ショート・ピース (アクション・コミックス―大友克洋傑作集)

著者 :
  • 双葉社 (1986年5月15日発売)
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本棚登録 : 563
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575930337

感想・レビュー・書評

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  • この作品は読み手の嗜好あるいは世代で異なる気がする。三十代の頃は「行けてる!」と思ったが、今読み返すと「(古い表現かもしれないが)グロい!」だ。殺人を犯したあと、証拠隠滅を謀るために屍体を切り刻み、食べてしまおうとする。アラン・ドロン主演の「太陽がいっぱい」のようにエピローグではすでに犯行がばれているというのに、本人は自分の措置に自己陶酔している。
    本書は「宇宙パトロール・シゲマ」「'ROUND ABOUT MIDNIGHT」「School-boy on goodtime」「任侠シネマクラブ」「大麻境」「WHISKY-GO-GO」「NOTHING WILL BE AS IT WAS」「夢の蒼穹」「犯す」の9編の短編で構成されている。上記のグロ作品は「犯す」を指す。このなかで面白かったのは「宇宙パトロール・シゲマ」だろうか。金もなく女もいない貧乏学生が自慢話を披露するという件で「じつは…」という内容がトンデモなのだが、それらすべてが真実であったというオチだ。しかし、同じ登場人物による、何も<裏>がない麻雀物語('ROUND ABOUT MIDNIGHT)をその延長として続ける必要があったのかということだ。作者としては「シゲマ」との対比を提供しているのだろうが、成功しているようには思えない。

  • 傑作だった。

  • おだやかな日々なんてとんでもない、(特に後半)不穏な空気がビシビシ流れ込んでくる。でも、不思議と登場人物たちはその不穏さをまるで日常のように受け入れているところがまた… これはお子さまには見せられないマンガ。こういうゾワゾワするマンガは少なくなった気がする。いや、大友克洋が特別だったのか。

  • 大友克洋氏の作品『ショート・ピース(1986)』を読了。 今年(2019年)の8月25日に読んだ・・・「童夢(1983)」以来に大友克洋氏の作品を読んでみたが。どの作品もクオリティーがすげー!! 特に”宇宙パトロール・シゲマ”がGood!! 傑作。

  • 大友克洋初期作品集。70年代80年代の雰囲気を今に残す貴重な作品集。あの頃の時代の常識や空気感なんかがヒシヒシと伝わってくる。そしてのちの巨匠のその大器の片鱗がこの頃からも窺い知れる。戦争、暴力、サスペンス、プロレタリアート、学生運動、大麻、ヤクザ、コジキ、ギャンブル、女、SEX。欲望を剥き出しにした粗野で野蛮な時代をどう生き残るか?弱肉強食、魑魅魍魎の棲む社会。現代にも通じる世相。差別。不平等。理想と現実のギャップに押しつぶされそうになりながらも世間に一矢報いようと反撃の一発をガードの下からひたむきに狙っている者たちへの戦いの挽歌と受け取った。

  • CGも何もない時代にこの画力は凄まじいものがある。
    高校生の頃、夢中になって読んだマンガだけど、かなりヒネくれた内容で、俺もマセていたんだなぁ、と苦笑してしまう。

  • 2013年の4月くらいに読了。

  • よくわからないというのが正直な感想です。最後の短編は割と好きですが・・・

  • あんまり好きじゃない。
    NOTHING will be asが意外で良かった。

  • 短編集にしてまさに傑作集。。。おっちゃん及び学生的世界観にして大友的宇宙。。「人間」を描いてるって感じの絵とストーリーとおもう

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著者プロフィール

漫画家・映画監督。宮城県出身。
1973年「漫画アクション」にてデビュー。代表作に『童夢』『AKIRA』など。
1988年、自ら制作したアニメーション映画『AKIRA』は日本国外でも高い評価を受け、海外における日本アニメムーブメント(ジャパニメーション)のさきがけとなった。
2013年、日本政府より紫綬褒章。2014年、フランス政府より芸術文化勲章オフィシェ。
2015年、第42回アングレーム国際漫画祭・最優秀賞(フランス)。

「2023年 『銃声』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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