新・浪人若さま新見左近 不吉な茶釜 (十一) (双葉文庫)

  • 双葉社 (2022年8月4日発売)
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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784575671223

作品紹介・あらすじ

茶人として名高い天新堂の隠居の万庵が左近のもとを訪れた。懇意にしている高家の吉良上野介に招待された茶会で、手に入れたばかりの茶釜を見せられたという。目利きを頼まれた万庵は稀に見る逸品だと判断し、吉良は大喜びであったが、後日何者かによって茶釜が盗まれてしまう。この思わぬ騒動が、世間を震撼させる大事件にまで発展していき──。葵一刀流が悪を斬る! 大人気時代シリーズ第十一弾!!

感想・レビュー・書評

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  • あとの6代将軍徳川家宣(いえのぶ)である甲府藩主徳川綱豊の若き日の活躍の物語です。

    綱豊は、5代将軍徳川綱吉の養嗣子となり江戸城西の丸に入る。窮屈な江戸城を出て町では、浪人新見左近を名乗り、秘剣葵一刀流でさまざまな悪党を成敗します。新しく甲府藩邸の奥御殿に町医師・太田宋庵の娘で天真爛漫なおこんが、奥女中として綱豊に仕えだします。綱豊がやさしくおこんを気遣います。そして巷では、将軍徳川綱吉が喧嘩両成敗を命じなかったことに憤りを感じた町人たちが浅野家の者が吉良上野介を討つという風聞が流れる。

    【性悪女】
    甲府藩邸に侍女として新しく入った御家人・大成弥太介の娘・真衣は、藩主の徳川綱豊の側室になろうと画策するが、失敗する。

    【闇の狩り】
    大熊刑部の屋敷では、町で何十人もの町人を捕まえて来ては、弓矢で殺して狩りを楽しんでいた。新見左近の知り合いの大工・宗助が、捕まって屋敷で狩りの獲物にされた。

    【不吉な茶釜】
    吉良上野介が所有していた高価な茶釜が盗まれ怒った吉良上野介は、その怒りを勅使饗応役の浅野内匠頭にぶつける。浅野内匠頭が、江戸城松の廊下で吉良上野介を斬りつけると。将軍徳川綱吉は、浅野内匠頭に即刻切腹を申し渡す。

    【悪い噂】
    赤穂藩浅野家の堀部安兵衛は、主君の仇・吉良上野介を討つために動くが、それに賛同しない者たちが居る。そこで安兵衛は、田川一松を吉良家の刺客に仕立てて仇討ちに反対する浅野家の家臣を襲い、傷を負わせる。

    【読後】
    字が大きく、物語が分かりやすく、展開が早くて読みやすいです。新しく甲府藩邸奥御殿に入ったおこんが面白く、笑いが出てきます。この物語に吉良上野介が出てきたのにはビックリしています。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    浪人若さま 新見左近シリーズ25作目《文庫本》
    不吉な茶釜 新・浪人若さま 新見左近シリーズ(第二期)11作目
    2022.08発行。字の大きさは…大。2023.02.03~04読了。★★★☆☆
    性悪女、闇の狩り、不吉な茶釜、悪い噂、の短編4話。
    図書館から借りてくる2023.02.03
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    《新・浪人若さま 新見左近シリーズ一覧》
    12.すももの縁
    11.不吉な茶釜   2023.02.04読了
    10.嗣縁の禍    2022.12.24読了
    09.無念の一太刀  2022.07.08読了
    08.鬼のお犬様   2022.01.21読了
    07.宴の代償    2021.07.26読了
    06.恨みの剣    2021.01.28読了
    05.贋作小判    2020.07.16読了
    04.桜田の悪    2020.01.30読了
    03.夫婦剣     2019.07.05読了
    02.亀の仇討ち   ブクロク登録前
    01.不穏な影    ブクロク登録前
    ※1作目と2作目は、ブクロク登録前に読んだため登録していません。

  • 今回は全体に暗い話が多く、読んで気持ちが重い。
    1.性悪女
    甲府藩邸の奥御殿に新たな2人の女中が採用される。一人は知り合いだが、藩主と知らずにびっくり。もう一人は色仕掛けで綱豊に迫る女中。父親の出世のためとは言え、そこまでやるか。
    2.闇の狩
    旗本の下屋敷に巣食う不貞の浪人達とヤクザ。自分達の狩の楽しみにヤクザを指示して20名以上の町人を攫う。その狩の仕方がどぎつい。
    3.不吉な茶釜
    吉良の殿様が知らずに買った壺が高価な壺と判明。
    吉良に恨みを持った奴が盗み出し、結果的に3000両を支払う羽目に。この元を取るために、赤穂の殿様をいじめたとか。どこまで本当だろうか?
    4.悪い噂
    赤穂の殿様が切腹した後に、赤穂藩の主要な藩士が襲われる。裏で糸を引いた人間がえげつない。

    明るい話題が欲しくなる内容でした。

  • 新・浪人若さま 新見左近 シリーズ11

    後の徳川六代将軍・家宣が、甲州様と呼ばれていた時、江戸の庶民の難儀を葵一刀流で、助ける話。

    《性悪女》
    おこんが、甲府藩邸の奥御殿に入った。
    同じく、奥御殿勤めの真衣は、綱豊の側室になるため、策を弄す。

    《闇の狩》
    権八の知り合いの宗助が帰らないと、大騒ぎ。
    猪狩が、許されず、仕方なしに、人間狩をすることにした、大熊捨三郎に捕らえられていた。

    《不吉な茶碗》
    高家筆頭、吉良上野介の自慢の茶釜・天明黒紐が、何者かによって盗まれた。
    「千両と引き換えに返してやる」と言われ、千両を渡したが、後をつけた事で、次は二千両を要求された。
    その金を都合つけるために焦り、近々行われる勅使饗応役の浅野内匠頭に、八つ当たりをしているのではないだろうかと、綱豊は心を痛める。
    綱豊の心配をよそに、江戸城松の廊下の刃傷沙汰が起きてしまった。
    浅野内匠頭は、即日切腹。
    それを聞いた綱豊は、上様に考え直すよう進言したが「西ノ丸を出た者が口を挟むでない」と一蹴されてしまう。
    綱豊は「己が将軍であったならば…」とふと芽生えた思いを断ち切った。

    《悪い噂》
    勅使の前で大恥をかかされたと綱吉の怒りは、未だ収まらず。
    江戸町人の間では、赤穂浪士が仇討ちをするかどうかとの噂話がひっきりなし。
    そんな折、赤穂浪士を襲う、浪人が現れる。

  • 遂に松の廊下かぁ

  • 吉良上野介にも事情があったと言いたい?

  • 内容(ブックデータベースより)

    茶人として名高い天新堂の隠居の万庵が左近のもとを訪れた。
    懇意にしている高家の吉良上野介に招待された茶会で、手に入れたばかりの茶釜を見せられたという。
    目利きを頼まれた万庵は稀に見る逸品だと鑑定し、吉良は大喜びであったが、後日何者かによって茶釜が盗まれてしまう。
    この思わぬ騒動が、世間を震撼させる大事件にまで発展していき──。

    葵一刀流が悪を斬る!
    大人気時代シリーズ第十一弾!!

    令和4年10月3日~5日

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著者プロフィール

ささき・ゆういち
1967年広島県生まれ、広島県在住。2010年に時代小説デビュー。「公家武者 信平」シリーズ、「浪人若さま新見左近」シリーズのほか、「身代わり若殿」シリーズ、「若旦那隠密」シリーズ、「若返り同心 如月源十郎」シリーズなど、痛快な面白さのエンタテインメント時代小説を次々に発表している人気時代作家。本作は公家武者・松平信平を主人公とする人気シリーズ、その始まりの物語第11弾!

「2023年 『町くらべ 公家武者 信平(十四)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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