作品紹介・あらすじ
脚本家、そして小説家として、その世界に触れた者をたちまち虜にする夫婦ユニットの創作者、木皿泉。何気ない夫婦のやり取りからこぼれ落ちるコトバは、日常に風穴を開け、そこに新たな色を流しこむ。エッセイを中心に、インタビュー、書評、ショートドラマのシナリオの他、木皿ドラマ『野ブタ。をプロデュース』で連続ドラマ初主演を果たした亀梨和也(KAT-TUN)との対談も収録。人気シリーズ第四弾!
感想・レビュー・書評
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木皿食堂シリーズを読むと、自分が欲しかった言葉や知りたかった言葉はこれだったのかと毎回気付かされる。あの時言えなかった自分の気持ちはこれだったのかとも思わせてくれる。
「ダンナは私の頭上に小さな花を降らせてくれる」
「寿司の味はもう覚えていないが、あの日の満足感は忘れていない」
「会いたいと思うのは、無事にいてほしいという、祈りみたいなものなんだろう。」
「居場所というのは、物理的な空間である必要はなく、それさえあれば煮詰まった日々も乗り越えられるという救いのようなもの」
過去の自分を思い出しながらゆっくり読ませてもらいました。楽しい時間でした。
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ストーリーを作り、虚構とも言われるフィクションの世界を紡ぐ人のエッセイ。
いつもはフィクションを書く人の現実の話からは、よりリアルでダイレクトに、筆者の落ち着いていて、燃える感情の機微を受け取れた。
力をくれるお気に入りな意志のこもった言葉たち
・ガチガチに見える現実も、私たちがその気にさえすれば、変えることも可能なのである。
・名づけるとは、この世の一員として位置付けること。名づけてもらった瞬間から、この世の一員なのだ。
・人を数字に換えるのが当たり前の世の中なんかに、絶対に負けるものかと思う。
著者プロフィール
夫婦脚本家。ドラマ「すいか」で向田邦子賞、「Q10」「しあわせのカタチ~脚本家・木皿泉 創作の“世界”」で2年連続ギャラクシー賞優秀賞。他に「野ブタ。をプロデュース」等。著書『二度寝で番茶』など。
「2020年 『さざなみのよる』 で使われていた紹介文から引用しています。」
木皿泉の作品