『坊っちゃん』の時代 第4部 明治流星雨―凛冽たり近代なお生彩あり明治人 (第4部)

  • 双葉社
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レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・マンガ (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575933956

感想・レビュー・書評

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  • 幸徳秋水らを中心に描く明治の社会主義者たちのお話。
    ところどころ差し込まれる漱石は第五部への布石か。

    「大逆事件」についてはよく知らないが、半分冤罪もいいところだよなあ、これ。

    警察から主義者の中へスパイとして潜り込んでいる“藤田五郎”は、斎藤一かと思ったが、時代が20年くらい後なので別人のようだ。
    よくある名前とはいえ、架空の人物だとしたら紛らわしい……。

  • マンガ

  • 「坊ちゃんの時代」第四部。
    幸徳秋水を中心とした無政府主義者たちによる、「大逆事件」を巡る人間模様。
    つくづくこの国は、と思わされる。体制が変わり舵が切られたように見せかけておいて、何も変わっていない。こういうことが何度繰り返されても喉元を過ぎれば熱さを忘れる。
    それも、酷く短いスパンで。言論封鎖の次は結社の禁止。そうして人はテロリズム以外の手段を奪われる。
    また同じようなことが起こるだろう。まさに世相は大逆事件をなぞっている。そのたびに、主義のない世界は汚泥を飲み下すことを誉めそやす。
    主義とは傷だ。そうして、傷のない人間の記憶は、まず痛みから忘れていく。

  • 今回は幸徳秋水の物語。歴史に不勉強なもので、大逆事件というものを名前以上には知らなかったお恥ずかしい。大逆事件についての本でも読んでみよう、とまではなかなか至らないものの、こうやって漫画でだと大筋だけでも追えるのでありがたい。とは言え、漫画としてもかなり骨太。読み通すには骨が折れる。

  • 「明治人は歴史上の群像に見えて、実はついきのうの人々である。」同感。

  • この巻は幸徳秋水もしくは菅野須賀子が主人公。
    大逆事件ですね。
    なぜこの事件が起こったか、当時の知識人たちがどう感じていたか、など。

    (2009年12月30日読了)

  • 坊ちゃんの時代シリーズ4弾。

  • 彗星と共に明治の佳き日々が去る     

    大逆事件は日本の法曹界、最大の汚点だと思うが、戦時中にあれやこれやと同様、一億総懺悔のおかげか、あまり知る機会がない。

    明治が日本近代の青春時代というなら、若気の至りとして目を瞑りたくなるが、奇兵隊の中隊長のやるこたぁ、凄惨極まりない。信州で見つかった手製爆弾から、その存在を知らない者までも含め、24人もの社会主義者などに死刑を下した事件だ。その事件と中心人物、爆弾のでなく大逆罪の、幸徳秋水が主人公だ。

    作者も言っているいるとおり、この作品は、「ユーモアという重要な要素が欠けた憾み」が残る。にも関わらず、読後、いくらか爽やかであるのは、主義者達が一部を除けば清廉であり、その清廉さゆえに危険視されるのだが、思想上の違いを越えた友誼が描かれているからではないだろうか。

    思想上の違いがあれば、斬り合いになった幕末から半世紀、西南戦争を経て、曲がりなりにも議会を機能させ、議論が出来るようになったのなら、日本は成る程、成長したのかもしれない。その成長を歪めたのが、明治維新を推進してきたはずの山縣有朋というのは皮肉だ。しかし、むしろ政治家の我が儘や妄言を隠れ蓑に、趣旨を曲げて国家運用する術ばかり長けてきた官僚組織、そして、言論、報道の権力のみを理解し、果たすべき役割を無視し続けた報道機関の方が恐ろしい。大逆事件どころか一億総火の玉にも反省の欠片も無さそうだ。

    幸徳秋水は、共産党宣言を翻訳しているのだが、「万国の労働者たち同盟せよ・・・」でなく、「万国の職工たち同盟せよ・・・」だと、随分印象が違い、意図が明快になる。いつの間にか公務員まで労働者風な顔しているが、秋水が官僚組織に在る者などに同盟を呼びかけているとは思えない。

    坂の上の雲の時代が終わる。

  • ハレー彗星出現の頃。幸徳秋水、菅野須賀子の大逆事件。この巻は、何か読みにくかった。時間軸の前後が多いせいか。

  • 「多少の縁あるひとを見捨てるは恥です。」
    「役立とうと思うは義です。」

    舞台は明治(末期)。登場人物は夏目漱石、森鴎外、石川啄木、幸徳秋水、管野須賀子、二葉亭四迷をはじめとした明治の文学者・思想家たち。それぞれの生きる明治の世相が、時に痛快に、時に物悲しく描かれています。

    登場人物の一言一言が重く深く響く、関川夏央・谷口ジローによる劇画的、というか映画的な超名作です。

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著者プロフィール

1949年、新潟県生まれ。上智大学外国語学部中退。
1985年『海峡を越えたホームラン』で講談社ノンフィクション賞、1998年『「坊ちゃん」の時代』(共著)で手塚治虫文化賞、2001年『二葉亭四迷の明治四十一年』など明治以来の日本人の思想と行動原理を掘り下げた業績により司馬遼太郎賞、2003年『昭和が明るかった頃』で講談社エッセイ賞受賞。『ソウルの練習問題』『「ただの人」の人生』『中年シングル生活』『白樺たちの大正』『おじさんはなぜ時代小説が好きか』『汽車旅放浪記』『家族の昭和』『「解説」する文学』など著書多数。

「2015年 『子規、最後の八年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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