坊ちゃんの時代 第5部 凛冽たり近代なお生彩あり明治人 不機嫌亭漱石 アクションコミックス

  • 双葉社
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本棚登録 : 119
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・マンガ (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575935233

感想・レビュー・書評

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  • 重厚。切ない。

  • 漱石に始まって漱石に終わる全5巻。
    死に向かって鬱々としていく漱石。
    修善寺の大患で30分死んでいた時に見た夢では、全5巻の主人公たちが走馬灯のように次々と現れる。
    夢と現実の境目がないので不思議な感じだ。

  • マンガ

  • 普通の伝記的なストーリーになって終わったなあ。

  • 晩年の夏目漱石を中心に、これまでの総まとめのような1巻。元々「坂の上の雲」で触れたあの時代を文化人側の視点で知りたいと思って読み始めた作品だったが、満足な仕上がりでした。ただ、漢詩や当時の言葉遣いは意味が頭に入ってこないところも多く、その辺は適当に読み飛ばしてしまいました。機会があれば、もう一度くらい読み通してみよう、うん。

  • 全5巻を読み終わった。コミックながら、手応え十分、現代仮名遣ひの「猫」並みには面白い。四谷から見る外堀沿いの省線図が1巻と5巻に出てくるのはご愛嬌だし、長谷川伸をもじった一本梶棒土俵入りなど、かっての名人落語家並みの「高尚な」笑いにも誘われた。

  • シリーズ5冊を読み終えて、明治という時代がどういうものだったのかが、心深く染みこんできた。マンガという媒体でここまで深く描かれている歴史書は知らない。こういう作品こそ教科書にすべきだと思うほど、素晴らしい出来栄え。いわゆる近代化によって近代的自我が芽生えたということ。それはあらゆる方面で、日本人の精神に劇的なまでの変容を促し、それを受けきれなかった者、それを飲み込もうとした者、それに翻弄された者、様々なドラマを生み出した。自由と解放感に満ちていながら、近代という精神的苦悩を見事に表した時代だったのだろう…。

    この本は本当に素晴らしい。

  • 読書日記。

    主人公はふたたび夏目漱石に戻る。
    伊豆修善寺で死にかけた漱石。
    幻想の中で明治という時代を振り返る。

    (2010年01月12日読了)

  • 漱石の晩年を幻想と共に描写     

    明治四十三年八月の大病で生死を彷徨う漱石と、明治に活躍する人々を引き合わせ、「坊ちゃん」の時代を総括する。

    啄木が、「つね日頃好みて言いし革命の語をつつしみて秋に入れりけり」と詠んだとおり、大逆事件以後、官僚組織は軍部、これも官僚組織だが、と一緒に、御簾の向こう側に隠れて、あんなこともこんなこともやってしまい、日本を秋どころか冬に向かわせてしまう。

    この巻では、漱石が「日本は滅びる」と言い、啄木が「日本は駄目だ」と言う。滅びるのも駄目なのも軽躁な国民の所為ではなく、特定の人々では、と思いたいが、今や特定は遍在するかのような気配だ。

    いやいや、そうではない。それだからこそ「見よ今日もかの蒼空に飛行機の高く飛べるを」啄木最後の句の通り、未来に希望を持ち、現実を「懐手にして小さく暮らし」ていきたいものだ。勿論、そう言う漱石が博士号を受け取らなかったように、官に寄らず、無用の人が無用の道を貫いたように、猫を懐いて。

    傑作の連作、完結。

  • 「多少の縁あるひとを見捨てるは恥です。」
    「役立とうと思うは義です。」

    舞台は明治(末期)。登場人物は夏目漱石、森鴎外、石川啄木、幸徳秋水、管野須賀子、二葉亭四迷をはじめとした明治の文学者・思想家たち。それぞれの生きる明治の世相が、時に痛快に、時に物悲しく描かれています。

    登場人物の一言一言が重く深く響く、関川夏央・谷口ジローによる劇画的、というか映画的な超名作です。

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著者プロフィール

1949年、新潟県生まれ。上智大学外国語学部中退。
1985年『海峡を越えたホームラン』で講談社ノンフィクション賞、1998年『「坊ちゃん」の時代』(共著)で手塚治虫文化賞、2001年『二葉亭四迷の明治四十一年』など明治以来の日本人の思想と行動原理を掘り下げた業績により司馬遼太郎賞、2003年『昭和が明るかった頃』で講談社エッセイ賞受賞。『ソウルの練習問題』『「ただの人」の人生』『中年シングル生活』『白樺たちの大正』『おじさんはなぜ時代小説が好きか』『汽車旅放浪記』『家族の昭和』『「解説」する文学』など著書多数。

「2015年 『子規、最後の八年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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