こどものじかん 1 (アクションコミックス)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575831771

感想・レビュー・書評

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  • 『こどものじかん』の内容を簡単に解説すると、かつての人気TVドラマ「高校教師」のような教師と生徒の禁断のラブストーリー。それも小学校の新米教師とその教え子という一歩間違えると犯罪になってしまいかねない危うい関係をスリリングかつ面白おかしく描いている。
     漫画作品として面白おかしくストーリーを展開しつつ、かつまた水戸黄門の由美かおるの入浴シーンのようにお約束のエッチなサービスシーンも毎回のように挿入されるが、その一方で現代の学校教育現場の様々な問題や教師の苦悩、家庭環境を初めとする多くの社会問題を取上げて、それぞれ何らかの解決の糸口や考え方を導き出し提示している。
     物語はヒロイン・九重りんの小学3年生から卒業までをドラマの主軸として描いており、肉体的な思春期を迎えるのも終盤近く。当然のことながら擬似的なシーンはあっても本物のセックスは基本的に描かれない(大人同士のシーンは数カ所ある)。
     
     作者が既婚女性41歳ということもあり、男性向けのかなり過激なサービスシーンも満載だが、大雑把には“ませた小学生の女の子たちが童貞の新米教師を虐める”マンガである。ヒロインは一人だが彼女は常に二人の女子とつるんで行動しており、結局主人公の青木先生はこの三人の“飴と鞭”によって日々辱められつつも、同僚の教師たちとともに先生として人間としてどんどん成長して行く。
     連載されていたのは「男性向け少女漫画誌」(=男性読者をターゲットとした少女漫画誌)という特殊な編集方針の青年誌『コミックハイ!』で、絵的には完全にロリコン向けに見える幼女と成人男性だが、精神面ではむしろ手練の年増女が経験不足の若い男をたぶらかしているうちに逆に惚れちゃったみたいなドラマになっており、女性にも120%楽しめる作品になっていると思う。

     以前どこかで『こどものじかん』に関する作者のインタビューか何かを読んだ時に、見た眼やあらすじから想像される下品なイメージとは裏腹にかなりしっかりした考え方で教育現場や社会問題に取り組んだ内容であることを知って読んでみたいと頭の片隅においてあった作品だが、先日読んだ最新インタビュー(↓一番下のリンク)でようやく完結したことを知って一気読みしてみた。そして予想以上によくできた物語に完璧にノックアウトされてしまった。10年近い連載を追っかけて来た人には申し訳ないが、こんなもの何年もかけて読むのは絶対に無理だ気の短い俺には!(待ち切れなくて気が狂いそうになるだろう)
     作者・私屋カヲルの漫画家歴はなんと22年だが、この作品を知るまで全く知らなかったことが不思議でしょうがないほど、よくできたドラマである。当然すでにアニメ化もされているが、いっそのことTVは日本中どころか世界中から批判の的になることを承知の上で実写化でもすればいい。たぶん間違いなく視聴率はすごいことになるだろう。それくらいの火種と火薬が十二分に仕込まれている内容だが、最後まで読むと実は物凄い感動的な名作(主人公たち以外の登場人物のドラマも含めて)である。
     こういった作品には全く縁のない多くの人が、たぶん大笑いして大泣きして最後に大きな感動につつまれることは絶対に間違いない。また、これから親になる人や子供が入学予定の人、すでに子供が学校に通い始めている親たち、あるいは先生にも是非読んでもらいたい漫画だ。(子供たちの心理、先生たちの苦労を少しは知っておくべきだと思う)

    ※この作品を語るにはまず「ロリコン」とは何かというところから始めようと思って、信頼性云々は別にしてざっくりした理解を求める為にウィキペディアにおける「ロリータ・コンプレックス」を読んでみた。驚いたことに「ロリータ・コンプレックス」とは和製英語であった。しかし『こどものじかん』を語る上には全く必要のない知識であることに途中で気づいた。
    ※2004年から青年誌で始まった『こどものじかん』の後、2006年より少年誌『少年チャンピオン』においてほとんど全く同じシチュエーションに見えるギャグ漫画『みつどもえ』が始まり現在も連載中でTVアニメ化もされているが、完全に別物なのでごっちゃにならないように気をつけたい(←自分)。
    ※最新インタビュー(↓下のリンク)は漫画を読む読まないを別にして本当に面白い内容なのでヒマがあったら是非一読をお勧め。漫画を既読の人には自分が誰視点というところが興味深い。“ちらい”先生と担当クラスの“のり子”のシーンがいつもツボな俺はきっと小矢島先生視点なんだろうなーとか。

    ◎主導権を持っている子を先生の味方につけるのは常套手段
     『こどものじかん』私屋カヲルに聞く
    http://www.excite.co.jp/News/reviewbook/20130731/E1375200384491.html

  • この本めちゃくちゃ面白いですよ!!
    ちょっと、イケない系が好きな人にはオススメですねw(笑)

  • 23歳の新人教師・青木大介(あおき・だいすけ)が、小学3年生のクラス担任になって、とってもおませな九重(ここのえ)りん、ちょっと残念な黒髪少女の鏡黒(かがみ・くろ)、不登校の宇佐美々(うさ・みみ)の3人中心に、ロリ可愛い少女たちに翻弄されつつ成長していく姿を描いた作品です。

    青木先生が意外にきちんと教師らしいところも見せているのがエクスキューズになっているのかもしれませんが、はじめて読んだときは、「ここまでセーフなのか」と驚いた覚えがあります。ライトノベルには、ロリコン&スポコン作品の蒼山サグ『ロウきゅーぶ』全15巻(電撃文庫)がありますが、あちらがすなおな少女たちが登場するのに対して、こちらのヒロインたちはあざとさ全開で先生を翻弄します。

  • あれこれ詰め込みすぎて、一体何がメインなのかよく分からない…多分、小学生のりんちゃんと、担任の先生との恋愛模様だと思うのだが、ここまで低年齢だと腰が引けてしまう。
    意外に?教師の実態が詳しく、リアルに描かれていて、興味深かった。
    ロリ部分にはついていけず、LINEマンガ一巻無料で終了。

  • 巻を重ねていく毎に、ただのエロ漫画ではない事が分かると思う。
    重い話題も取り上げているので、考えさせられる事が多い漫画。
    結末がどうなるか、ドキドキしながら見ています。

  • パワフルであったかな女の子たちのお話。
    ちょっと過激でおませというひっかかりと、元気いっぱいな振る舞いのりんが明るくあれる理由。それはこの作品が、まるで親が子を見守るように描かれているからだと思う。親子のお話が好きすぎるのでうるっとなったけど、この作品全体の明るいムードが涙を流させない。そのバランスもすばらしい。
    中でも3巻で前に好きだった人のことを聞かれた青木先生が、九重は九重だろ!というシーンが、教師目線でも親目線でも、一人の人間としての目線できちんとりんという人間のことを見つめていて、気持ちよかったです。

    あと宝院先生の、好きになってほしければ自分から優しくすること、というせりふや、白井先生と黒ちゃんの友情のバラのピンなど、真理がたくさんつまってるけど説教くさくない! 学校の授業みたいなシンプルで大切な内容がここまですとんと肌になじむのがすばらしい。

    レイジさんは、秋さんベースでりんちゃんを見ているけれどそのあたたかさも(秋さんにしてやれなかったこと全部してやりたい、ですね)ベクトルは違うけどきちんとりんちゃんに届いていてって思ったら途中で変わったー!その裏切りの予感もりんちゃんは気づいていたんだろうな。子供は敏感・・・。
    ぱっとみ一番受身の青木先生の存在によって少しずつ変わっていく周りの先生たちもいとしいです。

  •  子供が子供らしくなく(子供らしいってどーなの?トも思うんだけど)、想像以上に物分りが良すぎて「大人に都合のよい子供」っぽい印象。エロくされても……。

  • 話がリアル!子供の世界はそんなにキレイじゃないんです。大人の支配下にある狭い鳥かごの中で、一生懸命もがいて生きてるんです。空に憧れるのは当然でしょう。
    何故小学生でなければならないのか?中学生や高校生で良いだろう。…私はこう考える理由が分かりません。答えは出ているでしょう?こどものじかんと題している意味を理解しましょうよ。子供と大人の中間地点、それが小学生だからです。
    このマンガの表面だけを見て嫌悪している大人こそ、絶対読むべきです!そして、自分の過去を省みれば良い。自分は清廉潔白…理想の子供だったかという事を。絶対違うよね?、もう、大人の理想を押し付けるのは止めませんか?
    大人は空が危険だから閉じ込めるのではなく、危険から身を守り、生きて行ける方法を教えるのが本当!
    子供は不安だから知識を得ようとするのに、大人は否定しかしていない現状…気兼ねなく聞ける状況を作っていない事こそが問題でしょう。体はどんどん大人になって行くのに。
    不安な時に頼れない…結局子供に信頼されていないのだ大人は。
    そして体の成長と共に、良くも悪くも好奇心が芽生える。そこでセーブ出来るかどうかは本人次第。周りの環境次第です。
    家の子に限ってと現実逃避したら終わりでしょう。大人にならない子供はいませんからね!
    何故子供の心の成長を素直に喜べないのでしょうか?
    何故大人の先輩として手を引き、正しく導いてあげないのでしょうか?
    誰でもきっと、りん達に通じるものがある筈。人を求め愛を欲する根本は一緒。
    りんが大人びた行動をワザとするのは、早く大人になりたいからでしょう。青木先生に振り向いて貰う為のアピール…子供を青木先生が相手にしないとちゃんと理解しているから。
    だけど諦めたくない。愛して貰いたいと足掻く…表現は過激だが、そんなりんの健気な想いを何故咎められるのか?
    勿論、限度はある。しかし青木先生は絶対一線を超えない。りんが本当に好きだから。愛している相手を傷付ける訳がないでしょう?
    「小学生と教師」程、世間に非難されるカップルは無い。この強固な壁を崩すのはとても楽しいでしょうね。非難されればされる程に!
    昼ドラの鉄板ネタである不倫・略奪愛や、実の親子が恋愛する訳では無し…まして二人は処女と童貞ですよ?残念ながらぴゅあなんです。
    子供はH=愛 大人はH=快楽・恥 と考えている様な気がします。
    ロリコン、ペド…何故そんな汚らしい色眼鏡で見るのですか?二人は何か悪い事をしていますか?一生懸命恋しているだけでしょう。今の立場が「小学生と教師」なだけで!
    真剣な二人を馬鹿にする権利は誰にも無い。「制限付き恋愛」のルールを破らない限りは!
    確実に大人の階段を上っているりん。11巻の現時点でもう12歳だから、最低で後4年です!
    りんが大人になるまで童貞を守って下さいね、青木先生!!

  • ひょんなことから読んでみたら結構というかかなり面白かった。
    その日のうちに既刊全部買ってもうたというねw

    僕はロリータコンプレックスでもペドフィリアでもないけど、かわいいわw
    可愛くて生意気でこ憎たらしいクソガキどもです。
    やっていることに違いはあっても自分が小学生のころも近いことをやっていたなあと思い当ったりもする。
    表現が過激すぎる!なんていう向きもあるけど、案外やってたような気がするんだよね~。
    このくらいの年代って純粋で過激だから結構今考えるとぎょっとするようなこともやるし、純粋で過激に情報が加われば…。

    教師って大変な仕事だねえ…。

    過激(?)な性表現ばかりが取りざたされる本作ですが、「そこ」に目を向けて読めばそれはそうかもしれませんが、偏見や先入観なしに読めばそれは本題ではなく、またそれはテーマを描くにあたって必要な手法であるということが理解できるはずです。
    小学生の「生」の過激な部分を描いていることで批判の対象になりがちなのですが、批判している人たちは果たして偏見や先入観なしにこの作品の本質を読み取ろうとしているのか?
    というよりも、そういう偏った目線を持たなければ、作者がなにを言いたいかは自ずからわかるはずなんですけどね。
    少なくとも、作者の彼女たちへの強い愛情を感じることができると思うんですよね。その感覚が理解できない人たちに他人の作品を否定する権利はないのです。これがアウトなら源氏物語は国際的発禁本です!
    あと、ロリコンだろがショタコンだろうがレズだろうがゲイだろうがバイだろうが私は一向に構わないと思う。
    ただし、他人に迷惑をかけないという基本を押さえるべきである。

  • 絵はそこまでツボではないが、萌えで終わらずちゃんとストーリーがあるのがいい。でもありきたりな感じも…

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