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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784575672251
作品紹介・あらすじ
孤高の剣士だった祖父から日向流をたたき込まれた日向景一郎。臆病者とそしられ、人を斬ることをためらう齢18の青年は、祖父の言葉を胸に幼少期に姿を消した父を「斬る」ため旅をする。己はなんのために生まれてきたのか。過酷な経験とともに凄味を増していく景一郎の成長と血塗られた生きざまを描く圧巻の剣豪小説、5カ月連続刊行第一弾。
感想・レビュー・書評
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作品紹介から「人を斬りたくて斬るわけではない青年の成長物語」を期待していたが、そういう作品ではなかった。
特に第二章「獣肉」はちょっと受け入れがたい内容なのだが、続きを読むのをやめられなかった。
倫理など吹き飛ばす物語の魅力か、主人公も含めて登場人物が記号的に描かれているからか、それとも淡々とした筆致によるものなのか。
何とも不思議な読後感で、続刊を手に取るべきか迷っている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
難しい。学生時分から敬愛し読んできた北方作品だが、一体この小説をどう読んだらいいのか。もちろん、何よりも剣戟小説であり、ビルドゥングスロマンであり、ロードノベルであり、もちろんハードボイルド小説なんだけれど、主人公の行動原理というか哲学が分からない。北方ヒーローの行動原理は、男の矜恃であったり、友との約束であったり、愛する女のためであったりと、分かりやすいものであったが、この景一郎の行動はなかなか胸に落ちてこない。なぜそこで女を犯すのか、なぜ焼き物を斬るのか、そしてなぜそんなにあっさりと立ち会い(すなわち殺し合い)に赴くのか。「己の強さを見極めたい」というのとも違うような気がする。しかし無類に面白かったのは確かで、今後景一郎が、森之助がどのような運命を辿るのか気になって仕方がない。シリーズ全巻読むんだろうな。
著者プロフィール
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