弟の夫(2) (アクションコミックス(月刊アクション))

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 290
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575847413

感想・レビュー・書評

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  • 2巻読了。

    「パパやママにも相談できない悩みと
    パパやママだから言えない秘密です」

    すごく、わかります(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

  • LGBTQの本棚から
    第44回「弟の夫 -前編-」

    今回紹介するのは
    『弟の夫』(田亀源五郎)です。
    紹介したいところがたくさんありすぎたので前後編にわけました!

    この本は全四巻の漫画で、題名の通り「ある日、弟の"夫"が主人公の弥一(やいち)の元へやってくる」ことからはじまり、弟の夫が日本に滞在した3週間を描いています。

    弥一には一人娘の夏菜(かな)、小学六年生、がいるのですが、夏菜をはじめとした子どもたちの純粋な声に心動かされることが多々あったので今回はそこを紹介しようと思います。

    まず弟の夫であるマイクが夏菜に自分が同性愛者で、弥一の弟と結婚していることを告げた時、夏菜は
    『男同士で結婚!? そんなことできるの!?』
    と驚きます。
    それに対して
    マイクは『できますよ』
    弥一は『できないよ!』
    と答えます。
    同性婚ができる国とできない国があることに夏菜は

    『変なの
    こっちでよくてあっちでダメなんてそんなの変!』
    といいます。

    また、4巻では夏菜の友達の女の子が
    『愛し合った人たちが結婚できるのは素敵なことだと思います!』
    といいます。

    これを無知ゆえの軽率な言葉ととるか、純粋ゆえの真っ直ぐな見方をした結果ととるかはあなた次第ですが、僕は素敵な見方だと思いました。

    だって彼らのいうことは、間違いではないし、誰も不幸にはならない見方じゃないですか!

    これに対して作中の大人たちの言動は、マイクが同性愛者と知って『子どもに悪影響』だと言ったり、同性愛や同性婚について話すのはいじめられることにつながったりするかもしれないと心配したり……

    なんというか、子どもを守るという建前で、自分からセクマイ関連のことを遠ざけたいように感じました。
    "知らない" から怖くて、怖いから遠ざけて…それじゃ何も変わらないじゃないですか。

    大人になるってなんなんでしょうね。

    この漫画はそんなことも考えさせてくれます。

    あと、途中に入っているマイクのゲイカルチャー講座は勉強になります。

    僕が今回なるほどな、と思ったのは『ゲイ・プライド』についての講座で
    『日本語でプライドというと、つい「誇り? それって自慢するようなことなの?」と思ってしまうかもしれませんが、これは「自分自身を恥じるな、自尊心を失うな」という意味でのプライドなのです。』
    と説明していたところです。

    レインボー・パレードとかセクマイの人たちが自分のセクシャリティを公にしているイベントには「こういう人たちがいるんですよ」と知ってもらうためだけじゃなく、「自分たちのことを隠さない、堂々と見せる」ことで自分自身を肯定する…そんな意味があるのかもしれません。

    ということで前編はこのあたりで終わります。
    後編はまた別のテーマを……。

    ここまでで、興味を持ってくれた方にはぜひご自分で読んでいただきたいと思います。
    とてもよくできた漫画で、さまざまな方向からいろいろ考えるきっかけをもらえます。

    2018年04月09日

  • 夏菜ちゃんの素直な感性に心打たれます。
    日本には同性婚への偏見が少ないとはいえ、どこの国でも受け止め方は人それぞれですからね。でも他の国と比べても許容されてる方ではあるみたい。

    一哉くんみたいに、ひとりで悩んでいる子がいると思うと悲しいです。偏見が少ないからと言って、自分のことを家族や周囲に話せば幸せになれるという社会でもなく。
    いろんな愛の形、家族の形があって当たり前だと思うんだけどな。
    他人に対する理解とか、思いやりとか、果たして自分はどれだけできてるだろうかと我が身を振り返ってしまいました。

  • 漫画の途中にある扉絵にいろいろな知識が載っておもしろい。
    「カミングアウト」というようになった起源とか。

    今回は中学生で自分がゲイだと気づいた男の子がマイクに相談しにきます。
    周りの友達と違うということは思春期の少年にとってはとってもつらいこと。
    もし私だったらどんなアドバイスができるんだろうか。

  • 弥一さんの葛藤、マイクさんの切なさ、ともくんのお兄ちゃんの勇気ある行動、エピソードもそうだけど、軽く、ほんとさらりとそれぞれの想いが数コマで表現されてるところにぐっときました。

  • 結局続きも借りてきて読んだ。
    日本ではゲイへの差別が少ない、というのは巷間でもよく言われることだけれど(多分、キリスト教とか宗教的な差別がないことが論拠になっているのだろう)、メディアに出てくる同性愛社はほぼ「オネエ」(この言葉嫌いだけど仕方なく使います)ばかりになっていて、そういった人たちを否定するつもりではないんだけど、例えばああいった言葉を使わない、本当にそこらへんにいるような人がカミングアウトするというパターンは恐ろしく少ない(つい先日、それだけが理由とはとても思えないがアウティングにあった俳優が引退したくらいだ)。もちろん今はネットで調べればいくらでもそういった人たちが普通に存在してるのだということはわかるけれど、それでもやはり「ネット越し」なわけで、出て来た彼の苦悩はよくわかる。
    もっと苛烈な差別の国もあるだろうということはわかってはいるけれど、だからといって日本には差別が少ないとは、とてもじゃないけど言えないなあ。
    主人公の認識が改まって、社会での差別の描写に重点が移っているので、読むのがちょっと辛かった。

  • 3人のほのぼのとした日常にほっこりしつつも、セクシャルマイノリティについて考えさせられる。
    亡くした夫とそっくりな弥一と過ごしているマイクの気持ちを考えると切ない。
    一哉くんの所はじーんとした。ものすごく思い詰めていたのが想像できるし、マイクに打ち明けられたことで救われてるといいな。
    やっぱりセクシャルマイノリティに対する偏見を、本当の意味で取り除くのって簡単じゃない。「恥ずかしいことじゃない」って頭で理解するのと、心から自然に思えるのとは違うから。他人の感覚的なことを理解するのは難しいし、人はわからないことは怖いと思うものだし。
    この漫画の優しい雰囲気が好きだから、結末も優しいものになるといいな。

  • ほんわか。幸せになってほしい。

  • マンガの上でもスクリプトの上でもコマ割りの上でも、どこかぎこちなさを感じる作品。良くも悪くもテーマに対して平凡すぎるというか、見せ方に対してもひねりがなさすぎるし、それ故の純粋さと言うには、さすがに才能を感じさせてくれない。たぶん、だけど、作品全体に感じられる「古さ」(時代遅れな、時代錯誤な感じ)がそう思わせているのかな(言うまでもないですが、テーマに対してではなく、マンガ作品として、です)。この作家がこの物語を練り上げている間に、マンガというテクノロジーがやや進歩し過ぎてしまった、のかも。変な話これが80年代を舞台にしていた作品だとしたら、また少し違ったのかもしれない。そういう意味ではアンラッキーだし、作家よりも編集者が導かなければいけない部分だろう。/とりあえず、3巻はいいかな……。でも、チーズマカロニとホットチョコレートは、つくりたくなります。

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著者プロフィール

田亀源五郎(たがめ・げんごろう)

ゲイ・エロティック・アーティスト。
1964年生まれ。多摩美術大学卒業後、
アート・ディレクターをしつつ、
1986年よりゲイ雑誌にマンガ、
イラストレーション、小説等を発表。
1994年から専業作家となり、
ゲイ雑誌『G-men』(ジープロジェクト)の
企画・創刊にも協力。
同時に、日本の過去のゲイ・エロティック・アートの研究、
およびその再評価活動を開始。
また、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツなどの
ゲイ・メディアでも活動開始。
2006年『G-men』企画より離脱。
2015年、『弟の夫』で
第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。
http://www.tagame.org/


【著書一覧】
●マンガ
『嬲り者』(ビープロダクト)
『柔術教師』(ピープロダクト)
『獲物』(ジープロジェクト)
『銀の華(上・中・下巻)』(ジープロジェクト)
『PRIDE(上・中・下巻)』(ジープロジェクト発行、古川書房発売)
『田亀源五郎短編集 天守に棲む鬼/軍次』(ジープロジェクト発行、古川書房発売)
『田亀源五郎[禁断]作品集』(ポット出版)*
『ウィルトゥース』(オークラ出版)
『君よ知るや南の獄(上・下巻)』(ポット出版)*
『外道の家(上・中・下巻)』(テラ出版発行、技術と人間発売)
『髭と肉体』(オークラ出版)
『童地獄・父子地獄』(ポット出版)*
『田舎医者/ポチ』(ポット出版)*
『筋肉奇譚』(オークス・コミックス)
『銀の華 復刻版(上・中・下巻)』(ポット出版)*
『冬の番屋/長持の中』(ポット出版)*
『エンドレス・ゲーム』(ポット出版)*
『弟の夫(1〜4巻)』(双葉社)*
GUNJI(H&O Éditions/フランス)
ARENA(H&O Éditions/フランス)
Goku - L’île Aux Prisonniers (3 volumes)(H&O Éditions/フランス)
Racconti Estremi(Black Velvet/イタリア)
LA CASA DE LOS HEREJES 3 volumes(Ediciones La Cúpla/スペイン)
VIRTUS(H&O Éditions/フランス)
VIRTUS(Ren Books/イタリア)
The Passion of Gengoroh Tagame(PictureBox/アメリカ)
Endless Game(Bruno Gmünder/ドイツ)
Gunji(Bruno Gmünder/ドイツ)
L’inverno del pescatore(Ren Books/イタリア)
Fisherman’s Lodge(Bruno Gmünder/ドイツ)
Cretian Cow(Massive/アメリカ)
The Contracts of the Fall(Bruno Gmünder/ドイツ)
Passion of Gengoroh Tagame: Master of Gay Erotic Manga (expanded edition)(Bruno Gmünder/ドイツ)
아우의 남편(Imageframe 길찾기/韓国)
Le mari de mon frère(Akata/フランス)
My Brother’s Husband(Pantheon/アメリカ)
Il Marito di mio Fratello(Panini/イタリア)
*印は、電子書籍も配信

●小説
電子書籍Kindle版『デカとヤクザとニンジンと 田亀源五郎小説作品集』(Bear’s Cave)
電子書籍Kindle版『田亀源五郎小説作品集SINGLE 工事現場の夜』(Bear’s Cave)

●画集
『日本のゲイ・エロティック・アートvol.1 ゲイ雑誌創生期の作家たち』(ポット出版)
『日本のゲイ・エロティック・アートvol.2 ゲイのファンタジーの時代的変遷』(ポット出版)
THE ART OF GENGOROH TAGAME(H&O Éditions/フランス)

「2017年 『嬲り者《復元完全版》』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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