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本 ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784575715026
作品紹介・あらすじ
ひとりで死に、長期間誰にも発見されることのない、孤独死。定義は定まっていないが、今後日本で100万人規模で発生されることが予想されている。孤独死が起こった現場はどうなるのか、残された遺族は何を感じるのか、その壮絶なルポとともに、孤独死を防ぐためにはどうすればいいかを探る。2017年に刊行された単行本を文庫化。
感想・レビュー・書評
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菅野久美子『孤独死大国 予備軍1000万人時代のリアル』双葉文庫。
2017年刊行の同名作品を加筆修正、文庫化。
双葉文庫からルポルタージュが刊行されるのは珍しい。
孤独死を迎える人は現在でも年間3万人と言われる。未婚率の増加などで単身世帯は年々増加し、2030年には3世帯に1世帯が単身世帯になると言う。つまりは、将来的にますます孤独死が増加することが予測されるということだ。その数1000万人。日本の人口の10%余りが孤独死予備軍とされているのだ。
著者は実際に孤独死が起きた現場に赴き、遺族にインタビューを行ったり、孤独死を防ぐためのコミュニティの場をルポするなど、孤独死の問題とそれを防止するための施策と正面から向き合う。
高齢者の独り暮らしだけでなく、セルフ・ネグレクトや引き籠もりという現代特有の状況も孤独死の増加に拍車を掛ける。孤独死を防ぐには自治体の活動や福祉だけでなくコミュニティの力が不可欠だと言う。
現代は核家族化が進み、企業が安価な労働力を求める余りに終身雇用と年功序列が崩壊させたことで、所得が少ない非正規雇用が増加し、生涯独身を選択する若者が増えている。また、結婚しても容易に離婚を選択出来る世の中になったことが孤独死予備軍を増加させているように思う。
本体価格700円
★★★★詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ノンフィクションでこんなにも読みにくい本は初めて。
この方のことをジャーナリストともライターとも、私は呼べない。 -
・孤独死の実情、防ぐための取り組み、関わる人たちの声などが書かれている本。
・結婚していても2人だけで閉じていれば、どちらかが亡くなったときに一気に孤立するリスクがある。
友人知人とのコミュニケーションが大事。
・若い世代は隣近所や自分のことを深く知らない人には干渉されないほうがいいと感じているが、そういう考えはリスクが高い。
多少面倒だと思っても近隣の人と挨拶するなどして交流することを心がけることが重要。
・高齢の孤立予防には、生涯現役で働くことが一番の処方箋。
・人と関わるのが苦手な人ほど地域の活動をして人と関わる機会を増やしたほうがいい。
・困っている人がいたら…頼まれたら助ける、頼まれなくても助けるが合わせて95%
しかし、助けてと言える人は3〜5%
人に多少の迷惑がかかっても助けてと声をあげてOK。
・IT機器による見守りサービスはあるが、そのサービスで見守ってほしいとお願いできる関係づくりがないと意味がない。
・猫町倶楽部を主催している山本多津也さん
「人に頼れないという人は人に頼られたくないということを意味している。人に頼って助けてもらうと、今度はその人が困ったときに自分が助けなければならず、それでは面倒くさくて割に合わないと感じているからだ。けれども、それは頼る頼られるということの一面しか見ていない」
確かに頼られてうれしい人もいるし、それで学べることもあるのかもしれない。
頼ることの壁が少し低くなった気がした。
・人生をかけがいのないものにするには弱い絆が必要。
自分の家族や親友といった親密な強いつながりよりもちょっとした知り合いなどの弱いつながりのほうが、自分にとってはるかに大きな価値をもたらしてくれるという研究結果がある。
強いつながりは過剰な期待をしてしまう。
◎私には弱いつながりが少ない。
少しずつでもいいから趣味の集まりや地域活動などに積極的に参加して弱いつながりをたくさん作っていくのが今後の課題だと感じた。 -
なかなか思えないようだった。筆者は丁寧に取材を重ねて、この課題と向き合っている姿がよくわかった。
筆者のような意識を持って、人との付き合いについて今一度考えさせられる本だった。 -
何十年か後には3人に1人は一人暮らしになるらしいから誰でも孤独死する可能性はある、と知る。死後時間が経って発見された遺体の様子や後処理の大変さ、それに関わった人たちへの心理的負担に心が重くなる。死後早く発見されるには社会、近所の人たちとの繋がりが必要。それはよ~くわかるけどなかなか難しい。マスコミではコメンテーターが高齢者は集団自決しろ、みたいな発言が話題になってるが長生きするのも大変だ。
著者プロフィール
菅野久美子の作品





