新・浪人若さま新見左近 乱れ普請 (十四) (双葉文庫)

  • 双葉社 (2023年8月8日発売)
3.50
  • (0)
  • (4)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 39
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • 本 ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575671681

作品紹介・あらすじ

左近に窮地を救われた縁で、甲府藩に召し抱えられた坂手文左衛門が桜田の上屋敷の修繕を差配すべく、国許から出府してきた。張り切る文左衛門だが、旧知の権八に会うため町に出た際に、手抜きと思しき普請中の建物を見咎め大工たちと悶着を起こす。言い分が認められ、普請はやりなおされることになったのだが、この一件が思わぬ騒動に発展し──。葵一刀流が悪を斬る! 大人気時代シリーズ第十四弾!!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 続いていた忠臣蔵も終わり、通常運転に戻ったよう。4話の短編集で、各短編は読切で繋がりは無し。剣での活躍は弱目で、全く登場しない短編も有る。
    第一話 路地の女侍
    細い路地で左近にぶつかった逃走中の侍は女性。この女性を守る商人風の侍を助けたことから、ある藩の争いに巻き込まれる。
    第二話 乱れ普請
    甲州藩の作事奉行に採用した文左衛門が、江戸の藩屋敷の改修に呼ばれて巻き込まれる事件。町場で不正の普請を指摘した文左衛門に恨みに思った材木屋が、左近の友人の権八まで巻き込んで罠に嵌める。
    偶然にも前回読んだ「拵屋銀次郎」での吉宗の若い時(越前葛野藩)に、左近との出会いも出てくる。
    第三話 命喰い
    元赤穂藩の浪人の恋の物語。恋人が悪辣な悪人達の餌食にされる。浪人の知り合いとして、岩城道場の泰徳が登場するが、活躍は薄い。
    第四話 孝の心
    ある藩の若い藩主が家出をして、左近に町歩きの指南を求める。死んだと言われた実母探しの為。祖母に知られ、甲州藩に長逗留する。紆余曲折の結果・・。 人情噺で、左近の出自と併せて、ジーンとさせられる。

  • 新・浪人若さま 新見左近 シリーズ14

    吉良上野介を討ち取った忠臣四十六士は、預けられていた大名屋敷で切腹した。
    主君のために命をかけた友を喪った寂しさに気落ちしていた左近は、巷で、忠臣の死を惜しむ声が広がっていると聞き「死して名を残した」と、幾分気が晴れた。

    六代将軍まで、後、6年。

    そろそろ、ネタも尽きたかな。

  • 甲府藩主徳川綱豊は、徳川幕府六代将軍、徳川家宣(いえのぶ)となった。この物語は、その綱豊の若き日の活躍の物語です。綱豊が江戸城を出る時には、浪人新見左近を名乗り、江戸の町に出て秘剣葵一刀流で悪を裁きます。

    【路地の女侍】
    下総岡谷藩矢上家の御家騒動。岡谷藩の年寄香取興正の娘、杏花は、国家老の悪事を訴えるために国元から男装をして江戸藩邸の藩主肥後守勝重に国家老の悪事を書いた密書を届けに来た。が、これは江戸家老が、国家老を失脚させるために仕組んだ偽の密書であった。杏花は新見左近とともに、藩主の面前で、この密書を・・・。

    【乱れ普請】
    定火消と材木問屋の癒着。甲府藩江戸上屋敷の修繕のために来た作事奉行、坂手文左衛門は、町中で手抜き工事で建てている建物を見つけて訴えた。訴えられた材木問屋「高坂屋」は、定火消の旗本大窪と謀をめぐらしてまともに建てていた大工の権八を捕まえる。その後に、弱い地震が有り高坂屋が建てた建物だけ倒壊し死人が出た。徳川綱豊が大窪の屋敷に踏み込むと・・・。

    【命喰い】
    吉良上野介の討ち入りに参加できなくて生き残った元赤穂藩士の三峰勝九郎は、好意を持っているお清が、命を喰らうために人殺しを行う誠一に狙わているのを、徳川綱豊の友人で剣術道場主の岩城泰徳と一緒に助ける。そしてお清にその想いをぶつけて・・・。

    【孝の心】
    生母との仲を裂かれた若殿。信州野沢藩十二万石の若き藩主、甲田摂津守盛靖は、二十年前に引き裂かれた生母の恵津に逢うために徳川綱豊に助けを求めた。野沢藩では、藩主盛靖の祖母林松院の力が強く、林松院は我が娘を想い、恵津を屋敷に入れなかった。そして娘に盛靖を立派に育てさせた。が、盛靖は一目会いたいと・・・。

    【読後】
    このシリーズは、字も大きく、勧善懲悪で、物語も簡単で、読みやすいです。男装で危険な任務を行う岡谷藩の重臣の娘、杏花が密書が謀であることに気が付いた「路地の女侍」が特に良かったです。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~
    新・浪人若さま 新見左近シリーズ一覧
    15.公方の宝
    14.乱れ普請    2024.02.20読了
    13.忠義の誉    2023.06.23読了
    12.すももの縁   2023.02.06読了
    11.不吉な茶釜   2023.02.04読了
    10.嗣縁の禍    2022.12.24読了
    09.無念の一太刀  2022.07.08読了
    08.鬼のお犬様   2022.01.21読了
    07.宴の代償    2021.07.26読了
    06.恨みの剣    2021.01.28読了
    05.贋作小判    2020.07.16読了
    04.桜田の悪    2020.01.30読了
    03.夫婦剣     2019.07.05読了
    02.亀の仇討ち   ブクロク登録前
    01.不穏な影    ブクロク登録前
    ※1作目と2作目は、ブクロク登録前に読んだため登録していません。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~
    「図書館」
    浪人若さま新見左近シリーズ28作目《文庫本》
    乱れ普請 ー 新・浪人若さま新見左近シリーズ(第二期)14作目
    2023.08発行。字の大きさは…大。2024.02.20読了。★★★☆☆
    路地の女侍、乱れ普請、命喰い、孝の心、の短編4話。
    図書館から借りて来る2024.02.15

  • 1話目と2話目は何時ものパターンだけど3話目は主人公不在で4話目はチャンバラ無し……
    ちょっとだけ物足りないかな!

  • 最後の短編が簡潔に心温まった。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

ささき・ゆういち
1967年広島県生まれ、広島県在住。2010年に時代小説デビュー。「公家武者 信平」シリーズ、「浪人若さま新見左近」シリーズのほか、「身代わり若殿」シリーズ、「若旦那隠密」シリーズ、「若返り同心 如月源十郎」シリーズなど、痛快な面白さのエンタテインメント時代小説を次々に発表している人気時代作家。本作は公家武者・松平信平を主人公とする人気シリーズ、その始まりの物語第11弾!

「2023年 『町くらべ 公家武者 信平(十四)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐々木裕一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×