弟の夫(2) (アクションコミックス(月刊アクション))

著者 :
  • 双葉社
4.10
  • (39)
  • (46)
  • (25)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 391
感想 : 27
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575847413

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 購入

  • Coming out of the closet
    隠れ場所のクローゼットから出てくる、恥ずべきもの、カミングアウトはまだまだ難しい。

    友達の兄のカズヤくん、マイクに初めて打ち明けて友だちになる。
    同性愛者は性犯罪者かなにかのように
    カナの友だちのママは、マイクに会うことが悪影響だ、と…
    悲しくなる、
    いいマンガだ。

  • なんかちょっとねー、説教くさいのよね。まあ、分かりやすく学ぶにはいい漫画かもね。

  • カナのカナダ人のおじさんでしょ? 俺は絶対に与したくないくみしたくない 虹色のマーク=レインボー・フラッグ(旗)=LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)プライドのシンボル 多様性の象徴 翻って アクエーキョー?悪影響のことか? 日本ではタトゥー_アウトロー…ヤクザの意味だって カミングアウト=クローゼットから《出てくる(カム+アウト)》 もしカミングアウトを、単に「秘密を告白する」といった意味だと思っている人がいたら、それはちょっと違うということを知ってください。 こういった由来を持つ言葉なので、日本語に翻訳するのは難しいです。 …私のパパとママはリベラル(自由主義)な人ですけど… 親にも言えない悩みと_親だから言えない秘密です

  • 一つ一つのエピソードや展開が、(内容が内容なだけにしょうがない部分もあるけれど)いかにも…という、ちょっと教科書的な感じでこの漫画ならではの独自性が薄かったかな。という印象。

    元々ゲイ・カルチャー寄りの作家さんだというのもあってか女の子のポーズの描き方がうーん…と思う箇所有り

  • 2巻読了。

    「パパやママにも相談できない悩みと
    パパやママだから言えない秘密です」

    すごく、わかります(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

  • LGBTQの本棚から
    第44回「弟の夫 -前編-」

    今回紹介するのは
    『弟の夫』(田亀源五郎)です。
    紹介したいところがたくさんありすぎたので前後編にわけました!

    この本は全四巻の漫画で、題名の通り「ある日、弟の"夫"が主人公の弥一(やいち)の元へやってくる」ことからはじまり、弟の夫が日本に滞在した3週間を描いています。

    弥一には一人娘の夏菜(かな)、小学六年生、がいるのですが、夏菜をはじめとした子どもたちの純粋な声に心動かされることが多々あったので今回はそこを紹介しようと思います。

    まず弟の夫であるマイクが夏菜に自分が同性愛者で、弥一の弟と結婚していることを告げた時、夏菜は
    『男同士で結婚!? そんなことできるの!?』
    と驚きます。
    それに対して
    マイクは『できますよ』
    弥一は『できないよ!』
    と答えます。
    同性婚ができる国とできない国があることに夏菜は

    『変なの
    こっちでよくてあっちでダメなんてそんなの変!』
    といいます。

    また、4巻では夏菜の友達の女の子が
    『愛し合った人たちが結婚できるのは素敵なことだと思います!』
    といいます。

    これを無知ゆえの軽率な言葉ととるか、純粋ゆえの真っ直ぐな見方をした結果ととるかはあなた次第ですが、僕は素敵な見方だと思いました。

    だって彼らのいうことは、間違いではないし、誰も不幸にはならない見方じゃないですか!

    これに対して作中の大人たちの言動は、マイクが同性愛者と知って『子どもに悪影響』だと言ったり、同性愛や同性婚について話すのはいじめられることにつながったりするかもしれないと心配したり……

    なんというか、子どもを守るという建前で、自分からセクマイ関連のことを遠ざけたいように感じました。
    "知らない" から怖くて、怖いから遠ざけて…それじゃ何も変わらないじゃないですか。

    大人になるってなんなんでしょうね。

    この漫画はそんなことも考えさせてくれます。

    あと、途中に入っているマイクのゲイカルチャー講座は勉強になります。

    僕が今回なるほどな、と思ったのは『ゲイ・プライド』についての講座で
    『日本語でプライドというと、つい「誇り? それって自慢するようなことなの?」と思ってしまうかもしれませんが、これは「自分自身を恥じるな、自尊心を失うな」という意味でのプライドなのです。』
    と説明していたところです。

    レインボー・パレードとかセクマイの人たちが自分のセクシャリティを公にしているイベントには「こういう人たちがいるんですよ」と知ってもらうためだけじゃなく、「自分たちのことを隠さない、堂々と見せる」ことで自分自身を肯定する…そんな意味があるのかもしれません。

    ということで前編はこのあたりで終わります。
    後編はまた別のテーマを……。

    ここまでで、興味を持ってくれた方にはぜひご自分で読んでいただきたいと思います。
    とてもよくできた漫画で、さまざまな方向からいろいろ考えるきっかけをもらえます。

    2018年04月09日

  • 夏菜ちゃんの素直な感性に心打たれます。
    日本には同性婚への偏見が少ないとはいえ、どこの国でも受け止め方は人それぞれですからね。でも他の国と比べても許容されてる方ではあるみたい。

    一哉くんみたいに、ひとりで悩んでいる子がいると思うと悲しいです。偏見が少ないからと言って、自分のことを家族や周囲に話せば幸せになれるという社会でもなく。
    いろんな愛の形、家族の形があって当たり前だと思うんだけどな。
    他人に対する理解とか、思いやりとか、果たして自分はどれだけできてるだろうかと我が身を振り返ってしまいました。

  • 漫画の途中にある扉絵にいろいろな知識が載っておもしろい。
    「カミングアウト」というようになった起源とか。

    今回は中学生で自分がゲイだと気づいた男の子がマイクに相談しにきます。
    周りの友達と違うということは思春期の少年にとってはとってもつらいこと。
    もし私だったらどんなアドバイスができるんだろうか。

全27件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

ゲイ・エロティック・アーティスト。
1964年生まれ。多摩美術大学卒業後、アート・ディレクターをしつつ、1986年よりゲイ雑誌にマンガ、イラストレーション、小説等を発表。
1994年から専業作家となり、ゲイ雑誌『G-men』(ジープロジェクト)の企画・創刊にも協力。
同時に、日本の過去のゲイ・エロティック・アートの研究、およびその再評価活動を開始。
また、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツなどのゲイ・メディアでも活動開始。
2006年『G-men』企画より離脱。
2015年、『弟の夫』で第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。
2022年、フランスPrix Sade賞(サド賞)

●マンガ
『嬲り者』(ビープロダクト)
『柔術教師』(ピープロダクト)
『獲物』(ジープロジェクト)
『銀の華(上・中・下巻)』(ジープロジェクト)
『PRIDE(上・中・下巻)』(ジープロジェクト発行、古川書房発売)
『田亀源五郎短編集 天守に棲む鬼/軍次』(ジープロジェクト発行、古川書房発売)
『田亀源五郎[禁断]作品集』(ポット出版)
『ウィルトゥース』(オークラ出版)
『君よ知るや南の獄(上・下巻)』(ポット出版)
『外道の家(上・中・下巻)』(テラ出版発行、技術と人間発売)
『髭と肉体』(オークラ出版)
『童地獄・父子地獄』(ポット出版)
『田舎医者/ポチ』(ポット出版)
『筋肉奇譚』(オークス・コミックス)
『銀の華 復刻版(上・中・下巻)』(ポット出版)
『冬の番屋/長持の中』(ポット出版)
『エンドレス・ゲーム』(ポット出版)
『奴隷調教合宿』(ポット出版プラス)
『嬲り者〈復元完全版〉』(ポット出版プラス)
『弟の夫(1〜4巻)』(双葉社)
『僕らの色彩(1〜2巻)』(双葉社)
「GUNJI」(H&O Éditions/フランス)
「ARENA」(H&O Éditions/フランス)
「Goku - L’île Aux Prisonniers (3 volumes)」(H&O Éditions/フランス)
「Racconti Estremi」(Black Velvet/イタリア)
「LA CASA DE LOS HEREJES 3 volumes」(Ediciones La Cúpla/スペイン)
「VIRTUS」(H&O Éditions/フランス)
「VIRTUS」(Ren Books/イタリア)
「The Passion of Gengoroh Tagame」(PictureBox/アメリカ)
「Endless Game」(Bruno Gmünder/ドイツ)
「Gunji」(Bruno Gmünder/ドイツ)
「L’inverno del pescatore」(Ren Books/イタリア)
「Fisherman’s Lodge」(Bruno Gmünder/ドイツ)
「Cretian Cow」(Massive/アメリカ)
「The Contracts of the Fall」(Bruno Gmünder/ドイツ)
「Passion of Gengoroh Tagame: Master of Gay Erotic Manga (expanded edition)」(Bruno Gmünder/ドイツ)
「아우의 남편」(Imageframe 길찾기/韓国)
「Le mari de mon frère」(Akata/フランス)
弟之夫 (臉譜出版/台湾)
Der Mann meines Bruders (Carlsen/ドイツ)
My Brother’s Husband ด้วยสายใยรัก (Dexpress/タイ)
O Marido do meu Irmão (Panini Brazil/ブラジル)
Chồng Của Em Tôi (Sky Books/ヴェトナム)
El marido de mi hermano (Panini Mexico/メキシコ)
El marido de mi hermano (Panini España/スペイン)

●小説
電子書籍Kindle版『デカとヤクザとニンジンと 田亀源五郎小説作品集』(Bear’s Cave)
電子書籍Kindle版『田亀源五郎小説作品集SINGLE 工事現場の夜』(Bear’s Cave)

●評論
『ゲイ・カルチャーの未来へ』(Pヴァイン)

●画集
『日本のゲイ・エロティック・アートvol.1 ゲイ雑誌創生期の作家たち』(ポット出版)
『日本のゲイ・エロティック・アートvol.2 ゲイのファンタジーの時代的変遷』(ポット出版)
『日本のゲイ・エロティック・アートvol.3 ゲイ雑誌の発展と多様化する作家たち』(ポット出版)
「THE ART OF GENGOROH TAGAME」(H&O Éditions/フランス)
Gengoroh Tagame Sketchbook(Massive/アメリカ)

「2023年 『外道の家 下 【復刻版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

田亀源五郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×