殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション) (二見文庫 ブ 1-12 ザ・ミステリ・コレクション 殺し屋ケラー・シリ)

  • 二見書房
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本棚登録 : 119
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576020747

作品紹介・あらすじ

殺しの依頼を受けたケラーは空港に降り立った。迎えの男が用意していたのは車とピストル、そして標的の家族写真だった。いつものように街のモーテルに部屋をとり相手の動向を探る。しかし、なにか気に入らない。いやな予感をおぼえながらも"仕事"を終えた翌朝、ケラーは奇妙な殺人事件に遭遇する…。巨匠ブロックの自由闊達な筆がますます冴えわたる傑作長篇ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  •  殺し屋ケラーシリーズ。前に最初の短編集を読んだだけになっていたのの2冊目を手に取った。これが長編作品なのが意外だった。しかし長編といってもケラーの生業である依頼殺人事件のそれぞれの短編相当のエピソードをつなぎ合わせて構成されているので、それぞれが独立した短編を読んでいるようでもある。ケラーはいつものようにクールに仕事をこなしてゆくのだが、そこへ影のようにあらわれる敵対者。最後にその裏をかいて一件落着となる。せっかくの長編だしもう少しひねりがあってもいい気がするが、結末はあっけない。まあミステリというよりはケラーの仕事ぶりを含む日常が読みどころと思えばいいのだろう。このケラー、性格的にはスカダーとバーニーのちょうど中間という感じなのがおもしろい。

  • アメリカの作家ローレンス・ブロックの長篇ミステリ作品『殺しのリスト(原題:Hit List)』を読みました。
    ローレンス・ブロックは伊坂幸太郎の作品に影響を与えた作家とのこと… 伊坂幸太郎の殺し屋シリーズ『AX アックス』を読んだあとだったので、通じるモノもあるのではと思い本作品をセレクトしました。

    -----story-------------
    【 殺し屋ケラー 】シリーズ
    殺し屋ケラーシリーズ、待望の長編
    孤独な殺し屋の非情な世界──NWAグランド・マスター賞に輝く名匠ブロックの筆致が冴える!

    殺しの依頼を受けたケラーは空港に降り立った。
    迎えの男が用意していたのは車とピストル、そして標的の家族写真だった。
    いつものように街のモーテルに部屋をとり相手の動向を探る。しかし、なにか気に入らない。
    いやな予感をおぼえながらも「仕事」を終えた翌朝、ケラーは奇妙な殺人事件に遭遇する……。
    巨匠ブロックの自由闊達な筆が冴えわたる傑作長篇ミステリ!
    原題:Hit List

    【 伊坂幸太郎 氏 】
    ローレンス・ブロックからはあからさまに影響を受けています。
    『殺し屋ケラー』シリーズは僕が書きたいものの到達点であるような気すらします。

    【 名物書店員さん絶賛! このミステリが熱い! 】
    40代、独身、職業・殺し屋……。
    依頼を受け、見知らぬ土地に向かい、そして“仕事”をするだけ。
    派手なことはなにもない、まるでビジネスマンのような男。だが、その“日常”が読ませるのだ!
    孤独な中年男の心のゆれが、ロマンの香気さえ漂わせ、読み手をグイグイ引きこむ。
    断言しよう、読み終えたときのあなたの「もっとも好きな殺し屋」にケラーはなっていると!!!
    ─────ときわ書房 船橋本店文庫担当 宇田川拓也
    -----------------------

    2000年(平成12年)に刊行された、殺し屋ケラーシリーズの第2作です。

    ケンタッキー州のルイヴィルで、嫌なな予感を覚えながら「仕事」を終えた翌朝、ケラーは奇妙な殺人事件に遭遇… ある事情からケラーは宿泊していたモーテルの部屋を変更してもらったのだが、変更前の部屋に宿泊していた男女が殺害されたのだ、、、

    そして、ボストンで次の「仕事」を終えたあと、カフェでケラーのコートを盗んだ男が雨の中で殺害される… 自分は狙われている!? 殺し屋を消そうとしている殺し屋がいるのか? その目的は? 

    殺し屋vs.殺し屋… ケラーと仕事斡旋者ドットは慎重に標的を見張りながらまだ見ぬ敵の正体を探る……。

    長篇なんですが、短篇をつなぎ合わせたような構成なので、連作短篇という方がイメージが近いのかもしれませんね… 伊坂幸太郎の殺し屋シリーズとキャラクター設定や殺し屋の仕事の描き方が近い印象を受けましたね、、、

    面白かったです! ケラーとドットの軽妙な会話、ちょっとズレを感じるコミュニケーションも魅力的… ケラーが陪審員を務めたり、占いに傾倒したり、趣味の切手収集に熱心だったりと、ケラーのプライベートが描かれるサイドストーリーも愉しめました。

  • やっと入手したシリーズ第二作。短編集の前作と打って変わり、今回は長編…のはずだが、実際は短編同士を繋ぎ合わせたような筋の運び。それもそのはず、解説によると一部のエピソードが刊行前に【切り売り】されていたらしい。前半の画廊編はまだしも、後半の陪審員編は本編と関連性が低く、間延び感を助長しているが、長尺な分、ケラーとドットの掛け合いは存分に味わえる。本来は血と暴力の匂いが漂う<殺し屋の主人公VS正体不明の殺し屋>という好カードも著者の手に掛かると何ともトリッキーな展開に。うーん、やっぱりこのシリーズ好きです。

  • 大好きな伊坂幸太郎さんオススメのシリーズ。 確かに・・・伊坂臭がする(笑) 殺しの場面より、殺し屋の日常みたいな。 海外作品の会話って、何であんなにオシャレなのかしらね。 シリーズ揃えちゃったから、また読も♪

  • 殺し屋シリーズ第二作。
    前半から中盤にかけてのだらだらとしたケラーとドットの会話と、
    終盤の追跡劇との落差が大きい。
    ブロックらしいといえばブロックらしいが。

    あと、相変わらず原題は秀逸だと思う。

  • 『殺し屋』のケラーが、今度はなんと長編として登場です。前作同様、物語の飄々とした雰囲気はそのままで、短編風のエピソードが幾つも語られ、それぞれの依頼に決着がつきながらも、実は全編通して、長編として成立しているという…。それは、この長編の原型が、幾つかの短編として、先に発表されたせいかも知れないですが、それを改めて、長編として構成し直す、職人芸のような技をブロックは見せてくれます。◆依頼のあった街へ飛び、いつものように、仕事をこなしたケラーですが、何か最近、周囲がおかしい。前夜まで自分が泊まっていたモーテルの部屋で殺人事件が起きたり、盗まれた自分の服を着ていた男が殺されたり。これは偶然なのか? ケラーに仕事を伝える、ミステリアスな女性、ドットとのコンビも健在で。今回またもや、ケラーは新しい物に興味を持ったりして、クールでニヒルな癖に、相変わらず、どこか憎めない彼がますます好きになってしまう、そんな物語でした。ぜひ、前作『殺し屋』と合わせて、この不思議な雰囲気の殺し屋に出会ってみて下さいね。

  • スタイル的に長編より短編の方が合いそう。

  •  殺し屋ケラーの初の長編。黙々と仕事をこなすケラーと、そのエージェントのドットの2人の会話は、とってもスカダーシリーズに似てる。うん、同じ作者だからっていうより、完全にベクトルが近いと思う。
     てことで、短編の方が面白かいかもと…。
     結局、人が一杯死ぬ小説は好きじゃないらしい(苦笑)

  • 殺し屋ケラーシリーズ。うーん、ハードボイルド。いいなー、なんか自分の世界とかけ離れている分、安心しつつ、どっぷり浸かれる。殺し屋って本当いるのかしら?まぁ、ケラーは憎めない、愛すべき殺し屋でしょう。だって、趣味は切手の蒐集。いないともかぎらないかな?

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著者プロフィール

ローレンス・ブロック Lawrence Block
1938年、ニューヨーク州生まれ。20代初めの頃から小説を発表し、100冊を超える書籍を出版している。
『過去からの弔鐘』より始まったマット・スカダー・シリーズでは、第9作『倒錯の舞踏』がMWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長篇賞、
第11作『死者との誓い』がPWA(アメリカ私立探偵作家クラブ)最優秀長篇賞を受賞した(邦訳はいずれも二見文庫)。
1994年には、MWAグランド・マスター賞を授与され、名実ともにミステリ界の巨匠としていまも精力的に活動している。

「2020年 『石を放つとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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