弟の夫(1) (アクションコミックス(月刊アクション))

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 515
レビュー : 45
  • Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575846256

感想・レビュー・書評

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  • 泣いてる表現すごかった。
    泣き顔じゃなくて、月がぼやけるだけで表現させるんだ…って感動した。

    そして全体的に、表現が素晴らしかった。
    淡々としてる中に深い悲しみとか、とめどない優しさがあって、涙が出そうになった。
    畳で寝転がるところなど、切なくてたまらない。

    子供の立ち位置も素晴らしくて、大人だけだと話が重くなりすぎるんだろうなあ。
    子供に何度も頭をほぐしてもらった。主人公とともに。

    こんなにも真摯で、読みやすくて、賞をとらないわけないな、と何度も納得して読み返した。
    色んな人にすすめたくなる。

  •  田亀源五郎の『弟の夫』(アクション・コミックス)1巻を読んだ。仕事の資料として。
     海外でも人気の高いゲイ・エロティック・アーティストの著者が、初めて一般コミック誌(『月刊アクション』)に連載中の作品。

     ゲイの世界を描いたマンガは、これまでにもたくさんあった。
     山上たつひこの「至上の愛」(『喜劇新思想大系』の一編)あたりが嚆矢なのだろうが、その後は少女マンガの世界でさまざまな形で描かれてきたし(吉田秋生の『カリフォルニア物語』のゲイたちとか)、「BL」も広い意味ではゲイ・マンガといえる。

     しかし、自らもゲイである作者が、ゲイではない読者が大半の一般コミック誌にゲイのマンガを描くのは、本作が初だろう。その意味で、これは日本マンガ史の期を画す作品である。

     主人公・弥一(やいち)の双子の弟がカナダで客死し、翌月、「弟の夫」マイクがカナダから日本にやってくる(カナダは同性婚が合法の国であり、外国人も同性パートナーと結婚できる)。

     マイクは日本滞在中、弥一と娘の夏菜(カナ)が2人で暮らす家に住むことになる。
     弥一はノンケ(=ゲイではない)であり、マイクにどう接したらよいかわからない。
     戸惑いばかりの共同生活の中で、弥一はマイクを通じて、少しずつゲイに対する理解を深めていく。

     ……と、いうような話。
     ていねいかつスッキリとした絵が素晴らしい。また、ゲイに関する基礎知識などが、あからさまな啓発臭を漂わせることなく、ストーリーの中に自然な形で織り込まれている点も好ましい。

     ただ、私が本作の欠点だと思ったのは、主人公の娘・夏菜の描き方である。

     夏菜は小学校低学年という設定だと思うが、その年頃の女の子が、突然外国からやってきた見知らぬオッサンを、きたその日から家族の一員としてすんなり受け入れるなんて、あり得ないだろう。
     べつに「男と男が結婚するなんて、キモーイ!」とか言わなくてもいいけれど(それはそれで紋切型だし)、少しは戸惑いとか葛藤があってしかるべきではないか。
     本作でマイクの登場に戸惑うのは弥一のみであり、夏菜はまったく戸惑わない。そこにリアリティの欠如を感じる。

     弥一とマイクの人物像には十分にリアリティがあるのに、夏菜だけが「絵空事のキャラ」という印象を受けてしまうのだ。
     これからのストーリーの中で、そのへんの不自然さが払拭されていくことを願う。

  • 購入

  • ドラマ化したのをきっかけに読んでみました。

    口には出さないけど、葛藤ってあるよなぁ。

    のっけから色々考えさせられる漫画ですね。

  • 同性愛を扱う作品は様々な切り口で描かれているものがあるが、本作はいわゆるガチムチ系の直球派であり、耐性のない方にはおすすめしにくいきらいがある。

  • 『弟の夫』
    NHK BSプレミアム/毎週日曜放送
    2018年3月4日から

  • LGBTをテーマにしたホームドラマ。
    気になっていた作品で、NHKプレミアムでドラマ化するっていうので一気に読んでみました。

    原作読んで改めてチェックしてみると、ドラマのキャスティングが絶妙ですね。ビジュアルはかなりの納得感。特にマイク…!

  • ガチむちな男性二人が表紙をかざっていて、どんな物語になるのかーと思ったが、同性愛者本人の悩みやその人に関わる人の思いなど真面目にストーリーが続いていく。
    かなちゃんが無邪気にマイクに質問するのがいい。
    どっちが奥さんなの?と聞いて、マイクは、そんなのはなく二人とも旦那さんなんだよ。と答える。
    男と女が愛し合って結婚することが当たり前のように考えてしまっている自分がいることに気づきました。

  • 想定外の良作
    ゲイである双子の弟がカナダで亡くなったが
    その夫が訪ねてくる。それに主人公がどう向き合うかを
    丁寧にまとめられている
    主人公自体、妻と別れて子供と二人暮しなので、
    どちらかというとマイノリティである点や、
    娘がこの状況を楽しむのも、ゲイ云々よりも自分に
    カナダ人の親類ができたと言う驚きが勝ったなど、
    受け入れやすさを細かく設定している
    1巻では主人公がなかなかこの自体を受け入れられないが
    父親としてどう振る舞うかを真剣に考えて、徐々に考え
    をシフトしていくなど、実に心地良い流れだ
    主人公が鏡に映るシーンも多いのは、暗に弟を暗示して
    るのだろう
    唯一納得できないのは、こんな生活であんなマッチョに
    なれるわけがないという点だけである

  • LGBTQの本棚から
    第24回「弟の夫」

    今週は学祭で林くんが忙しいそうなので、不詳赤木かん子がピンチヒッターをあいつとめさせていただきます。

    無事完結しました「弟の夫」……。
    双子の弟に、高校生のときに、オレ、ゲイだから、といわれて、以来どうしていいかわかんなくてなんとなく疎遠になり、そのあとはカナダにいっちゃってそこで結婚して……長いこと会ってなかった弟が病気で亡くなります。
    男の兄弟なんてそんなもんかと無理やり納得させていた兄ちゃん……バツイチ、娘あり、自分はアパート管理して昼間自由だから育ててる……のところへ、ある日、白人の、でかい、気立てのいいおっさんがあらわれ、弟の夫だ、といいます。
    固まる彼とは反対に、娘は、おじさん?といってなつく……。
    これは、マイク(夫ね)と何週間かつきあうことによって、兄ちゃんが自分の偏見やわだかまりに気づき、それを解体して自由になる物語です。
    本当はずっとそうしたかった……。
    だって仲のいい兄弟だったのです。

    当事者は大変です。
    それは本当にそうです。
    嫌だと思っても逃げられないし……(笑)
    でも、まわりも大変なのです。
    価値観を一変させるということはー。
    (まあ、その価値観は差別そのものなので、そんなもの、なくてもいいわけですが……)
    兄ちゃんは自分が自由になると同時に今度は周囲の偏見の目とも戦うことになります。
    遊んじゃダメよ、という娘の友だちのお母さん……。
    ああいう人といるのはちょっと……という学校の教師……。
    かと思えば、こっそり話を聞きに来たゲイの少年がいたり……。
    マイクがくる前に自分が暮らしていた世界が思い出せなくなるほどの転換……。

    そうしてようやく彼は弟をもう一度愛し、悲しみ、和解する……。

    テーマをきっちり描いているだけでなく、バランスのいい上質の物語に仕上がっています。
    というわけで、司書は読んでおいてね。

    2017年10月23日

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著者プロフィール

田亀源五郎(たがめ・げんごろう)

ゲイ・エロティック・アーティスト。
1964年生まれ。多摩美術大学卒業後、
アート・ディレクターをしつつ、
1986年よりゲイ雑誌にマンガ、
イラストレーション、小説等を発表。
1994年から専業作家となり、
ゲイ雑誌『G-men』(ジープロジェクト)の
企画・創刊にも協力。
同時に、日本の過去のゲイ・エロティック・アートの研究、
およびその再評価活動を開始。
また、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツなどの
ゲイ・メディアでも活動開始。
2006年『G-men』企画より離脱。
2015年、『弟の夫』で
第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。
http://www.tagame.org/


【著書一覧】
●マンガ
『嬲り者』(ビープロダクト)
『柔術教師』(ピープロダクト)
『獲物』(ジープロジェクト)
『銀の華(上・中・下巻)』(ジープロジェクト)
『PRIDE(上・中・下巻)』(ジープロジェクト発行、古川書房発売)
『田亀源五郎短編集 天守に棲む鬼/軍次』(ジープロジェクト発行、古川書房発売)
『田亀源五郎[禁断]作品集』(ポット出版)*
『ウィルトゥース』(オークラ出版)
『君よ知るや南の獄(上・下巻)』(ポット出版)*
『外道の家(上・中・下巻)』(テラ出版発行、技術と人間発売)
『髭と肉体』(オークラ出版)
『童地獄・父子地獄』(ポット出版)*
『田舎医者/ポチ』(ポット出版)*
『筋肉奇譚』(オークス・コミックス)
『銀の華 復刻版(上・中・下巻)』(ポット出版)*
『冬の番屋/長持の中』(ポット出版)*
『エンドレス・ゲーム』(ポット出版)*
『弟の夫(1〜4巻)』(双葉社)*
GUNJI(H&O Éditions/フランス)
ARENA(H&O Éditions/フランス)
Goku - L’île Aux Prisonniers (3 volumes)(H&O Éditions/フランス)
Racconti Estremi(Black Velvet/イタリア)
LA CASA DE LOS HEREJES 3 volumes(Ediciones La Cúpla/スペイン)
VIRTUS(H&O Éditions/フランス)
VIRTUS(Ren Books/イタリア)
The Passion of Gengoroh Tagame(PictureBox/アメリカ)
Endless Game(Bruno Gmünder/ドイツ)
Gunji(Bruno Gmünder/ドイツ)
L’inverno del pescatore(Ren Books/イタリア)
Fisherman’s Lodge(Bruno Gmünder/ドイツ)
Cretian Cow(Massive/アメリカ)
The Contracts of the Fall(Bruno Gmünder/ドイツ)
Passion of Gengoroh Tagame: Master of Gay Erotic Manga (expanded edition)(Bruno Gmünder/ドイツ)
아우의 남편(Imageframe 길찾기/韓国)
Le mari de mon frère(Akata/フランス)
My Brother’s Husband(Pantheon/アメリカ)
Il Marito di mio Fratello(Panini/イタリア)
*印は、電子書籍も配信

●小説
電子書籍Kindle版『デカとヤクザとニンジンと 田亀源五郎小説作品集』(Bear’s Cave)
電子書籍Kindle版『田亀源五郎小説作品集SINGLE 工事現場の夜』(Bear’s Cave)

●画集
『日本のゲイ・エロティック・アートvol.1 ゲイ雑誌創生期の作家たち』(ポット出版)
『日本のゲイ・エロティック・アートvol.2 ゲイのファンタジーの時代的変遷』(ポット出版)
THE ART OF GENGOROH TAGAME(H&O Éditions/フランス)

「2017年 『嬲り者《復元完全版》』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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