この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

著者 :
  • 双葉社
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レビュー : 168
  • Amazon.co.jp ・マンガ (148ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575942231

感想・レビュー・書評

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  • 昭和9年の幼少期を経て主に昭和18年から昭和21年1月まで、広島県江波から呉の北条家へ嫁いだ主人公すずの日常を描いた全3巻の漫画です。

    映画も素晴らしかったですが、漫画の方が登場人物のより深い関係性が描かれ読み応えがありました。途中途中にある当時の日常コラムも程良い小休止となり思わずニヤリとします(特に中巻の径子お姉さんの問答集)。

    ちょっと抜けたところもある主人公すずの話し方と性格が、この時代の喧騒を少し落ち着かせてくれます。国自体は戦争の渦にありますが、そこで暮らす人々はあくまでも自分の生活が中心。配給や物資の不足、故郷を離れる寂しさや人間関係の気苦労はあるけれど、モノの少ない生活に工夫を凝らし、何より一日一日を穏やかに過ごそうとする人々の姿が生き生きと描かれています。
    しかしその気持ちを裏切るように、読み進めていく度に戦争の影は刻一刻と日常に迫ってきます。それはすずも例外ではありません。

    私は戦争を歴史としか知らない世代です。この作品を通し、戦争のなかで“普通”に生きようとする人々の“普通”さと、その度量の深さと強さの一端に触れられた気がします。
    多くの人に、長く読み継がれてほしいと願ってやみません。

    ==================
    「みんなが笑うて暮らせりゃええのにねえ」

  • (飛び去ってゆく。この国の正義が飛び去ってゆく...ああ...暴力で従えとったいうことがじゃけえ暴力に属するいうことかね。それがこの国の正体かね。うちも知らんまま死にたかったなあ)すずさん。あなたが死ななくてよかった。。。

  • 戦時中のストーリーでしたが、ある家族の出来事。

    画風もほのぼのチックで、時代の流れを想像しつつ読む感じ。

    すずのぼんやり(おおらか)さと、時代の辛さ哀しさ、どこにでも宿る愛、居場所、記憶の器として生きていくこと。
    いろんな想いが描かれてます。


    ドラマの方がラストの持っていき方とか好みでしたが、原作を読んでドラマも厚みを増しました。
    ドラマ見てなかったら絶対に読んでないマンガですが、読んで良かったです。

  • 中巻までは本土に戦争が入ってきて無いのであるが、ついに住んでいる場所が戦場となる。それもほぼ反撃できない一方的な戦いだ。状況は一変し、坂道を転がるように全てが破局的に悪化。終戦となる。
    陛下の玉音放送を聞いたすずさんが、敗戦を受入れられず言う。
    この国から正義が飛び去っていく
    ああ、暴力で従えとったいう事か
    じゃけえ暴力に屈するいう事かね
    それがこの国の正体かね
    うちも知らんまま死にたかったなぁ・・・

    彼女の無念さが良く現れていて、涙がでました
    少しでも多くの人が読んでくれたら嬉しいです。

  • そんなに興味を持てないなぁと思っていたんだけど、ドラマが面白いと思って、マンガも読みたくなってしまった。
    マンガ、結構面白かった。
    日々の生活って、有難いんだなぁと感じられた。

  • 泣きそうになる。

  • 評判になっていた映画を先に観ました。
    その後,小説版を読んで,最後にようやく原作漫画を読みました。

    小説版を読んで,映画では重要ポイントが省略されていたことを初めて知ったのですが,原作漫画を読んでも,やはり映画版がその点を省略したのはもったいなかったと思いました。

    ただ,映画を先に観たからこそ,原作漫画のフレーズが心に残った側面があり,小説版を読んでよく理解できたこともあったので,私は全部読んでよかったです。

  • 下巻にて、この本のタイトルの意味が分かるようになっています。先に映画を観たため、その場面での感動は薄れてしまいましたが、それでも私の中では、一番のお気に入りのポイントです。個人的には、このクライマックスを迎える下巻は、映画で観た方が、雰囲気が伝わると思いました。でも、漫画では文字でセリフを認識できるので、併せて楽しむのが一番良いと思います!

  • 親の趣味。平成生まれの人間だからか別世界の出来事のように感じるけれど、こんな時代が実際にあったのだと知る事は大切なんでしょうね。

  • 普通の市民の視点から捉えた「戦争」。日常が少しずつ変わっていく。でも生活は続く。淡々と描かれる日常と、そこに時に何気なく、時に唐突に戦争の影が落ちる。理不尽で、恐ろしくて。それでも生活は続く。
    日常をひたすら淡々と描くことが徹底されていて、派手なシーンはほとんどないものの、それが戦争の理不尽さを際立たせる効果を果たしていて、ずっしり心に響く作品です。
    終戦を知った時の主人公の反応が私には意外で、でもそのあとじっくり噛み締めるとだんだんと分かるような気がしてきて、でもまだしっくり来ないような気もして。すごくリアリティを突きつけられたような気がした。
    時代考証にすごく時間をかけたことが伝わる、丁寧に作られた作品だと思いました。

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著者プロフィール

こうの 史代(こうの ふみよ)
1968年広島県広島市西区生まれの漫画家、イラストレーター、比治山大学美術科客員教授。広島大学理学部中退、放送大学教養学部卒業。
『夕凪の街 桜の国』で文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、手塚治虫文化賞新生賞受賞。「このマンガを読め!(2010)」第1位および文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞『この世界の片隅に』は2011年TVドラマ化・2016年映画化され、とりわけ映画は観客・著名人から極めて高い評価を受けて大ヒット作に。国内外でも絶賛されて多くの映画賞も受賞。2018年7月期、TBSで再度TVドラマ化される。
その他代表作として、『ぼおるぺん古事記』、『荒神絵巻』など。

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