- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784576130729
作品紹介・あらすじ
目覚めたら8年の年月が過ぎていた。交通事故を起こして意識不明になっていた裕真の傍には見慣れない青年・英俊がいた。事故当時、裕真は小学生だった英俊の家庭教師をしていた。事故を起こした裕真の車に同乗していた英俊は、退院後も毎日裕真の許を訪れて世話をしてくれる。自分が彼を巻き込んだのに、こんなにも尽くされる理由はなんなのか。戸惑いながらも英俊の存在を嬉しく感じていたとき、「俺、裕真が好きだ」と告白されて…。
感想・レビュー・書評
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長い長い初恋の話。事故で8年間眠り続けた裕真と、その裕真が目を覚ますのを待ち続けた英俊。知らないうちに周りから「取り残された」裕真も辛かっただろうけど、先が見えない状態で8年過ごした英俊も辛かっただろう。自分の責任だと思っていたのなら、余計に。そんな辛い状況を乗り越えて一緒に過ごせるようになってからの楽しそうな感じは、見ていて幸せな気分になれた。お互いのことを大切に思うが故のすれ違いはあったけれど、ずっと一緒にいて欲しいな。と思った。
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このテの展開嫌いじゃない。むしろ結構好き。
しかし、そして案外BLにあるんだな…。
何度も読み返したいとはいかない感じ。 -
とにかく攻が健気
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すごく素敵なお話でしたね。 罪悪感からくるものなのか?とちょっと思ったりもしたけれど、8年間たぶん自分の気持ちに気づかなかった時期もあるから8年以上も英俊は裕真の事を思っていたっていうのがすごく素敵ですねぇ。
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パッと目を引くような作品ではありませんが、深く考えさせられる話でした。他人事としてではなく、まさに自分に降りかかった出来事のように感じながら読ませるストーリーです。
交通事故を起こしてこん睡状態のまま年月が経ち、奇跡的に目覚めた時には8年の年月が流れていた…という「今浦島」な裕真が主人公。裕真の事故当時の記憶はすっぽり抜け落ちていて、目覚めた時傍らにいた青年が誰なのかもわからなくて。
自分が知らないうちに周りはすっかり変わっていた、ということが自分の身に起きたらパニックになりそうです。小学生だと思っていた英俊が急に20歳の大学生になっていた、姉は結婚して子供を生んでいた、自分は28になっていた…という現実をひとつひとつ受け入れなければいけなかった裕真の心境が胸に迫ります。
それに、記憶喪失だけではなく家族の気持ちや身体機能の回復についても余すところなく描かれていて、思わず感情移入してしまいました。
8年もの間、ずっと裕真を見守り続けてきた英俊の心境も「雲の間」の章で仔細に語られていて、愛する理由にすごく納得しました。
裕真の家庭はあまりにも類型化というか紋切り型の壊れ方で、食傷気味なパターンでしたが、英俊がひと際光っていました。
誰も親身になってくれない子供だった英俊に手を差し伸べた、唯一自分を見放さない大人、それが裕真だったんです。
息苦しく理不尽な幼少時代を過ごして、成長と共に反発することを覚え、そのままならかなりアブナイ方向へ進みかねなかった英俊は、裕真にめぐり逢ったことで軌道修正できたんですよね。とても特別な存在であるのがひしひしと伝わってきました。
ところが、交通事故で一変してしまうのです。
BLというよりも、もっと広い意味での愛情もたっぷり感じられます。
「星の王子さま」のエピソードが良い絡め方になっていて、とても感動しました。「星の王子さま」自体にが好きで、それだけでかなり弱いというのもあるんですが。
裕真のお世話を一生懸命して、時には拗ねたり甘えたりする英俊の大型わんこぶりが微笑ましかったです。英俊に流されたのか?と心配になった裕真ですが、ちゃんと自分の人生を大切に生きようとしていて、前向きで真摯な姿に安心させられました。 -
ユルキュン。