日本怪奇名所案内 (サラブレッド・ブックス 93)

著者 :
  • 二見書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576000442

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  • フランス文学の翻訳、伝記、エッセイ、と戦前戦後に色々な著書がありつつ、1960年から超常現象についての著書を書いていた平野威馬雄氏の、1976年に二見書房のサラ・ブックスから新書として刊行された著書。

    こんなタイトルですが、平野氏が聞き集めた怪奇体験談集です。
    「道路沿いの怪」「水辺を漂う怪」「山岳地帯の怪」「公共施設の怪」「お化け屋敷」「祟られた場所」「幽霊の写る所」「UFO地帯」と、テーマ別に体験談がまとめられています。

    まずは、キャシー中島さんの語る鎌倉の小坪トンネルでの体験談。トンネル怪談の代表選手とも言えるこの話で、まずは心を掴まれます。
    ただ、これ以後は、あまりインパクトがある話は無く、東京都北区神谷町2-30~32で、町内の人が次々と亡くなったり事故に遭ったり、という話が印象的なくらいです。ただ、この話は、同じ内容を小松方正氏の著書で読んで知っていましたけど。

    また、タイトルに沿って、ほとんどの体験談に地図とイラストが挿入されていますが、地図の字体のファンシーさと、イラストのタッチが、実に70年代っぽい雰囲気で、見ているだけで甘酸っぱいノスタルジックに浸れます。
    ただ、「幽霊の写る所」と「UFO地帯」には、イラストではなく写真図版が欲しかったですね。

    体験談によっては、その地図が詳細で、廃墟になった家も特定できるのが、いかにもこの時代らしい大らかさ。体験者や情報提供者も仮名Aさんではなく、きっちりフルネームで書かれているのも、いかにもこの時代。


    総じて、読み物ではなく、70年代のオカルト・グッズの一つとして楽しむべきものだったと思います。

  • 1970年代の心霊スポットと怪談。

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著者プロフィール

平野威馬雄(ひらの・いまお)
1900年、北カリフォルニアジャパン・ソサエティ(Japan Society of Northern California)初代会長のヘンリー・パイク・ブイと日本人の母との間に生まれる。東京都出身、上智大学卒業。仏文学者、詩人。ルーツによって差別を受けた自身の経験から第二次世界大戦後に「レミの会」を結成、「混血児救済」の活動に献身する。著書に『青火事』『くまぐす外伝』『平賀源内の生涯』、訳書に『ファーブルの昆虫記』『モーパッサン戯曲集』ほか多数。本作『レミは生きている』は第6回産経児童出版文化賞を受賞。料理愛好家・シャンソン歌手の平野レミは長女。1986年没。

「2022年 『新版 レミは生きている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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