- Amazon.co.jp ・本 (510ページ)
- / ISBN・EAN: 9784576022048
感想・レビュー・書評
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ミステリーとして云々という評価をよく見るが、作品の序盤に流れるこれは殺人なのか否か、というあやふやさの処理の仕方が好きだった。しかして、その真相も凡庸。最後の決着も、らしいといえばらしいのだが、法月倫太郎が解説で書いたとおり、マットはその決着にまったく入れ込まず、淡々と職務としてその役割を果たす。そう、入れ込まない。今回、人間関係的にもアル中的にも落ち着いていて、事件や犯人に入れ込むことがない。事件による精神の浄化を必要としていないのだ。
あるいはこじんまりしたのかもしれない。探偵免許を取得し、事務所を持った方がいいのではないだろうかというマットの悩みは個人的なものでニューヨークのものではない。八百万の死にざまでニューヨークの闇を引き受けようとしたマットはそこにはいない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マット・スカダー第十二作。
原題"A Long Line of Dead Man"。
たがいに生きていることを確認するためだけの、
三十一人からなる秘密のクラブ。
この導入からは何となくクリスティを連想させる。
謎解きやいつものセリフ回しも良いのだが、
興味深いのはここ数冊のテーマとなる"死"であろう。
我々は生まれた瞬間から死というゴールに向かって、
順番に列を作っているのだ。
前の世代の死を、
「我々の前の章が終わった」という一文で表しているのが渋い。 -
酔いどれ探偵の活躍
ただ1年に1回集まるだけの会の参加者がひとりづつころされていく話。
あらすじだけだと、アガサクリスティを一瞬考えるが、この本、落ちが怖い。 -
いつも通り。安定感がある。
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アル中探偵マット・スカダーシリーズ。私、このシリーズ順番に追ってなくて、手に入れた本を読んでいます。いいです。ハードボイルド。一気に犯人まで辿りつきたくて読み続けてしまいます。