- Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784576120706
感想・レビュー・書評
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藤水名子さんの時代小説。
昔は中国活劇系が多かったけど最近は日本のを多く書かれているのでしょうか。
チャンバラものですが、人物関係は藤さん節そのものw詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ第一弾
養父隼人正と養女美涼との係わりと、島帰りの竜次郎の件を解決することにより、長崎時代の宿敵・鳴海屋との対決 -
十年前、旗本二千石本多隼人正は若年寄配下の先手組頭として諸国を探索中、長崎の丸山遊郭で十一歳の禿と出会い、
故あって養女とし剣の技を教え込んできた。美しく成長した男装の美剣士・美涼は、深川八幡で破落戸の喧嘩に出くわし、助けた男は島帰りだった。これを機に美涼や隼人正の周りに不穏な輩が現れ、見えない敵との戦いが始まり、師父と養女の剣が闇を切り裂く。 -
藤水名子さん、中国ものをお書きのデビュー時から、大ファンでした。作品を発表なさるベースが割とゆっくりなので、ちょっと寂しかったですが。登場人物が心理的にオトナばかりなので、非常に面白いです。
両親を知らず、廓から助け出された美少女美涼。最愛の許嫁を殺され、傷心の中で生き、美涼を引き取って養育した美貌の剣士、隼人正。そして隼人正の過去を知る、粋人 牧野大和守。無実の罪を被って島帰りとなった大店の息子で、隼人正と美涼を慕う、強面の中に稚気が光る竜次郎。隼人正に、影のようにまつろう公儀隠密 お蓮。
それぞれが、それぞれに対して情を厚く持ちながらあえて危険に飛び込んでゆく日々を生きています。活劇の得意な藤さんなので、爽快感のある描写が多いですが派手な場面よりも、隼人正と美涼の恋模様こそが読みどころです。
互いを思い合いながらも、養父と娘・剣の師弟という立場で共に過ごした月日に愛着があればこそ、素直になれないふたり。どちらも一途で純粋なので、もどかしいながらも幸福を願わずにいられません。
酸いも甘いも知っている。
真っ白な純情も胸の奥深くに抱いている。
そんな人々が生き生きと描かれています。
藤沢周平などの静謐な時代小説もいいですが、こういう活人劇も良いです。元気が出ますよ。 -
なんか、こういう主人公の設定、似たようなの知ってるぞ(笑)
うん、好きだよね、藤さん。こういうカップル。
中国ものじゃないけど、やっぱ、同じ香りがして落ち着きます。 -
2012.10.18