- Amazon.co.jp ・マンガ (142ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575941463
感想・レビュー・書評
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定期的に読み直す1冊。
上は戦争が他人事のように感じつつもヒタヒタと近づきつつあるのが垣間見える…
すずさんと水原くんとの白ウサギのシーンはグッときますね。
中へ…
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流石の出来ですね。
まず、絵がすばらしい。
そして、素朴でマイペースでやさしい主人公の性格が、戦争という暗雲立ち込める時代背景の中にあっても、ささやかな「日常」を立ち上がらせてくれる。
また戦前の結婚、家族の形についても、当たり前だけど、現代との違いのリアルさが、感慨深い。
また、上しか読んでいないので、また、映画も観ていないので、この後どうなるかわからないけれど、意外とドラマがあるのではとおもっています。 -
戦争中のお話でありながら、淡々と描かれている日常は優しさと笑いに満ちていた。そこに、ひとつふたつと落とされていく黒い影。みんな何かを失い、何かを探しながら、人待ち顔で過ごしている。
それでも笑う。立ち上がる。
弱くて強い人間の姿は、今も昔も変わらないのだなぁなどとぼんやり思う。
原発事故の直後に福島から両親が避難してきて、家族全員がそろい深刻な状況だったのに、何かくだらないことで皆で大笑いしたときがあった。その瞬間に、根拠もなく大丈夫、頑張れると思えて、あんなに落ち込んでいたのに人間て強いなと感じたのを思い出す。笑わなきゃやってられない、そんなときだってある。そして笑いの、笑顔の力はすごいのだ。作者のこうのさんは、それをよく知っているのだなぁと思う。
胸がしめつけられる、戦争を知らない世代には信じ難い時代。
けれど、今だってこれからだって、何が起きてもおかしくない。
大好きな人たちと笑い合える時間は宝物。
ケンカは持ち越さないほうがいい。
ここ2年、毎日自分に言い聞かせるようになった。
この世界の片隅の私たち。世界のきれはし。どこにでも宿る愛。
「誰でもなにかが足らんぐらいで、この世界に居場所はそうそう無うなりゃせんよ」
印象的なフレーズが、頭の中をぐるぐる回る。
後半は泣いてばかりで、きちんと消化するには時間がかかりそう。
絵を描くのが好きでちょっとぼんやりしたすずちゃんとは、何だかもう知り合いのような気持ち。呉に遊びにいったら出くわしそうな。それくらい、すべてが生き生きと描かれていた。 -
主人公すずの結婚生活が微笑ましい。絵も好き。
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人からもいい映画だと勧められていたし、妻も見たがっていたので久々に妻といっしょに映画を見た。暗い戦争中の時代を描いたもので、広島から呉の周三の元に嫁いでくる主人公のすずの不幸や辛い身内の死もあるが、すず(主人公)の天然さにまわりの明るさ、愛が加わって戦争中とは言えほのぼのした気持ちを見る者に抱かせる。号泣はしないが、ほろっとさせられるところもある。ただ、映画を見ていてちょととわかりにくところがあった。すずが迷い子になったとき助けてくれた遊郭の女りんがその後どうなったか、りんと夫の周三との間にはなにがあったのか、すずの幼なじみの哲が軍の休みといってお風呂を兼ねて一泊しに来たとき、周三はなぜ哲が寝ている離れの部屋にすずを行かせたのか。あれは単に幼なじみ通しに夜通し語らせるつもりだったのか。すずの妊娠騒ぎがあったが、あれはどうなったのか等々。それで漫画の方を読んで見た。そうすると上の疑問がほぼ氷解したのである。要するに漫画は大人版、映画は万人を相手にした拡大版なのである。映画の一コマ一コマの細かな描写は漫画以上だが、物語を深く味わうにはやはり漫画の方を読んでみなくてはいけない。
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10年振りに復帰したアンジェラ・アキさん。彼女が音楽を担当するミュージカル『この世界の片隅に』はチケットを入手したが、実は原作を読んでいないのはもちろん、ドラマも映画も観ておらず、内容をまったく知らないのだった(^_^;)。
さすがにこれはまずいでしょと、なぜか図書館にあった原作を借り出した。なかなか独特な画風で、木炭のようなタッチもあり、逆に目新しい。トーンは使わない主義のかな。
前振りのような3本のあと本篇(18年12月〜19年7月)が始まる。この時代設定で舞台は広島。ということは……。 -
太平洋戦争中の広島県が舞台。当時の生活感や死生観を感じられる
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このマンガを初めて読み終えたのは2020年の4月でした。2020年の4月に何があったか。10年後の人はどう言うのか。この感想を書いているのは2020年の12月ですが、街から人が消えて、愚かな政治家がゴミだらけのマスクを配って「世帯」という言葉を思い出させたというのが、今のところの記憶です。
ぼく自身はその頃、閉じこもってこのマンガとか読んでいたわけですが、読み終わったときに、なぜ、こういう世界が今描かれ、多くの人の共感を得ているのか不思議でしたが、日々、コロナの死者の数が数字化されて行き、お客さんを失って困窮していく小さな商店や飲食業の知り合いたちの苦境を、実際に目にする生活の中で、このマンガが読まれる理由が、少しわかったような気がしました。
それにしても、このマンガが描く世界の片隅で健気に生きる人々をバカにするような、世界の真ん中で、声高にうそをつき続けながら、ふんぞり返っている方々というのは、なんとかならないものなのでしょうかね。
感想をブログに書きました。覗いてみてくださいね。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202012300000/