夜を忘れたい (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

  • 二見書房
3.69
  • (10)
  • (9)
  • (23)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 95
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (451ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576010816

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • オリジナル・タイトル 「DREAM MAN」
    ヒロイン:マーリー28歳。ヒーロー:デーン34歳。
    リンダの小説のヒロインとヒーローは、決して美男美女ではない。しかし、その信念、性格、行動力などの内面的なものが肉付けされて、見事なまでに魅力的な人物が出来上がる。

    今回のこの話も例にもれない。とくにストーリー出だし、ヒーローのデーンの人間の生活は男くさい。刑事ゆえか、まずは事件一番。着る服はシワシワでもへっちゃら、そこら辺に脱いだ服を手っ取り早く着て、いち早く現場に駆けつけるのが大事。ネクタイ?首に巻いてあれば何でもいいと思っている。身長は190cmを超える大きな男。体格も素晴らしい。肩がけホルスターは彼の体の一部となっている。しかし、警察として凶悪事件を追う彼の信念に揺ぎはない!男性フェロモンを振り撒いている彼は、当然オンナに困ったことがない。あちらから寄ってくるものだった。

    そんな彼が、マーリーにあった瞬間、恋に落ちた。・・・が、彼はこの事実に全く気が付かない。ようやくマーリーに告白するのはストーリーも最後の最後。しかもマーリーに導かれて・・・情けない。オンナを惹き寄せていたデーンが、初めてオンナに惹き寄せられた。そして彼女を守る!と言いつつ、離れられない離れたくないのはデーン、お前だろっ!と突っ込んでしまったほど、マーリーにのめり込む。

    一方、ヒロインのマーリーは特殊能力の持ち主。
    私達のいる現実とかけ離れている人物設定に、当初、このストーリーに入り込めるかしら?と不安になったが、彼女の生い立ちや辛い過去を知っていくうちに、また、彼女の性格がそれによってできあがり、気配を消したがる生活を好む事ようになったと思うと、彼女にシンクロしていってしまう。しかし、どんなに弱くみえても、辛い過去があっても、リンダの描くヒロインは「強い」!。デーンがマーリーに迫らなければ、マーリーはデーンを好きにはならなかったんじゃないかしら?押しに押されたからなぁ。

    ストーリーの最後、やっぱりヒロインは強かった!この「強さ」を見せてくれた!間接的にデーンの残していった拳銃が、マーリーを救ったのだが、あの状況下、我が手で我が生命を守ったマーリーは素晴らしい!!
    デーン・・・あんた、結局、一番守らなければならない時に、守らなかったじゃ~ん。本人も12時間も経たないのに、15回も震えながら後悔している。巨体でその姿は笑えるぞ。

    あれ?この展開、どっかで・・・「Mr.パーフェクト」と似ている・・・。
    リンダのストーリーの悪人をやっつけるパターンって3つに別れる事が判明。
    1,ヒロインが倒す
    2.ヒーローが倒す
    3.二人で倒す。
    他人によっては倒されない。

    今回は「1」だ。

    エピローグを読んで、マーリーの特殊能力がデーンにも備わった?と思っちゃった(笑)。

    サスペンスで読んでいてドキドキしたけど、後味のよいストーリーでした。
    そして、忘れちゃならないトラメル君。今までよくぞデーンの面倒をみてくれていました。
    これからも、デーンを、センスのよいアタナの友達でいさせてください。

  • 人の心を感知する特殊能力を持つマーリー。
    その能力は6年前のある事件により、失われたと思われていた。
    ところがある夜、映画館の帰りに女性が殺されるビジョンを視た。
    警察に協力を申し出るが、デーン刑事は…。


    こういう霊能者が出てくる話が大好物なのだけど。
    デーンがなぁ。
    悪い人じゃなかったけど…。
    こういう特殊能力があるって事を信じられないのは判る。でも、信じられないからってそれを相手にペテン師だって態度をとるのはどうかな。
    信じる必要はないけど、嘘つき呼ばわりする事もないでしょ。
    信じてなくても、普通にある程度の礼儀正しさで接してもいいのでは~。
    それに、最初からやりたがりすぎ。
    よくセクハラで訴えられなかったな(笑)

    まぁ、正直でまっすぐな人柄ってことなんだろうけどね。
    読み進めながら、献身的に世話する態度を見てたらほだされてきたんだけど、最後のあの裏切りで本当にショックだった。
    あれはないわ~。
    相棒のトラメルは「デーンは捜査のためなら他人を利用しても平気な冷血漢?」と聞かれて「あいつは警官だから」と答えるわけだけど、警官として事件を解決するのに他人を利用するのが、よしんば良いとしてもだよ、わたし的にヒーローとしてはやっちゃダメなとこだよソレは。
    ヒロイン以上にわたしは傷ついたわ(笑)
    あんな風に一生懸命世話してくれたのがあるから、余計にびっくりした。
    わたしなら許せなかった。
    マーリーが簡単にデーンの自宅に住むことにして、超びっくり。
    あまりにあの裏切りがショックで、わたしはとてもじゃないけど一緒に住めないし顔も見たくない…のでヒロインにもそうゴネてもらって、しょげるデーンが見たかったくらい。

    何度か「正体がバレたら首になる」って言ってたのに、本気にとらないでいたし、結局クビにされてもデーンにできることないじゃん。
    せっかく自立してたのに、仕事もプライベートも失って、ひどい~~~と、わたしは最後まで好きになれなかったかな。

    ☆は3つ。

  • 応援したくなるヒロイン 超能力者マーリーの苦悩がビシビシ伝わる 頑張れマーリー!

  • DREAM MAN
    マーリーは、かつて特殊能力を持っていたが、6年前の事件をきっかけに能力は失われていた。
    しかしある晩、何者かが女性を殺している場面が不意に見え、能力が蘇る。
    警察に協力を申し出、刑事のデーンと出会うが、初めは能力を信じてもらえず…という話。
    マーリーに惹かれるデーンが、家を改築するからといってマーリーの家に居座る。
    その後、次々にデパート顧客係による残忍な事件が起きて、デーンはマーリーをネタに犯人を誘き寄せようとするが…。
    無理のないストーリー展開で中々面白かった。

  • 刑事のデーンが登場時からは想像もつかないほど、主人公に献身的というかベタ惚れなのがびっくりです。
    きれいに纏められていて、テンポよく読めました。サスペンスですが、優しい気持ちなれる作品。

  • 購入済み

    内容
    (BOOKデーターベースより)
    フロリダでひっそりと暮らす28歳の女性マーリー。かつて彼女は他人の心を感知する特殊能力を持っていたが、
    それは6年前に失われた。ところがある夏の夜、何者かが女性を殺している場面が不意に脳裏を支配する。
    能力がよみがえったのだ。案の定、現実に殺人事件が発生していた。
    が、警察に協力を申し出たマーリーは、一人の刑事に心を翻弄される……。

    Dream Man by Linda Howard

  • ヒーローが初っ端からキュートで何とも言えず好き。ヒロインはどことなくシニカルで、だけどああいう過去を背負ってるにしてはすごくマトモ。拉致られてレイプされそうな切迫してる時にあれだけ悪態を吐ける女子は決していない。国宝級。正当な癇癪持ち。好ましく。ヒーローが彼女を利用するシーンもありますがアレは仕方ない気がする。そうでもしなければ犯人は尻尾を出さないだろうし、ヒーローはもうこんなことは二度とヒロインにさせたくないって決意していた文面から読み取ると、十中八九こうなるだろうなっては思っていた。つまり虎穴に入らずんば虎子を得ずってヤツ。警官でもあり男でもあるので、たとえ裏切りだとしても仕方ないことだと思う。まあ、それによってヒロインはかなり危険な目に合わされたけれど。でも正当な癇癪持ちなので、そのことについてヒロインはきちんとヒーローに報復していた。それは当然のことかと思う。怒るべきところは怒っておかないと示しがつかないし、報復期間も好ましく妥当だと私は思った。バランスがうまく取れてて。すべからくはこういうバランスをうまく察知できる人間になりたいですね。だけど、このことについてかなりの代償を払ったのはヒーローのような気もする。ヒロインも恐ろしかっただろうが、やぱり一番、可哀想だったのはヒーローだと思う。何せ、ヒロインをああいう危機にさらしたのはヒーローでもあるから、犯人にはめられたって気がついた時の心境はヒロインのレイプ未遂事件のトラウマにも勝る辛苦だったろうなって思う。あと、たとえ愛する人であっても、ヒロインのようなこんな状況下の人間は、面倒がられたり疎んじられたりするものだけれど、ヒーローはそんなこと一つも思わずに、彼女を介抱することが自分の役目って感じで、とても優しいなって思った。大体の人間って最初は庇護本能をくすぐられても、それが続くと飽きておざなりにしてしまうから、本当にヒーローは優しいんだと思う。ヒーローの家族談義もとても好き。パートナーも好き。パートナーが「彼はおれのヒーローなんだ」ってデーン(ヒーロー)のことを揶揄した時、思わず天を仰いで感謝した。こういう男同士の絆が本当に好きなのだ。

  • 殺人現場を犯人のビジョンをとおして見る主人公を、警戒をしつつ彼女を守る警官のラブストーリー

  • 男性が南部の刑事だった『二度殺せるなら』と女性が霊能力者だった『黄昏に生まれたから』。この二作が好きな方なら、『夜を忘れたい』もきっと気に入るだろう。

  • 黄昏に〜とイメージかぶる。ポリスメーン

全13件中 1 - 10件を表示

リンダ・ハワードの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×