鈍行列車のアジア旅 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575713718

作品紹介・あらすじ

アジアのローカル線各駅停車には旅の楽しさが詰まっている。タイ、マレーシア、ベトナム、中国、台湾、韓国、フィリピン-アジア各地の鈍行列車紀行。

感想・レビュー・書評

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  • 著者とカメラマンの中田氏が、アジア各国の鈍行列車に乗って旅をする。目的地にたどり着くよりも、鈍行列車に乗る道中そのものが題材だ。旅した場所はマレーシア、ベトナム、台湾など七つの国と地域。

    時の流れのゆっくりさ加減や、猛烈な暑さ寒さ、それに電車に揺られる人々。決して恵まれた環境ではないが、時に不便を感じ、時に都市部との物価のあまりの落差に驚きながら、豊かではない中でも人々がその生活を楽しみ、したたかに生きている様が伝わってくる。

    タイやフィリピンなどは特に、時の流れが非常に緩やかだ。決められた時間通りに電車が動いたり、サービスが行き届くなどということはほぼ期待できない。それでもどこか羨ましさを感じてしまう。便利になりすぎたが故にちょっとしたことにストレスを感じてしまう日本の状況と比べてしまう。

    現地の人達同様、著者達も「どうにかなるさ」の精神で旅を楽しんでいる。いつかこんな旅をしてみたいと思わせる本だった。

  • 一度、バスでシンガポールからクアラルンプールまで行ったが、いやー出発予定時間はどんどん遅くなるし、その間何度も便のキャンセルは囁かれるし(それも安い便ではなくファーストクラスの便)。でもなんか楽しかった。結局、6時間遅れで出発しかたな。
    時間に余裕がなければできない旅。電車は特急列車しか乗ったことがないけど、時間さえあればローカル列車に乗ってみたい。

  • ベトナム、台湾、韓国、中国など大陸横断を敢えて各駅停車に乗って移動するフォト&エッセイ。飛行機なら数時間で行ける距離を数日掛けて旅をする意味。それは現地の日常に密着することで、単なる観光とは違う視点で生活が見えてくるだろう。

  • 寝台列車に乗っていろんなとこに行きたい。
    寝心地とかはわからんけど><

  • 下川作品にしては落ち着きすぎてるような。それだけアジア地域の発展が目覚ましいでしょうね。アジアの誘惑読み返そ。

  • 時間も資金もないとせめて活字だけでも遠くへ行きたい気分になることがある。そんな渇を癒すに十分な旅行記。写真が豊富なのも貧乏旅行気分を味わうのにいいスパイスになっている。マレー鉄道が2本あること、台湾の先住民族、満鉄沿線の建物群などと言った日本ではあまり知られていないことを、普通列車のようにゆっくりとした語り口で料理しているのがとてもよかった。普通列車というシバリで旅行するのが厳しくなりつつあるのはアジア全体の話らしい。18切符なんて切符が発売されている日本はまだまだ恵まれているのかも。

  • この手の本を読むと、無性に旅に出たくなる…。カネと時間があれば、だけど(笑)。

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著者プロフィール

1954年(昭和29)長野県生まれ。ノンフィクション、旅行作家。慶応義塾大学卒業後、新聞社勤務を経てフリーに。『12万円で世界を歩く』(朝日新聞社)でデビューし、以後、アジアを主なフィールドにバックパッカースタイルで旅を続け、次々と著作を発表している。『週末ちょっとディープな台湾旅』『週末ちょっとディープなタイ旅』(朝日新聞出版)、『旅がグンと楽になる7つの極意』(産業編集センター)、『沖縄の離島 路線バスの旅』(双葉社)など著書多数。

「2023年 『旅する桃源郷』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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