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本 ・本 (263ページ) / ISBN・EAN: 9784575714104
感想・レビュー・書評
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4年間の現役生活、実働ほぼ1年のみの元ベイスターズ投手の破天荒な野球人生。
本書執筆時は、第二の人生国分寺でもつ鍋屋を営んでいた筆者。「Number」の不定期連載で興味のあった方の著作。
太く短かかった野球人生。日本一直後の横浜ベイスターズ、谷繁、野村ほか懐かしい選手の裏話が満載。単なる暴露話なら他の本でもいくらでもありそうたが、本書にはどこか秀でた魅力があるように思えた。
現役時代の筆者のプレーと同様の懸命さ、豪快なキャラの奥底に実は潜む繊細な気配り、そんなものが本書から強く感じられた。
破天荒な野球人生の一方で特に引退後の多くの人のささやかな支援。野球だけでなく人生論的に縁の大切さを強く感じることのできる作品であった。
何となくプロ野球本に良くある薄利多売な暴露本をイメージして本書を手に取ったが、本書にはそれを超える魅力がある。
プロ野球ファンはぜひ本書を読んでいただきたい。たまたま2年間のベイスターズ経歴と筆者な活躍の重なった小宮山投手、ネタになったキャラそのままの寄稿も含め、筆者の真摯な生き方に感動必至な一冊でした。
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26-123 ベイスターズで実働1年ながら強烈なキャラで印象を残し、その後も先輩や後輩に慕われている中野渡の自伝。たまに雑誌Numberに登場し、毒舌で味のあるキャラであることは知っていたが、この本は抜群に面白い。本の雑誌の2014年度文庫ベストワンに選ばれたのも納得。とにかく構成が秀逸で、クビになった後に奮闘する姿とときどき入る回想シーンのバランスが絶妙。昔でいう江本本や坂東本のような暴露本と思ったらさにあらず、不器用な男の生き様と周りで支える素晴らしい先輩、友人たちに愛されている姿が胸に迫る。ベイスターズファンなら必読の本、そうでなくてもおすすめ。星4つ。
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著者をはじめベイスターズの選手ってあんまり知らないんだよね。ファンなら第2章のプロ時代のエピソードはとても楽しめると思う。谷繁や三浦番長の素顔を垣間見た感じで、ここは面白い。そしてクビになった後の、モツ鍋屋開店までの顛末が一番読ませる。熱がある。
ただ、全体としては期待と違ってガックリ。説教臭い自分語りがどうもね…。「おすすめ文庫王国」ベスト1なんだけど。 -
筆者はプロ野球選手だったが、1軍での活躍が2001年の1年ほどだったのでファンでないと知らないかもしれない。引退後も一部のマスコミで取り上げられているので、引退後に知った人の方が多いかもしれない。
子供のころから野球漬けの人生で、プロ野球引退後はもつ鍋屋を開業した半生を描いている。周囲との摩擦を引き起こす悪口雑言にもかかわらず友や先輩などに恵まれつき合いも途切れないのは、筆者がまっすぐな男だからだと周囲は言う。
なによりも、筆者の頑張りというか負けず嫌い、努力、必死さ、ガッツ、気迫というか全力で死に物狂いで物事に取り組む姿こそが素晴らしい。
落ち込んだり、へこんだりしたときは、この本を読むといいだろう。俺ももっと頑張ろう、まだまだ努力不足だと、という気にさせてくれる。 -
今のベイに中野渡や木塚のような気持ちが前面に出る投手が居ないのが残念。。。
本書は100%中野渡が楽しめる一冊。
ベイファン必見!
閉店する前にお店に行きたかったー。 -
中野渡さんの口は悪くても憎めない人柄が出ていて良かった。何故、もつ鍋屋は閉めてしまったのだろう?
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NumberWebのシーズン回顧がおもしろいのでちょっと期待しすぎたかも。
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選手時代の記憶があまりなく、引退後、その存在を知った。選手生活4年、活躍したのはほぼ1シーズン。
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≪目次≫
はじめに
第1章 球団と喧嘩してクビになる~突然の戦力外通告~
第2章 「24時間いつでも投げられます」~横浜ベイスターズ時代~
第3章 「死に際が男の生き様」~もつ鍋屋開店~
第4章 鬼の恩人~高校時代、社会人時代~
第5章 キャッチボール~もつ鍋わたりとこれから~
あとがき
≪内容≫
昔から「中野渡進」という選手があっという間にクビになったことが不思議だった。なんとなく「球団とケンカ」したことは知っていたが…。そこでこの本を見つけると、即買いになったわけだ。
内容はめっちゃ面白い!「わたり」(中野渡)の自伝であり、今の日本に「男の生き方」を示すものであり、しかし実は、ビジネス書としても、人生の指南書としても十分に役立つ本である。表面は「べらんめぇ調」の毒舌が続くのであるが、解説で小宮山悟が語るように、それは素直に生きられない彼の”テレ”であり、そこに人間性が現れている。「自分を素直に出す」「やるべきことは愚直にやる」。空気を読んだり、ひきこもるのではなく、他人とぶつかることで人間は磨かれていくのだ。それは人間にとって大きな財産となる。その証拠に、彼は高校時代の先生や野球界の先輩にかわいがられ、仲間に慕われ、今でも深い交友関係が続いている。これは彼の財産である。