さよならにっぽん (アクション・コミックス―大友克洋傑作集)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575930306

感想・レビュー・書評

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  • 大友先生は絵は上手いけどストーリーテリングは下手というか「ない」(ストーリーの解体を目指した)、逆に諸星大二郎は絵はあんなんだけどストーリーテリングが最高で、画力の大友・ストーリーの諸星、技の1号・力の2号だと思ってたんです。だから矢作俊彦や狩撫麻礼と組んでるのかな、と。

    ところがこの『さよならにっぽん』は、狩撫原案の一本目も含めてめちゃくちゃ泣けるんです。まさか大友作品で泣かされるとは思わなかった。これは大友先生のブルーズでありジャズなんですよ。

    絵の話に戻ると、タイトルが『さよならにっぽん』(はっぴいえんど???)。大友先生の絵の特徴として、東洋人の骨格を東洋人らしくリアルに描いたこと、人種別の描き分けをしたことが挙げられると思います。で、それはこの作品の内容のように、アメリカ文化、外の世界を見た時に最も感じられるし、大友先生自身ももしかしたらそうだったのかもしれない。要は絵とストーリーがぴったり合っているんです。そしてこの後の時期からアメリカ文化ではなくヨーロッパの方(メビウス)に影響されていくんじゃないかな。

    音楽ネタもちょこちょこ出てきますがニーナっていう黒人女性で爆笑。あと、『聖者が街にやってくる』はRCサクセションの『シングル・マン』のタワーオブパワーの話を彷彿とさせますがどうなんでしょうね。

  • 19刷 小ヤケ

  • かっけえオッチャンたちがいっぱい出てくる。僕も今からジャズをやり続けて、カッケェおっちゃんになるぞーー
    大友はやっぱり舞台設定が上手いし稀有。それゆえに、思想やストーリーの起伏があまりなくても、読後に満足感を与える。
    隅々に散りばめられた、知見やオマージュ(フェリックスザキャットなど)も、オシャレ感を増す装置として機能してる。
    あと、登場人物が等身大で朗らかで憎めない自惚れやなんだよなぁ。悪いところとか弱いところもしっかり書くけど、それでもやっぱりかっこいいとなるのは、シンプルに大友センスなのか。

  • 大友克洋氏の作品『さよならにっぽん(1981)』を読了。

  • 1981年初版発行。オムニバス短編集。あとがきに作者自身が書いているが昔人から指摘された「大友克洋の作品は白い」というのを四年ぶりに読み直して自分も痛感したと。最初どういう意味かと思ったが要するに描いてない箇所が多い=手抜きが多いということらしかった。言われて始めて気づいたが改めて読み直すと確かに白い部分が多かった。背景を描いてないことが多かった。その反省も生かしてのちのアキラなどの緻密な街の背景になっていくのかしらと思った。知らんけど。天才もやはりそうやって日々進化していってるんだろう。知らんけど。こうしてアキラや気分はもう戦争、今作を読んで通底しているのは大友克洋の描く作品はどれもプロレタリア階級の目線で描かれてる漫画だなあ。と。あと不良とかバンカラとか。女子に対する扱いや考え方なんか時代毎の空気が感じられるもんだなあ。如何なる作家でも出てきた時代とは切っても切り離せない。大きな流れの中の居る自分を本人たちはどの程度意識していたのかは気になるところではあるな。次は童夢を読もう。

  • そんなだったなあ。パラ読みしてしまった。

  • 「聖者が街にやってくる」が好き。昭和のサラリーマンの世界観。

  • このマンガを読むのは30年ぶりだけど、一気に読んでしまった。
    画力もすごいけど、ストーリーとキャラが人間臭くて良い。これぞマンガ、という感じ。

  • とりあえずタイヤキ食べたい

  • やっぱり大友克洋はほんとにおもしろい。人生の、ちょっとした悲しさとか、間とか、ニヤってとこを、目の向きとかコマ割でさらりと、、でもそれがすごい、いいんだなあ。ちょっとした、エピソードが、いちいち深い(笑)。
    特にすごいとおもったのが、飲み屋のママさんが店閉めて自分の部屋で、着替えた時に自分を鏡でみてる、間。性別がちがうだけに、描写の的の得てるかんじにびっくりした。在り来たりに、驚いた、、出てくる人みんななんか、優しいし、好き。

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著者プロフィール

漫画家・映画監督。宮城県出身。
1973年「漫画アクション」にてデビュー。代表作に『童夢』『AKIRA』など。
1988年、自ら制作したアニメーション映画『AKIRA』は日本国外でも高い評価を受け、海外における日本アニメムーブメント(ジャパニメーション)のさきがけとなった。
2013年、日本政府より紫綬褒章。2014年、フランス政府より芸術文化勲章オフィシェ。
2015年、第42回アングレーム国際漫画祭・最優秀賞(フランス)。

「2023年 『銃声』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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