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本 ・マンガ / ISBN・EAN: 9784575932812
感想・レビュー・書評
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啄木がどうしようもない。身内だったらやりきれないだろう。金田一京助くんは人が良すぎる。
きっと、保証人になった人が苦しんでも、申し訳ないと思わず、自省して死にたいとか勝手に悩んでたりするのだろう。
社会不適合のように思うけど、沸き上がる詩の才能があるから文学のためには必要なのか?憎めない性格?童顔のおでこが憎らしくなる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
主人公・石川啄木の漫画的なダメさ/可愛らしさが印象的。借銭能力の高さもうなずける。第十章がとくに好き。
漫画の中でも友人の金田一京助に向かい合う石川啄木が一番活き活きしている。 -
森鴎外の
個人と家との狭間で
苦悩する第2部....
を読んだ後だけに
石川啄木のクズっぷりが
キラリと輝く第3部
円頓寺商店街本のさんぽみち内
オヨヨ書林にて購入 -
マンガ
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たぶん一番正確な啄木像だろうと思う。
気が弱くてだらしがなく、周りの人間を裏切りながら逃げて、逃げた果てに辿り着いた東京。そこで過ごした1年数ヶ月の放浪時代を中心に描いている漫画だ。
自分と重ね合わせざるを得ないような啄木の姿が、読み返す度に心を揺さ振る。名作中の名作。 -
文学者くらいにしか認識のなかった石川啄木の人となりが知れる1巻。借金するわ、その金を浪費するわ、そんな生活が祟って最期は栄養失調でなくなるわで、駄目人間ぷりが半端なく、イメージが一変してしまいました。
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借金王石川啄木がテーマ。青年の性の悩みを一身に集めたような(実際そうであった)啄木を、「日記」を読み解いてコミックのストーリーに仕立てた腕前と、「明治」に対する並々ならぬ心酔は関川の真骨頂か。前作の反省かこの第三巻は出来がいい。
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かの石川啄木の青年期を中心に描く『坊ちゃん』の時代シリーズの第三弾。
啄木という人の半生を知るには勿論、読むだけでも面白い漫画だと思う。伝記物は伝記物として作られているものもあるが、そういった目的のものよりも楽しく読めるだろう。
ただし、画がいまいち冴えない。 -
石川啄木をテーマに描かれている。これもまた良書。
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読書日記。
この巻は石川啄木が主人公。
真偽ないまぜなのだろうけど、石川啄木に対するイメージが変わることまちがいないかもしれません。
金がないとほざきながら、ちょっとお金が手に入るとすぐに浪費してしまうダメ人間として描かれています。
ただし、詩才だけは際限なくほとばしる。
なかなか好感の持てる(?)キャラです。
(2009年12月28日読了) -
この「『坊っちゃん』の時代」シリーズは以前から気になっていたのだが、3巻がBOOKOFFで¥100だったため購入。(文庫化もされているそうですね)
3巻の主人公は石川啄木。「働けど働けど我暮らし楽にならざり~」の人です。てっきり薄幸の苦労人をイメージしていたのですが、この本を読んで、啄木が現代人にも通じる「浪費癖のあるニート気質」の人なのだと知れました。このようなアプローチの作品を読むと、明治文学を読む際に「いつの世も、人間は変わらないものだなー」と肩の力が抜けるのでは。
明治時代の東京の描写も見事。 -
眉根にしわを寄せない生活者たる詩人と反動の蠢動
「ふるさとの訛りなつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」という詩が教科書に載っていた。詩は額に入れて飾っておくようなものでなく、時折口ずさんで楽しむようなものなのでは、と感じた記憶がある。
学校の教師や役人が口にする瞬間、美しさや、正しさや、清らかさが色褪せてしまうことがあるが、石川啄木に関してもご同様。関川 + 谷口によってようやく彼の詩が分かるようになった。
今でも教科書には載らないだろう、借金の多さや浅草通い、女郎買い、欠勤、などがあってこそ、吐き捨てられた詩なのだ。それは、悪徳があってこそ、浄化するような清清しさがある。
石川啄木の謝金と女郎買いの繰り返し、生活者失格の所業に、大逆事件の主人公となる人々が風景となり、明治が物語られる。夏目漱石などお馴染みの登場人物に加え、吉田吉蔵、芥川龍之介なども登場、明治が暗転する直前の徒花的な時間が描かれる。
しかし、1970年まで「ローマ字日記」が公開されなかったとは、金田一京助も面倒見が良すぎるというか、文学者を美化し過ぎというか。
食う、寝る、眠るが全うできなければ、生死も全うできない。そこに溺れて文化が生まれる事もない。赤線は復活させるべきだな。そうして文化文明もまともになるのでは。コンビニや街の本屋でえげつないアレコレを買えることは有害だが、公娼が無いのはもっと酷い。まっ、狭量、浅慮、稚拙な考えから出た裏表だろう。悪、醜、堕があって、正、美、清があろうものを。片方を隠せば、もう一方も分からなくなると何故わからないのだろう。
「かの蒼空へ」の心持ちがある明治のお話。
1992年1月読了。 -
「多少の縁あるひとを見捨てるは恥です。」
「役立とうと思うは義です。」
舞台は明治(末期)。登場人物は夏目漱石、森鴎外、石川啄木、幸徳秋水、管野須賀子、二葉亭四迷をはじめとした明治の文学者・思想家たち。それぞれの生きる明治の世相が、時に痛快に、時に物悲しく描かれています。
登場人物の一言一言が重く深く響く、関川夏央・谷口ジローによる劇画的、というか映画的な超名作です。 -
石川啄木というと、何か勝手にイメージを作りがちだが、ここでは、人間啄木として、よみがえっている。コミックは、文学を超えるか・・・
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関川夏央&谷口ジローのコンビが送る明治文壇の真実。漫画と侮るなかれ。創生期の日本文学界を理解できる作品といえる。
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石川啄木。どうしようもないのに、そのどうしようもないところが憎めないんですよね。
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谷口ジローの作品





