orange(5) (アクションコミックス)

著者 :
  • 双葉社
3.80
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本棚登録 : 1599
感想 : 92
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575847093

感想・レビュー・書評

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  • ラストはむむ?という感じだけど、
    翔が生きてくれてうれしい。
    「翔のせいじゃない」っていうのが翔を傷つけていたんだね。だから須和君の「おまえのせいだよ」に救われたんだと思う。そこにいることを実感させたんだと思う。
    翔のために変わろうとした菜穂の姿もいい。


  • これまで周囲の人がもれなく勧めてくるので
    反骨精神で今まで読んでこなかったことを
    読了してから深く反省しました。

    十代の多感な時期に両親との別れを経験した
    翔の、死にたいという気持ちは、並大抵のことでは
    動かされることはなかったように思います。
    ただ、菜穂たちが同じ過ちを繰り返さないようにと
    積み重ねてきた1年とわずかの長い月日は、翔に
    「もう少しだけ生きてみたい」
    という一瞬の思考を与えたかけがえのないものでした。

    翔を救えた過去と救えなかった過去が交錯して
    いたけれど、この世界では無事に翔を
    救い出せて本当によかったなあと思います。

    自分だけは生きて罪を背負わなければならないと
    思うことで「生」に雁字搦めになってしまい、
    毎日死にたいと思うのに、それでもみんなと
    いる時は笑っていようとするその健気さに
    胸が押しつぶされそうになりました。

    あの時ああすればよかったなんて後悔は
    十代の頃は振り返れば沢山あったはずなのに、
    今はそこまで強く過去に戻りたいと思わないのは
    自分が大人になりすぎたからなのかな。


    菜穂たちの努力はもちろんだけど、最終的に
    ハギタがチャリ壊してくれたお陰と言っても
    過言では無い。ハギタのギャグセンス高すぎて
    一番好きなキャラかもしれない。
    アズと結婚してくれないとわたしが無理です。

    あと本編と全然関係ないけど、
    春色アストロノートの竜秋フラグが
    立ってくれたのが嬉しくて泣きました。

  • はじめて読んだ作家さん。恋愛漫画じゃなくて、翔が前を向けるまでのストーリーとして読みました。
    生きてることが1番辛い、生きてる意味がわからなくなる、最初から全部やり直したい、と大切な人に言われた経験がある身からすると、翔が母親を亡くして自分を責めて追い込む気持ちも、翔が死へと向かう心情も、とてもリアルで苦しかった。強くならなきゃ、しっかり生きなきゃ、でも生きていく希望がない。その揺れ動く葛藤が、まさに生死の天秤で、母親のメールを読んだ時にガクンと天秤が傾いてしまったシーンが目に浮かんでしまった。

    人を助けるなんて、救うなんて生易しいもんじゃないし、それこそこっちも命がけだから、菜穂の周りに信頼できる友達がいて良かった。悩みを打ち明けるのが怖いっていうのもとても分かるし、生きることとか死ぬことなんて軽々しく相談できない。人に簡単に言えたら悩んでない。死にたいことを口に出してしまうと、みんなと一緒にいれない気がして明るく振る舞う翔の気持ちもとてもよく分かる。だから、こじ開けてでも真剣に聞いてくれる人が側にいることが必要だったんだと思う。
    小さなことを積み重ねて、翔の心を救うために、後悔しないために、1人じゃないよと伝えるために、みんなが頑張るのが、とても嬉しかった。きっと手紙が届いた世界の翔も、これからも何度も天秤は動くだろうと思った。けれど、大丈夫だと思いたい。
    希望、ってゆう言葉を受け入れたくなる、そんな作品だった。

  • 一気に読了。
    続きが気になるストーリーだったから一気読みできてよかった。
    出てくる子達みんないい子なんだけど、なんだろう?君に届けとか青空エールみたいに感動はしなかったなー。

    手紙が来る前の翔が自殺しちゃったのは色んなことの積み重ねにより…って言うのはわかったけど、手紙が来てからは色々いい方向に進んでいたのにそれでも自殺しようとしちゃうのかーとなんとなくもやもや。
    まあ、ストーリーの盛り上がりのためにはしかたないんだろうけど。

    菜穂だけじゃなくて須和サイドとか他の四人の子達の視点からも見てみたいかも。
    特に須和くん。
    須和くん視点のが泣いちゃいそうだ


    巻末のマミチキの話のがなんかほんわかしたな。

  • 須和の献身的な犠牲によりパラレルワールドを一つ作った、という終わりのようで終わりの見えなかった話だったので、スカッとしない。読後感はいまいち。人の心なんて、自分にしか分からないのに、わかってもらおうと努力もしてないのに「お前には僕の気持ちなんてわかってない」と悲しんだり怒ったりするのには、イラッ。人が親身になれる範囲なんて限られているわけで、どこまで友人がべったり面倒見なきゃいけないんだと思った。
    須和の我慢の上に成り立っているので、私的にはバッドエンド。でもまあ、話としてはこういうオチしかなかったのかも。
    心の闇を抱える子をどう扱うかの、問題提起作品。

  • 菜穂の元へ未来から手紙が届く。未来を変えてほしいと。日記にそれぞれの日に起こること、どうしてほしいか書かれている。新たに転校してくる翔に心惹かれるが、翔は自殺するらしい。それを止めるため奔走するが、止めるには翔の心の中にある闇を救わなければならない。
    最終巻は自殺するXデイがやってくるが、心を閉ざす翔の心に届くように、必死にアクセスしようとする。心の闇(母の自殺の原因が自分であると攻めている)を解消できるわけではないが、必死な思いは届くか?
    人々の交流はゆるいものですが、誰かを救おうとか、強い思いを持って、大きく人の心に踏み込みあえる友人が思春期にいることは幸せだな~と感じました。

  • 少女マンガ特有のすれ違いだとかハッキリしない二人のもどかしさにモヤモヤしながらもラストが気になり最後まで飽きずに読めました。スッキリと終われてよかった、かな。パラレルパラレル

  • 後悔の物語。
    拭えない後悔から、10年前の自分たちに手紙をかく。
    最愛の人の自殺が、どれだけ心を蝕むのか、
    翔の死へと向かう心情が辛い。
    本当は人生を巻き戻すことなんてできないけれど、未来を知らされていたら、必死に生きられるのだろうか?
    自分を変える勇気がない限り、未来を変えることなんてできないんだろうと思う。
    未来を救うのは難しい、だから後悔の連続なのだ。

  • 最終巻。ここまで泣いて泣いて、最終巻は思ったよりあっさり?予想通り終わった感じ。
    物足りない感じもしたけど、でもハッピーエンドで良かったなと。
    最後までどう転ぶかハラハラした。
    たくさんのパラレルワールドがあって、その中で翔が幸せになる世界があって良かったと思う。
    タイトルの意味もようやく分かってスッキリした最終巻だった。

  • 号泣とまではいかないけれど、すごくじんわりきました。読めてよかった。

    ファンタジーだから、何で手紙が届いたのかって部分はわからないままでよかったと思う。
    そして、翔が死んでしまった未来、それでも菜穂と須和が幸せな家庭を築いた未来も無くならなくて私はすごく良かったと思いました、自分が通ってきた過去はやっぱり変えられないけれど悲しいことも嬉しいことも含めて今の菜穂があるし、横には須和がいて子供もいて。

    でもやっぱり、翔の変わらなかった死んでしまった世界の翔視点の部分は読んでいて辛かったし、変わらなかったらどうしようともはらはらしましたが、明日も楽しいことがあるのかなって言えるようになって本当に良かった。

    それにしても須和がかっこ良すぎる!それに尽きます私にとってこの漫画は!それと同時にこの世界の須和は菜穂と一緒になることはできないんだなと切なさでいっぱいです。それでも大好きな人と大好きな友達のためにって思える須和がかっこよすぎました。

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