ぼくとフリオと校庭で (双葉文庫 も 9-1 名作シリーズ)

著者 :
  • 双葉社 (2006年12月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575726107

感想・レビュー・書評

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  • 「方舟が来た日」
    ノアのギャグ短編。

    「難破船」
    宇宙でうらめしやの幽霊にとりつかれるギャグ短編。

    「鎮守の森」
    私が幼いころに遊んだ鎮守の森で、鬼ごっこをしている子供たちに交じっているうちに、なぜか逃げている。
    捕まって監禁される。
    過去の村の生贄にされるためらしい。
    逃亡して洞窟で隠れ暮らし、人を食う。
    現在に戻る。

    「ぼくとフリオと校庭で」
    転校生のフリオは宇宙人のUFOを待っていたり夕焼けの土手にいたり防空壕に入ってビニ本を読んだり。
    僕はついていく。
    翌日フリオは転校、というかUFOにさらわれたのかも。
    ぼくは待つ。

    「沼の子供」
    南米の荒地奥の沼に子供ふたり。
    しばらくすると成人になって性交をしている。
    セニョールが声をかけると、女だけ出ていった。
    残された男を下男として雇うが、数年して自殺。
    ハリウッド女優がどうもあの女に見える。

    「流砂」
    砂の星での労働に満足できない少年少女が流砂を超えようとするが、大人たちが妨害する。
    大人たちも置いていかないでくれと訴える。

    「黒石島殺人事件」
    孤島で殺人事件が起き、刑事が捜査するが、進まない。
    被害者が島民ではないと判明すると、島民たちはなかったことにしてくれないかと頼んでくる。

    「城」
    城下町を形成するグループ会社へのお使いに来た青年は、何日もたらいまわしにされ待ちぼうけを食らう。
    事務員の女とでき、ファックスを待っているうちに老人。

    「蒼い群れ」
    貧困で臓器を売る青年が主役。
    病院で臓器取り出しの待機をするが、少年や女が医者は無意味に臓器を取って人体実験をしていると警告してくる。

    「影の街」
    路地を抜けた街では、巨人は人を食っている。
    実は少年自身の学校も塾も家も食っちまえという願望からできた、少年自身の顔をしている。

  • 沼の赤ん坊の話が一番好き。

  • これに収録されてる「影の街」たまらなく好き。この巨人はエヴァのデザインの元ネタらしいよ。

  • 久々にマンガ買った気がする
    やっぱり諸星大二郎先生面白いわ
    不思議な世界であった

  • 幻想譚を集めた短編集。ハズレなし。

    世界観の構築が秀抜。
    例えば、国家による無目的な臓器売買の恐怖を描く『蒼い群れ』という短編の冒頭で、主人公を乗せたバスの中で臓器売買常連同士の次のような会話が見られる。

    「腎臓(ジン)の相場が上がってるってな。今が売り時だってよ」
    「最近できた医研の人工肺(ジンパイ)はやめたほうがいいぜ。モクがまずくってよォ」
    (中略)
    「おれたちゃ移植(ウエツケ)や人工器官(トッカエ)の実験台なのさ」

    かぎカッコ内の()はルビを示す。
    物語の必然性から考えると、これらにルビを振る必要はない。別に「腎臓」で話は通るだろう。
    しかし、このルビを振って隠語化することは、この物語世界内での臓器売買の日常性や臓器売買常習者の粗野さを簡潔に表現している。
    そして、この臓器売買の日常性や臓器売買常習者の社会的地位の低さは、この短編の世界観をがっちり構築しているのである。

    む〜、お見事。

  • 再読。

    読後になぜだか喪失感がある。

  • 本書所収の『影の街』はエヴァンゲリオンの元ネタとして有名。

  • 諸星大二郎って、何となく、いいです。日本の神話や伝承を素材にした作品には、ときに哲学的なものも感じさせるね。西遊妖猿伝の新刊早く出ないかね?

  • しんみりした表題作も素敵ですが、
    「黒石島殺人事件」の恐怖感や「城」の不条理テイストも
    素晴らしい。

  • 素晴らしく気持ちが悪い諸星大二郎先生の漫画。
    SFですよ不気味で気持ちが悪いですよ。
    子どものときに読んでいたらトラウマものです。

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著者プロフィール

1974年、「生物都市」で手塚賞入選。「週刊少年ジャンプ」で「妖怪ハンター」連載デビュー。民俗学、中国の古典、SF等を題材に、幅広い分野で活躍する漫画家。代表作に「暗黒神話」「マッドメン」「西遊妖猿伝」がある。その独創的な作風から、高い評価を受け、2000年に手塚治虫文化賞マンガ大賞、2014年に芸術選奨文部科学大臣賞、2018年に日本漫画家協会賞コミック部門大賞等、受賞歴は多い。ジャンルを越え、多くのクリエイターに影響を与えたとされる。

「2019年 『幻妖館にようこそ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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