向宗徒による一向一揆が盛んで。三河国の領主で岡崎城主の松平家康23才の家臣が、一向宗徒側の寺に付くものと、領主の家康側に付くものに別れて戦っている最中でした。六栗城主の夏目は家臣の侍と足軽合わせて30名で一向宗徒側について、領主の家康側に付いた深溝(ふこうず)城主松平又八郎伊忠(これただ)200名との戦いの最中でした。
    新しく足軽となった茂兵衛は、夏目の指揮のもと勇敢に機転を利かせて活躍しますが。深溝松平に負けてしまいます。戦後、家康が家臣団の直参を200人から600人に増やすため六栗城から茂兵衛が選ばれて岡崎城へ行く事となります。

    【読後】
    この本は、時代小説の雑誌をたまたま見たら時代小説分野で高田郁さん、今村翔吾さんを抑えて一位になっていたので図書館に予約してやっと来たものです。茂兵衛を通して、一向一揆の時の三河国松平家康時代からが描かれています。秀吉ではないですが、足軽小者からどこまで出世をして行くのか、先を読むのが楽しみでなりません。井原忠政さんの本を読むのは初めてです。

  • 3巻セットを購入。感想を書くため通常の文庫に登録。評判の良さに購入。
    手の付けられない暴れ者の主人公が、実際は心の優しい若者。喧嘩で人を殺して村を飛び出た主人公が阿呆のような弟と打算的な同僚を得て、出世を目指す物語。なぜか名のある武将を何人も倒すが、出世のために首級を取らないため、同僚に譲ってしまう。ガツガツとしていないところが読んでいてホッとする。
    家康側からの戦史が少ない中でのシリーズなので、先が楽しみ。

  • 足軽目線の戦国時代小説。面白い。三河国の足軽となった茂兵衛が気がつけば一向一揆側に回ってしまい、どうするんだろう。という感じで、いいテンポで読み進められる。

  • 書店でのプロモーションで見て面白そうだったので図書館に予約。結構な人気で長期間待たされた。
    その甲斐あって面白かった。
    戦国時代の合戦のリアル、しかも雑兵の日常が活写されている。この茂兵衛が2巻以降出世していく物語らしい。先が楽しみな本がまたできた。

    作品紹介・あらすじ
    時は戦国、所は三河。喧嘩のはずみで人を殺め、村を出奔した18歳の茂兵衛は、松平家康の家来である夏目次郎左衛門の屋敷に奉公することになる。だが、折しも一向一揆が勃発。熱心な一向宗門徒である次郎左衛門は「君臣の縁は一代限り。弥陀との縁は未来永劫」と、一揆側につくことを決意する。武士人生ののっけから、「立身出世」どころか国主に弓を引く「謀反人」になってしまった茂兵衛。波乱の世に漕ぎ出すことになった新米足軽の運命やいかに!?

  • 元百姓の訳あり新米足軽、茂兵衛が出世していく物語で、読んでいて少年漫画のような感じで楽しめました。

    一向宗門徒やそれに与する者達と、家康家臣団との戦いが、足軽目線で描かれていて面白かった。
    小城の守り方、攻め方、銃の扱い方、など細かい部分も楽しめる。

    これから茂兵衛がどんな風に出世していくのか、のんびり楽しんで読みたいと思う。

  •  時は戦国、波乱の世に漕ぎ出した新米足軽茂兵衛の立身出世はなるのか。

     足軽の若者を主人公とした物語ということで、歴史小説とは違った戦国時代を味わうことができました。

     足軽の立場から見た歴史というのも、当時の世相がよくわかり、これまでの戦国時代とは少し違った新鮮さも感じました。

     これから歴史的人物が登場し、どのように歴史に巻き込まれていくのか楽しみです。

     主人公も魅力的でこれからどんな出世をしていくのか、応援したくなりました。

  • 今までにない足軽の視点から、戦国の気風や戦闘の実態が生々しく描かれる。
    どうする家康ともリンクしていて、面白い。
    これから、如何に主人公が出世していくか、楽しみ。

  • 感想
    当時の足軽の泥臭い戦いの様子がわかるした茂兵衛も立志伝に期待が持てる。


    あらすじ
    茂兵衛は村ではかなうものが居ない乱暴者。弟が舐められたとして倉蔵を殺してしまい、村を出て、夏目次郎に拾われる。

    茂兵衛は本願寺門徒の一揆衆として、松平家康側と戦う。茂兵衛は夏目の指示で、榊原の下で松平又八郎勢と戦う。

    茂兵衛は、横山軍兵衛という重臣の兜首を上げる。戦も長引き、最初に因縁があった乙部という侍が又八郎側に内通していることが分かる。

    戦は結局負けたが、夏目は茂兵衛に家康に仕えることを進める。茂兵衛は夏目から名字をもらい、植田茂兵衛と改めて、岡崎を目指す。

  • 最近あまり時代小説を読んでいなかったのですが、ふと地元の書店で目に留まったので手に取ってみました。
    長く続いているシリーズ本のようで、人気があるようです。

    地元の村では腕っぷしが強く、喧嘩では負け知らずだった茂兵衛。いじめられた弟の仕返しをした際に、勢い余って相手を殺してしまいます。
    そのまま村を出奔し、松平家康の家来・夏目次郎左衛門に拾われて足軽兵に。喧嘩は強くても戦は経験したことがない茂兵衛ですが、まっすぐな性格と持ち前の体を活かして初めての戦場でも活躍してゆきます。

    因縁の相手となりそうな登場人物も出てきましたし、次巻でどのような活躍を見せてくれるのか、続きが楽しみな終わり方でした。

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著者プロフィール

神奈川県出身。2000年に「連弾」が第25回城戸賞に入選し、経塚丸雄名義で脚本家デビュー。16 年「旗本金融道」シリーズ(経塚丸雄名義)で時代小説家デビュー。17 年『旗本金融道(一) 銭が情けの新次郎』で第6回歴史時代作家クラブ新人賞受賞。21年「三河雑兵心得」シリーズで「この時代小説がすごい! 2022年版」文庫書下ろしランキング1位。

「2023年 『どうした、家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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