「坊っちゃん」の時代 不機嫌亭漱石 (第五部) (アクションC)

  • 双葉社 (1997年7月28日発売)
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感想 : 16
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  • 本 ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784575935233

感想・レビュー・書評

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  • 重厚。切ない。

  • 濃厚だった
    繰り返し
    何度か読む
    漫画になりそうだ

    円頓寺商店街本のさんぽみち内
    オヨヨ書林にて購入

  • この第5部で完結。漱石に始まり、漱石に終わる。生死をさ迷っている時、夢か幻か、そうそうたる面々が登場してくる。お伴は石川啄木。主役の第三部はどうしようもなかったけど、脇役にすると味があってよい。
    物語は明治の末期で終わる。自分の祖母が明治生まれだったからそれだけで、自分の地続きの時代だったのだと分かる。歴史と過去のはざまのような感じ。この作品は創作だけど、少し明治が身近になった。

  • 漱石に始まって漱石に終わる全5巻。
    死に向かって鬱々としていく漱石。
    修善寺の大患で30分死んでいた時に見た夢では、全5巻の主人公たちが走馬灯のように次々と現れる。
    夢と現実の境目がないので不思議な感じだ。

  • マンガ

  • 普通の伝記的なストーリーになって終わったなあ。

  • 晩年の夏目漱石を中心に、これまでの総まとめのような1巻。元々「坂の上の雲」で触れたあの時代を文化人側の視点で知りたいと思って読み始めた作品だったが、満足な仕上がりでした。ただ、漢詩や当時の言葉遣いは意味が頭に入ってこないところも多く、その辺は適当に読み飛ばしてしまいました。機会があれば、もう一度くらい読み通してみよう、うん。

  • シリーズ5冊を読み終えて、明治という時代がどういうものだったのかが、心深く染みこんできた。マンガという媒体でここまで深く描かれている歴史書は知らない。こういう作品こそ教科書にすべきだと思うほど、素晴らしい出来栄え。いわゆる近代化によって近代的自我が芽生えたということ。それはあらゆる方面で、日本人の精神に劇的なまでの変容を促し、それを受けきれなかった者、それを飲み込もうとした者、それに翻弄された者、様々なドラマを生み出した。自由と解放感に満ちていながら、近代という精神的苦悩を見事に表した時代だったのだろう…。

    この本は本当に素晴らしい。

  • 読書日記。

    主人公はふたたび夏目漱石に戻る。
    伊豆修善寺で死にかけた漱石。
    幻想の中で明治という時代を振り返る。

    (2010年01月12日読了)

  • 漱石の晩年を幻想と共に描写     

    明治四十三年八月の大病で生死を彷徨う漱石と、明治に活躍する人々を引き合わせ、「坊ちゃん」の時代を総括する。

    啄木が、「つね日頃好みて言いし革命の語をつつしみて秋に入れりけり」と詠んだとおり、大逆事件以後、官僚組織は軍部、これも官僚組織だが、と一緒に、御簾の向こう側に隠れて、あんなこともこんなこともやってしまい、日本を秋どころか冬に向かわせてしまう。

    この巻では、漱石が「日本は滅びる」と言い、啄木が「日本は駄目だ」と言う。滅びるのも駄目なのも軽躁な国民の所為ではなく、特定の人々では、と思いたいが、今や特定は遍在するかのような気配だ。

    いやいや、そうではない。それだからこそ「見よ今日もかの蒼空に飛行機の高く飛べるを」啄木最後の句の通り、未来に希望を持ち、現実を「懐手にして小さく暮らし」ていきたいものだ。勿論、そう言う漱石が博士号を受け取らなかったように、官に寄らず、無用の人が無用の道を貫いたように、猫を懐いて。

    傑作の連作、完結。

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著者プロフィール

1947年、鳥取県鳥取市出身。アシスタントを経て、1975年『遠い声』で第14回ビッグコミック賞佳作を受賞。『「坊っちゃん」の時代』シリーズ(関川夏央・作)で手塚治虫文化賞マンガ大賞、『遙かな町へ』『神々の山嶺』で文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。アングレーム国際漫画祭最優秀脚本賞など、海外でも数多くの賞を受賞。

「2022年 『サムライ・ノングラータ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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