哲学的な何か、あと数学とか

著者 :
  • 二見書房
4.04
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本棚登録 : 792
感想 : 109
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576081762

作品紹介・あらすじ

悪魔のような数式に魅せられた人生を賭けた学徒たち!フェルマーの最終定理をめぐるココロを揺さぶる物語-。数学なんてつまらないと思っているアナタに贈る情熱的学問入門。

感想・レビュー・書評

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  • 【フェルマーの最終定理】
    3 以上の自然数 n について、xn + yn = zn となる自然数の組 (x, y, z) は存在しない。

    一見簡単そうに見えて350年も未解決だったこのフェルマーの最終定理が、アンドリューワイルズによって、証明されたのって1995年の話。意外と最近だったのね。俺が高3の1993年に発表されていたのね。当時数学好きだったけど、そんなにニュースになってたのかなあ。とっくに忘れてました。
    この難問に取り憑かれた数学者達の人生を映画にしたら面白そう。

    あと、
    コラム「n次方程式の旅」が面白かった。
    2次方程式の解の公式は習うよね。
    4次方程式までは解の公式あるけど、5次以降は無いことが証明されている。3次・4次の解の公式は、とんでもないくらい長いので覚えきれません。

  • フェルマーの最終定理に魅せられた者たちのドラマが書かれた本。読み物としても楽しめました。

  • ↓ここ好き。

    p.231
     本当に大事なのは、「人間は、そんな何の役に立ちそうもない問題や謎に、その短い人生を賭けることができる」という事実のほうにある。
     この世界には、知的に面白いと思える問題が存在し、それに人生を賭けられる人たちがいることを僕たちはもっと誇ってよい。そして、それらの問題に取り憑かれ、人生を奪われた人たちも含め、すべての知的探求者に敬意をはらうべきだ。
     何千年もの間、人類がつちかってきた学問という世界は、不可能とさえ思える絶望的な問題に立ち向かおうという人間の情熱の上に成り立っているということを忘れてはいけない。
     人類が滅亡するまでに、決して解かれることはないだとうと言われた難問に対して、おしげもなく、その人生を捧げ、果敢に立ち向かっていった人々の矜持(きょうじ)を忘れてはいけない。
     xⁿ + yⁿ = zⁿ
     こんなちっぽけな数式に、人生を賭けたものたちがいたことをどうか忘れないでほしい。
     そして、この物語は決して終わらない。
     数学の世界には、証明されていない未解決問題はまだまだたくさんあるからだ。

  • 数百年に渡って数学者たちの人生を翻弄させた「フェルマーの最終定理」――この問題を巡る数学史と人間ドラマを描いたノンフィクション。

    既読のサイモン・シン氏の『フェルマーの最終定理』と流れはほぼ同一でした。本書の方がより要約されライトに描かれているため、読者によってはこちらの方が読みやすくて好きという方もいると思います。
    個人的にはサイモン氏の著書が秀逸すぎたので少し見劣りするかな…。
    数学史を賑わせた歴史エピソードを広く知りたいと思って本書を手に取ると拍子抜けするのでご注意ください。

  • 2013年7月23日読了。「哲学的な何か」なるWebサイトを主宰する著者による、2冊目の著書。「論理的で非人間的な冷たい学問」という数学のイメージからは程遠く、「フェルマーの最終定理」の証明に挑み倒れた数学者たちと、それを解いた数学者(ワイルズ)を描くが、内容も文章もとにかく熱い。世界とは?人間とは?を問い続ける哲学と哲学者たちを描いた前作がどちらかというと淡々としたトーンで綴られているのに対し、本作は著者自身が大学時代数学を専攻した思い入れがこめられているからか?美しくシンプルな数式に、人を捕らえて離さず人生すら狂わせる悪魔的な魅力があること、数学界には「○○以来の天才」「神童」が何人も現れては消えていったこと、など・・・世の中には私が知らないことが沢山あるものだ。フェルマーの定理を証明できず業績を評価されることも泣く病に倒れた数学者に対する「それでも彼は遺稿を託すことのできる真の友人を得たのである」というメッセージ、「我々は知らねばならない、我々は知るであろう」という数学者ヒルベルトの言葉。読んでいて涙が出てしまった。数学とはなんと熱い世界だろうか!

  • ただ一つの真実に向かって、何もかも投げうって突き進む。その姿にただただ感動した。
    数学史に名を残すような数学者はもちろん、志半ばで散った名もない数学者達、彼ら全ての思いが連綿と受け継がれ、フェルマーの最終定理はワイルズの手によってついに解き明かされた。
    ワイルズは、志村=谷山予想を経由して、フェルマーの定理を証明した。
    フェルマーは一体どのようにして自身の予想を証明したのであろうか。

  • 元々は「哲学的な何か、あと科学とか」
    http://www.h5.dion.ne.jp/~terun/index.html
    というサイトのコンテンツが
    シビれる!あこがれるゥ!で読んでいて満足していましたァンッ!

    フェルマーの最終定理だけで
    こんなにも人間ドラマがあったとは…ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
    まさに人間賛歌ッ!ッ!
    …おおブラボー!作品だッッ!
    素数学というよりも、文学全般に対して敬意を払いたくなるような
    そんな気になれる一冊だッッ!

    ※ジョジョ語風味に変換しています※

  • あれ、これ買い逃してるわ。大変だ。
    哲学本は、文庫化されずに世の中から消えてしまう(ことが多い)ので、買っておかなければいけないのに…。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ところで、著者の飲茶って、どのような方なのですか?
      これとか「哲学的な何か、あと科学とか」って結構面白そうですね。
      ところで、著者の飲茶って、どのような方なのですか?
      これとか「哲学的な何か、あと科学とか」って結構面白そうですね。
      2012/05/15
  • 一言で言えば、この本は数学ミステリーだ。犯人はフェルマーの定理。

    数学が苦手でもぜんぜんOK。こなれた語り口で、そのままコミックになるなと思ったり、美しく悲しい話に涙を流したりしながら読み進めることになるだろう。数学の歴史は人類の歴史なんだと思いながら。

    ネタばれなんてないが、あえて判りにくく紹介しよう。
    P196で僕の全身にはさぶイボができた。
    P203で、恐ろしいどんでん返しが来るのかと。慄いた。
    P221でやっと、僕も夢を見た。その余韻を保ちながら、P238のあとがきの最後まで楽しめる。

    数学わからんけど、人類の英知と努力に乾杯!

  • 私は数学が嫌いです。だけれど、哲学には興味があります。そんな2つが合わさったらどうなるのか気になってこの本を読みました。
    結果として、とても面白く終始興味をそそられました。というのも、数学の歴史に触れることができて、今まで役に立たなくて、無機質だと思っていた数学にたくさんのロマンとたくさんの熱い思いが込められていると知ったからです。もしこの本を数学が大嫌いで毎週数学に苦しめられていた高校時代に読んでいたら、少しは変わったのかなと思います。
    私のような数学嫌いな人に読んでもらいたと思いました。そして、数学の先生には、生徒たちに受験対策用の数学だけでなく、生きた数学を少しでも教えてあげてほしいなと思います。

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著者プロフィール

東北大学大学院修了。会社経営者。哲学や科学などハードルの高いジャンルの知識を、楽しくわかりやすく解説したブログを立ち上げ人気となる。著書に『史上最強の哲学入門』『14歳からの哲学入門』などがある。

「2020年 『「最強!」のニーチェ入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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