- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784576000442
感想・レビュー・書評
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フランス文学の翻訳、伝記、エッセイ、と戦前戦後に色々な著書がありつつ、1960年から超常現象についての著書を書いていた平野威馬雄氏の、1976年に二見書房のサラ・ブックスから新書として刊行された著書。
こんなタイトルですが、平野氏が聞き集めた怪奇体験談集です。
「道路沿いの怪」「水辺を漂う怪」「山岳地帯の怪」「公共施設の怪」「お化け屋敷」「祟られた場所」「幽霊の写る所」「UFO地帯」と、テーマ別に体験談がまとめられています。
まずは、キャシー中島さんの語る鎌倉の小坪トンネルでの体験談。トンネル怪談の代表選手とも言えるこの話で、まずは心を掴まれます。
ただ、これ以後は、あまりインパクトがある話は無く、東京都北区神谷町2-30~32で、町内の人が次々と亡くなったり事故に遭ったり、という話が印象的なくらいです。ただ、この話は、同じ内容を小松方正氏の著書で読んで知っていましたけど。
また、タイトルに沿って、ほとんどの体験談に地図とイラストが挿入されていますが、地図の字体のファンシーさと、イラストのタッチが、実に70年代っぽい雰囲気で、見ているだけで甘酸っぱいノスタルジックに浸れます。
ただ、「幽霊の写る所」と「UFO地帯」には、イラストではなく写真図版が欲しかったですね。
体験談によっては、その地図が詳細で、廃墟になった家も特定できるのが、いかにもこの時代らしい大らかさ。体験者や情報提供者も仮名Aさんではなく、きっちりフルネームで書かれているのも、いかにもこの時代。
総じて、読み物ではなく、70年代のオカルト・グッズの一つとして楽しむべきものだったと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1970年代の心霊スポットと怪談。