童夢 (アクションコミックス)

著者 :
  • 双葉社
4.07
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本棚登録 : 2008
感想 : 222
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575930320

感想・レビュー・書評

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  • これが出た頃の衝撃たるや相当凄かったんじゃないだろうか?それくらい今までの漫画とは異質であり圧倒的な画力、絵の迫力、ストーリーの斬新さに魅了されずにいられない。日本の漫画界を語る上で「大友以前、大友以後」とひとつの分水嶺のように語られるのはまったく当然であろう。のちにジャパニメーションといわれ世界を席巻していくことになる日本のアニメ界の強力な牽引者、大功労者のひとりである。それくらいの天才、才能を持ったひとだと思う。奇しくも2019年の現在はAKIRAの時代設定の年であるが(来年東京オリンピックを控えているのまで一緒)むしろこの童夢の方が今の時代にとてつもなくマッチしている気がした。もはや寒気すらするくらい(高齢化による人口の減少、経済の後退。疲弊した経済と民衆の荒廃。祭りのあとのような狂乱の後に来るどっちらけた冷めた民衆のシニカルで偏執的な心情が実に今とそっくりではないか。そしてさらに荒廃と退廃が進んだ数年後にはAKIRAの世界のようなネオトーキョーの日本が出現することになるのか?あるいはもっとマシになっているのか?あるいはもっと悪くなってシンシティのようになっているのか?ここからが本当の「未来の黙示録」なのかもしれない。なかなかハードな時代がやってくる、われわれが後に残すのはそういうグロテスクな世界かも知れない。大友克洋の作品は全て読もう。

  • ミもフタもないジャパニーズ!!が
    ミもフタもないその辺の集合住宅!!にゐる。
     この本は「なので こんなん買わんわ」ではなく、脊椎反射で買ふのである。
     認知症でボケボケにぼけちゃったぢぢいが蒐集した夥しい何かは、一々なんだか判明する。てふかそれを一々描く。このモチベーションがすごい。
     超能力の描写、「椀状に窪む」とかは、なんかありさうで、「石飛ばす」と言ふのは、さう言ふの描いておけば超能力ぽく見えると言ふのが、中沢厚説だけども、ソレ勉強して書いてますっぽく見えない。

  • もはや古典といってもいいい作品なんだろうけれど、すごいね。画力がすごい。

  • 当時、大友克洋の表現に違和感を覚えるとともに芸術の可能性を垣間見た気がします。今回、書籍の整理をしていて奥付をみたら「初版本」でした。

  • 初めて漫画家を「神」だなと思ったマンガ。とにかく描き込みがすごい!超能力マンガ?とは言い切れぬほど大友克洋のテクニックがひかる作品。後の「AKIRA」につながっている。。。

  • バリむずいけど余韻残って
    ?!
    ってなって解釈サイト読みたくなったからおもろかったんやと思う。てか絵がうますぎるんよ

  • 有名なズン壁が見たくて。
    リアルな作画に不気味な雰囲気、顔面度アップにズン壁。今では大友先生の影響を受けたような漫画が多くあるが、童夢発表当時に読んでいたらもっと革新的だと思ったのかな、私は生まれていないのだけど。
    超能力バトル漫画の歴史を感じます。

  •  かなりえぐいのに、目が離せなかった……。

  • 久しぶりに読みなおしてみたけど、
    やっぱり凄い。大友漫画の最高傑作。

    高島平の団地が自殺の名所となっていて、
    新聞、雑誌でもその謎が取り上げられていたころの話。

    画一的な人工の街でたくさんの人が住んでいるのに、
    隣が何をしているのかわからない、
    でもなんとなく地域としてのコミュニティが存在する、
    という都市と村の中間にある団地の不気味さが描かれている。

    当時は、描き込みがすごい、とおもったが、
    実は描き込まれてない部分のすごさ。
    断片的な団地の会話やうわさ話だけで、
    背景を想像させる。

    「キャリー」とか「スキャナーズ」とか「シャイニング」とかの影響、
    といっても、ビデオ時代以前なので、映画館で観たものを
    頭のなかで再生した映像が、漫画になっているのかも。
    なんどもDVDを観て映像を研究した「影響」とは違うのかも。

    そういえば、自殺の名所だった高島平団地、
    今では高齢化で老人の多い団地になったとのこと。

  • 想像してたより、分かりやすくて読みやすい。
    ナレーション?部分がなくても、説明の為の台詞がなくても伝わるものなんですね。

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著者プロフィール

漫画家・映画監督。宮城県出身。
1973年「漫画アクション」にてデビュー。代表作に『童夢』『AKIRA』など。
1988年、自ら制作したアニメーション映画『AKIRA』は日本国外でも高い評価を受け、海外における日本アニメムーブメント(ジャパニメーション)のさきがけとなった。
2013年、日本政府より紫綬褒章。2014年、フランス政府より芸術文化勲章オフィシェ。
2015年、第42回アングレーム国際漫画祭・最優秀賞(フランス)。

「2023年 『銃声』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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