人生の一椀 小料理のどか屋 人情帖 (二見時代小説文庫)

著者 :
  • 二見書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576101750

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  • 人生の一椀―小料理のどか屋 人情帖シリーズの1作目
    2010.12発行。字の大きさは…小。

    人生の一椀、わかれ雪、夏がすみ、うきくさの花、江戸の華の5話。

    大和梨川藩・磯貝徳右衛門は、道場仲間の菊田修理を斬り、江戸屋敷の家老神尾三太夫に、自分が不正の黒幕・大目付有泉右近の命で、大泉の不正を訴えようとした勘定方菊田玄之丞を斬ったことなど綴った手紙を渡そうとしたが、江戸屋敷は、有泉の手が回っていて徳右衛門は、重傷を負い長吉屋の見世に倒れ込みます。

    事情を聴いた長吉、おちよの父娘は、徳右衛門に料理の手ほどきをする。
    徳右衛門は、刀を捨て、髷を切り、顔を焼き、料理人として生きていく道を選びます。
    そして、名を師匠の一字を貰い時吉となって料理人として、おちよと一緒に神田三河町に小さな見世「のどか屋」を出します。

    この物語は、客のために心を込めた料理を「人生の一椀」として出す料理人時吉の人情物語です。

    【読後】
    途中からあらすじが解って来ました。最後のあたりで読んだ事が有るのが分かりました。
    またやってしまいました。
    読んでいると時吉が作る繊細な料理が、食べたくなってきます。
    2020.12.26読了

  • 元武士だった時吉は、訳あって刀を捨てて料理人となる。
    その小料理屋「のどか屋」のたった一椀が、人の人生唯一の
    一椀になる――。
    思いのこもった料理と人情の物語。

    表題作「人生の一椀」のほか、四話の連作で穏やかに楽しめます。

    ブク友さんが楽しんでいられるこちらを書店でふと目にして
    嬉しくなって手にとりました。

    シリーズおっかけますね~♪^^

  • 小料理屋のお話なんだけど、料理は一つのお話の中にちょっとしたスパイスみたいに添えられてる感じもありですね。

    お話の一つ一つが全部話して完全に閉められてる感じじゃなくて、いい方向に向けるように書くからあとは読者の想像次第な感じもいいですね。

    あまり有名な作品じゃないけど、読みやすくて好きです。


    ただ、おちよさんの俳句は、私的にはちょっといらないかなァ~と。

  • 元武士の主人公がある事情から町人となり、料理人として生きていく話。
    血なまぐさい事件はなく、日常の小さな事件や出来事が軸。
    主人公が町人にならなければならなかったある事情は、最後の章で明らかになる。
    最初は全く触れられていなかったので、すっかり忘れていたが、先に全部説明されるより後出しされた方が読みやすい。
    結構じわじわと泣けてくる話が多いので、外で読む際はお気をつけて。

  • 可もなく不可もなく、普通の時代小説とゆう感じ。しかし「小料理のどか屋」がその名のとおり、のどかな気分にさせてくれる(^^)続きも気になる作品。

  • 事情があって町人になって料理人となる。
    なかなか難しいが、ちゃんと人のことを思いやれる素敵な料理がとても癒されました。

  • ★4つ、面白く読めた。出てくる料理は思わず作りたくなるような、庶民の料理。今までの時代小説に感じなかった、その時代の暮らしぶりが描かれていたのが気に入った。

  • ある事情から武士の身分を捨て、料理人となった時吉。
    まだ料理人としては未熟だが、師匠の娘・おちよの助けもあり、江戸で小さな店・のどか屋を開いている。
    時吉が江戸で出会う人と小さな事件の短編集。


    収録作品:人生の一椀 わかれ雪 夏がすみ うきくさの花 江戸の華

  • 武士であることを捨てて、市井の料理人に…とよくある感じだけど、この作者の作品では好きかも。

  • このシリーズで初めて知った作家さん。
    オカルト、ホラー系を多く書いてる方みたいで意外。
    内容はみをつくし料理帖の薄味版というか…好みだと思うけどね。
    寝る前にサラッと読むにはいい本です。

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著者プロフィール

1960年、三重県生まれ。
早稲田大学在学中に幻想文学会に参加、分科会の幻想短歌会を主宰。
1987年、短篇集『地底の鰐、天上の蛇』(幻想文学会出版局)でささやかにデビュー。
1989年、第一歌集『日蝕の鷹、月蝕の蛇』(同上)を刊行。
平成とともに俳句に転向、「豈」同人。句集に『アンドロイド情歌』『悪魔の句集』『怪奇館』など。俳句関連書に『怖い俳句』『元気が出る俳句』『猫俳句パラダイス』などがある。
1998年より専業作家。ホラー、ミステリー、幻想小説など多彩な作品を発表。近年は時代小説の文庫書き下ろしを多く手がけ、オリジナル著書数は130冊を超える。
趣味はマラソン、トライアスロン、囲碁・将棋、油絵、鉄道など。

ホームページ「weird world 3 倉阪鬼一郎の怪しい世界」
http://krany.jugem.jp/

「2017年 『世界の終わり/始まり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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