設計事務所で働く沙倉は、かつての親友で、今や人気小説家となった設楽愁一から、洋館のリフォームの依頼を受ける。
少年の頃から、ずっと愁一に憧れ続けていたが、それがやがて肉欲を伴った恋情に変わってしまった己の感情を汚らわしく思い、大学時代に彼の元を去った。
それから十年。
偶然の再会で、ますます美貌に磨きがかかった愁一を見た沙倉の一度は諦めた想いが再び疼き始める。
離れていった過去の仕打ちをなじられ、後悔と期待を持て余した沙倉は、ついに彼の唇を奪うのだが……?
というような話でした。
愁一は沙倉に唇を奪われても、酔っていたせいもあってか、しらっとした顔をしているし。
それ以上に触れても、あんまり抵抗しない。
まぁ、結局のところ、沙倉の事を憎からず思っていて、彼女よりも奥さんよりも沙倉といるのが一番楽しいって認めちゃってめでたしめでたしなので、とってもよかったんですが。
なんていうか、そこまで行き着くまでのところが、何とも。
最初、あらすじを読んだ時にキャラのイメージと相手に対する態度から、どっちが受けなんだか攻めなんだか、よくわからなかったんですが、読み終わってやっと理解しました。
愁一に対して、沙倉が王子様を敬うように接してたんですね。
なんか、当初の沙倉の描写がちょっと強面のように見えたので、もうちょっと横柄な感じもあるのかと思ったら、完全に尽くして尽くして尽くして尽くしまくってたので、ちょっとギャップが。
それに対して、愁一も何の違和感も抱いてないみたいだから、学生時代からこんなんだったのかなー……? って思うと、微妙に違和感が……。
物語の本筋とは関係ないですが、もうちょっと具体的に、この2人の学生時代のエピソードとか読みたいなー……と思いました。