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本 ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784575670905
作品紹介・あらすじ
妹の千紘と親友・龍治の仲にやきもきしていた勇実だが、今度は我が身の色恋が胸を騒がせる。ある日、白瀧家におえんという女が現れ、しばらく身を置かせてほしいと請う。様子がおかしくなった勇実に対し、ひと回り年上で余裕を見せるおえん。聞けば、六年前にふたりは知り合い、のぼせ上がった勇実のほうから迫って、ひと頃男と女の仲になっていたという。衝撃のあまり感情的になった千紘は、おえんを追い払うため、兄が惹かれているはずの菊香を連れてくるが……。果たしてこれでよかったのだろうか――登場人物それぞれが日々、全身で悩んで、前を向く。美しく爽快な青春群像時代シリーズ第四弾!
感想・レビュー・書評
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妹の千紘の頑張りが半端でないです。
拙者、妹がおりましてシリーズの4冊目
2022.01発行。字の大きさは…小。2022.06.01~02読了。★★★☆☆
江戸は本所相生町で手習所の師匠を営む御家人・白瀧勇実(いさみ)24才、妹・千紘(ちひろ)18才と隣の矢島道場の跡継・矢島龍治22才の青春物語です。
火遊びの頃、花と雁と蝶と、仲間の印、菊香の縁談、の連作短編4話。
【火遊びの頃】
六年前に白瀧勇実が夢中になった年上の美しい妖艶なおえん36才が、突然に訊ねて来る。事情を聴くと体に怪我をして行く当てもなく訪ねて来るが。千紘は、我慢ができず。勇実の想い人の亀岡菊香20才を連れて来ると…。おれんは、出て行く。
ーーー 勇実にとっては、過去の人になっているが。妹としては、不潔なものを見ているようで…。おれんが、哀れに思えました。
【花と雁と蝶と】
五月二十八日。筆子(手習所の生徒)たちが、曽我兄弟の仇討ちを書いた「曽我物語」を朗読し始めます。そして写実的な絵のすごく上手な筆子の白太が、見たものをそのままに花、雁、蝶と描いて行きます。虫を見るのが大好きです。
ーーー 五月二十八日は、曽我兄弟の仇討ちの日です。
【仲間の印】
亀岡菊香が筆子たちに、朝顔の種を入れる用に真田幸村の印である六文銭と十文字槍を刺繍した揃いの巾着袋を持って来てくれました。筆子たちは大喜びです。旗本の息子・乙黒鞠千代が名刀左文字の小太刀の鑑定を龍治に依頼してきます。その左文字を奪おうと破落戸が鞠千代を拐します。
ーーー 鞠千代は、攫われて行く道に朝顔の種を撒いて行きます。
【菊香の縁談】
菊香は、自分をころして好きでもない男と一緒になろうとするが。無理やり屋形船に連れ込まれる所に勇実が立ちはだかる。菊香は、自分をころして相手にあわせることで生きてきた。
ーーー 相手を怒らせないように、すぐ謝り、相手の喜ぶように動く、自分をころす…。菊香が勇実によって立ち直るか。
【読後】
字が小さくて読むのに苦労しましたが、テンポがよく、読みやすかったです。
四話の中では「火遊びの頃」がよかったです。
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《白瀧勇実、妹・千紘、矢島龍治》
白瀧家は、家禄三十俵二人扶持の御家人で、今は亡き父・源三郎(享年46)の代に小普請入り。勇実は長男。母は十の頃に亡くなっている(享年32)。読書好き。のんびり屋の面倒くさがりで出不精。父が始めた本所の手習所(隣の矢島家の離れ)を継ぎ、師匠として筆子たちを教えている。
白瀧千紘は、兄の勇実を尻に敷いている。足が速く、よく笑い、せっかちというか騒々しい。気が強くて、世話焼きでお節介。機転が利いて、何事にもよく気づくのに、自身の恋愛に関しては鈍感。
矢島龍治は、白瀧家の隣家・矢島家にある矢島道場の跡取りで師範代。細身で上背はないものの、身のこなしが軽くて腕は立ち、小太刀を得意とする。面倒見がよく、昔から兄の勇実以上に千紘の我儘を聞いてきた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
天真爛漫な千紘と無邪気な龍治、慎重な勇実と控えめな菊香の構図が面白い。
年上女性に恋する、若き日の勇実はいじらしいし、菊香を気遣う姿もいじらしくて、好青年。純粋で今時こういう男性いるのかな?
筆子たちもかわいい。
時間がゆっくり流れていて、自分の生活を見直したくなる。 -
シリーズ4
ある日、勇実の元に、一人の年増女がやってきた。
行く所がないので、しばらく、置いて欲しいと言う。
女の名は、おえん。
どうやら、6年前に、ただならぬ縁の有った女らしい。
妹の千紘は、菊香に助けを求める。
一件落着したものの、菊香に、縁談が。
不器用な若者の恋に、イライラするワタシ。 -
青春って感じであれこれ恋の嵐。皆可愛くてにまにまします。
可愛過ぎてなかなか先に進まないのでじれったくもありますが楽しく読みました。 -
今回は兄の白瀧勇実がなぜに女性に関して、積極的に慣れないか?の謎が暴かれる!
突然現れた年増の妖艶な女性。そこからかつて二人に何が合ったのかがわかる。
突然の訪問に、深く考えずに拒絶してしまう千紘。
いつも変わらず二人を見守るのは龍治。
今回は、密かに勇実が気にし始めた、心に傷を持つ菊香の縁談事件。
寺子屋の寺子の一人若様の誘拐事件の二つが。
菊香の心の傷の深さや経緯、勇実の母を思う心と恋愛感情の結びつきなど、心理面でもうまく物語が語られている。 -
2022.05.24
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色々なところで両片思い。。それにしても、勇実さんのヘタレぶりはひどくないですか?から次巻へ続く。。
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シリーズ4弾。勇実の過去の恋が今の恋にも影を落としている様子が描かれている。ストーリー自体は面白いんだけど、ヒロインである千紘の姿が、この時代にこんな振る舞いをする女性がいるとは思えないし。そういう部分が私がこの作品をイマイチ評価できないところかも。
著者プロフィール
馳月基矢の作品





