鍵師の流儀 (二見書房 シャレード文庫)

著者 :
  • 二見書房
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576101514

感想・レビュー・書評

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  • すっごい面白かった!!
    鍵師だったころ、スリルを求めて犯罪を犯してしまい、刑務所から出てからはタトゥーアーティストとして生きている受けが、テロ組織が狙う金庫を警察から開けるように指示される。
    その指示を言い渡しにきて連れて行こうとするのが攻めの岩谷。
    むっさいようで、男のフェロモンだだ漏れな岩谷かっこいい!からかうように挑発するのに、優しくて暖かいとか狡い!!
    ノーマルだった岩谷を挑発するように「抱いてくれるなら行く」といったら本当に抱こうとするし。
    この受けの泉もツンなのに性根が優しい子だから読んでてきゅんとするし。

    ストーリーもテロ組織から逃げる岩谷と泉+信頼できるはずの3人をも疑わなくてはいけない状況とか、鬼気迫る精神的に追い詰められていく様とか、すごい読み入った!
    さすが中原先生!という本でした!最高!!

  • 刑事×鍵師
    テロリストに狙われつつ金庫の鍵を開けるため二人で向かう。テンポよい。

  • 男の色気ダダ漏れオヤジ刑事✖️心に傷もちキレイな天才鍵氏

    何しろ攻めの岩谷がかっこいい。
    これでもか、というほどの男くささ。
    女を守って自分は満身創痍でも、抱ける!!
    というハリウッド映画か007か・・・というかっこよさ。
    泉は一目惚れですね~
    反抗してみても、実はメロメロです。

    しかし、がちがちのヘテロであったはずの岩谷がなぜああも簡単に泉を抱けたのか?
    男(野獣)たるもの、相手が女だろうと男だろうとかまわないのかなぁ。そんな細かいことは気にしない、の??

    オヤジ+男臭プンプンが好きならおすすめ♡

    立石涼さんのイラストがいいです。


    【登場人物】

    ・泉正樹
    元天才鍵師で現在はその技を封印し、タトゥーアーティストとして店を構えて3年の27歳。
    20歳頃に窃盗で服役の経験あり。刑務所内でヤクザのオンナにされて、自分の性癖を知ることにる。

    ・岩谷忠弘
    新宿署のアウトロー刑事。その風貌はこわもて・野性的・人相が悪い。
    42,3歳。
    泉にある仕事をさせる為の説得をして、本庁につれてくるように言われている。

    ・庄野(警視庁)
    『サイバーテロ対策課』の副主任。
    甘いマスク、日本人離れした男前。岩谷の大学時代からの友人。

    ・中村
    アイドル系、20歳代の刑事。
    警察署勤務。  

    ・村山
    初老の刑事。警察署勤務。

    ・『ガーディアン』
    自然保護のNPO法人メンバーの一部が分裂してできた組織。
    テロ行為も辞さない過激派グループ。


    【あらすじ】

    泉正樹は幼い頃に両親を事故で失くし、祖父によって育てられた。
    祖父は伝説の鍵師。
    祖父から解錠のノウハウを子供の頃から教わった泉は高校に上がる頃にはプロの職人の腕をしのぐほどになり、その才能を開花させ、天才と言われるまでになっていた。

    祖父はその技術を悪いことに使ってはいけないと口癖のように言っており、泉はももちろんその言いつけを守り、自分の腕を悪用しないということは鍵職人としてのプライドでもあった。

    しかし、泉が高校生の時に祖父がアルツハイマーを発症し、日々他人のように変わっていく祖父を介護することになるが、痴呆症の老人の介護を受け止めるには泉はあまりにも若すぎた。

    泉の心はボロボロになり、祖父の症状が悪化する現実から逃れるように、解錠の技を使って窃盗を働くようになる。
    いつの間にか自分の解錠の腕に酔いしれ、ドラッグに溺れたジャンキーのようになってしまっていた。
    ある事件をきっかけにして逮捕され収監されるまで、それは繰り返された。

    刑務所にいるうちに祖父は亡くなり、最期を看取ることができなかった泉は激しく後悔し、解錠の技術を封印したのだった。

    さて、服役中の2年間、泉はその容貌のきれいさからヤクザのオンナとされていたが、その経験によって自分が初めてそちらの世界の住人なのだと気付くに至る。
    27歳の今、もともと冷めた性格ではあったが、刑務所を出てからはそれがさらに顕著になり、夢中になれることもなく、特定の恋愛相手を作ることもなく、どこか隠居した爺のような気分で生きている。

    そんな泉のところにある日、こわもてで野性的な新宿署の刑事、岩谷が現れる。
    昔、泉の祖父が開けた、ある金庫を開けろというのだ。
    この金庫は明治時代のからくり技師が作ったもので、こそ泥などには手の出せない、圧倒的なオーラを持った歴史物である。
    その金庫の中に、テロ組織『ガーディアン』が狙うテロに関するデータが入れられているというのだ。
    このままだと、大量の人間が死ぬことになる。それを防ぐためには是非とも金庫を開けて、そのデータを手に入れる必要があるのだ。

    どんな理由があるにせよ、再び金庫に手を出してしまったら、またあの麻薬中毒のような地獄が待っているのかもしれないと怯え、決心は覆さないと岩谷から逃げる泉。 
    それを岩谷はしつこく追いかける。
    泉を本庁に連れて行くという、岩谷にとっての雑用を果たさない限り、
    本来の刑事の仕事に戻れないのだと言って。

    そんな折、泉は怪しい男に追われ、すんでのところで岩谷に助けられる。
    そこからは岩谷と二人、命からがらの逃亡生活。

    金庫の中にあるデータを狙ってるのはテロ組織『ガーディアン』も同じ。
    データには原子力発電所を使ったテロに関するデータが書き込まれており、『ガーディアン』はそれを利用してテロを起こそうとしていた。
    泉を捕えて、金庫を開けさせ、データを奪おうとして執拗に追ってくる。

    『ガーディアン』から追われる羽目になった泉は好むと好まざるとに関わらず、岩谷との逃亡生活を余儀なく
    される。
    逃亡中にはなぜか二人の行動が把握されており、逃亡先に敵が現れる。
    警察の内部に密通者がいるとの疑いが出るのだが、それは岩谷の数少ない信頼できる人物である庄野か中村、
    そして村山という可能性がでる。
    岩谷の信頼する人物が裏切ろうとしているのか?
    岩谷が自分の揺れる感情を殺して、自らの命をかけてまで任務を全うしようとする態度に、次第に泉の岩谷に対する反抗心は薄れていき、むしろ信頼の気持ちが芽生えてくるのであった。


    度重なる『ガーディアン』の追跡を振り切り、密通者も判明して、ようやく金庫に向き合う泉。
    岩谷が命がけで泉を金庫まで運んでくれたのかと思うと、どんなに難しい金庫でも
    この勝負に負けるわけにはいかないと思う。


    「結局、爺さんよりも2時間も多くかかったな」

    周囲の刑事に揶揄の一言を浴びても、泉は充実感を味っていた。
    自分の技術を間違った方向に使い始めてからはすっかり忘れていた充実感を。
    また、いくら天才と言われても、まだまだ祖父にはかなわないのだということもわかった。

    仕事が終わったのを見届けて、部屋を出ていく岩谷は満身創痍の状態にも関わらず、なお心配げに泉を一目、振り返りざまに見るのであった。

  • 絵師買いをしたのですが、結構好みのお話でよかったです。
    オヤジのノーマル攻め。男臭のする攻めっていいですよね。
    恋愛がしっかりとしているので、刑事ものとしては落ちるかと思いきや、結構スリリングでそちらでも楽しませていただき、濃厚な作品でした。
    特にチェルノブイリだったりいろいろと…タイミングが凄すぎて私、凄い!

  • まぁ、職業的にそこを詳しく…てのは難しいんだろうな。
    主にオッサンを楽しむ目的でw

  • 天才的な鍵師と刑事の話。

  • ★4.0。「エロオヤジ攻×ツンデレ受」「反発→信頼」のパターンが好きな私のストライクでした。

    デリカシーのないエロオヤジとは言ってもガチガチのヘテロで刑事だし、受のボディーガードだし、軟派ではなく本質は硬派な所が純粋にかっこよくて、私も惚れ惚れ(笑)

    受も小生意気で冷めた口ぶりの割には「バンビちゃん」で可愛かった。

    ただ、ヘテロな攻が受に惹かれた理由がよくわからなかった。
    最後まで愛の告白もなかったので、精神的な愛情より肉欲で受を求めているようにも見えたり。
    ヘテロのエロオヤジ設定は難しい。

  • 攻めが好み、面白かった。鍵師の方のこだわりやわだかまりが解けるのが早すぎた気がした。全体的に緊迫した雰囲気で進んでゆくのだが、要素が多いわりにこれといった決め手に欠けたのが惜しい。

  • 【あらすじより】
    男の胸板をこんなにエロいと思ったのは、初めてだ
    天才的な鍵師の腕を持ちながら、二度と金庫破りはしないと誓う泉。
    しかし刑事の岩谷は、ある金庫を開けるよう依頼してきて――
    「 抱いたら、少しは楽になるのか ? 」 ――鍵師の技を教えてくれた祖父の戒めを破り、金庫破りのスリルに取りつかれた
    過去を持つ天才鍵師の泉。もう二度とあの頃には戻らない、そう誓う泉の前に現れたのは、無精髭に野獣の色気を滲ませる
    刑事・岩谷。テロ事件に関わる金庫を開けろと要求され、警察嫌いの泉は強引な岩谷に警戒心を剥き出しにするが…。
    かつて味わった鍵開けの欲求が疼きだし、火照る躰を岩谷に知られてしまい……。


    【感想】
    受けも攻めもかっこいい!読み始めは「あれ?」読んでいくと「ハラハラ」後半にかけて「ドキドキ」最後まですんなり読みきれた。

  • 表紙がめちゃくちゃ格好良い…!
    中身も良かった。岩谷男前。
    ずっと気になってた本だったから読めて良かった。

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著者プロフィール

2001年に白泉社にてデビュー。シリーズ物を多く手掛ける。

「2016年 『極道の淫らな挑発 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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