雪の褥に赤い椿 (二見書房 シャレード文庫)

著者 :
  • 二見書房
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本棚登録 : 104
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576131719

作品紹介・あらすじ

父の顔も知らない朝加は真冬の海で母に見捨てられたところを名家の御曹司・矢神に助けられた。それから身の程知らずと知りつつ心密かに矢神を慕う朝加は、せめてもの恩返しに国会議員となった彼の身の回りを世話する秘書になる。けれど朝加にとって夢のような蜜月は、矢神の縁談が決まったことで終わりを告げ-。居場所を失った朝加に残されたのは「裏切り者」としてその身を堕とすことだけで…!?

感想・レビュー・書評

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  • 母親に身体を売られ、その上殺されかけた朝加と、その窮地を救ったダイスケと矢神。この三人の切なくてハラハラする話展開に涙しました。
    えぇ、久しぶりにいい作品読んだと満足です。
    矢神のあほっぽいのに結局朝加を守るのに必死だったり、なかなかの策士だった彼に惚れ惚れとしつつ、彼を守ろうとするのに空回りする朝加にも嫌みなく、切なく感じます。
    結局、二人の想い想われの感情の表現が巧みで、読んでいて飽きることがなく綺麗に描かれておりました。
    イラストレーターの小椋ムクさんの絵もこの作品にあっており、完成度が高いのではないでしょうか。
    うん、いい作品買ったな私♪

  • 切ないね~!こういう健気な受けは大好きなんだけれど、不憫すぎる!これでもかという不幸。 自分の気持ちを隠してずっと献身的に攻を支えるんだけれど、ちょっと方向性を間違っている感はあるんだけれどね。 一体何回死にそうになるんだ~っていう泣き所を作っていただいて満足しました

  • イラスト買いです。なんとなく、控えめな受を想像してたんだけど、ちょっと違いました。
    小学生の頃、ろくでなしの母親と借金取りから逃げるため北陸へやってきた朝加。心中するところを地元の旅館の息子矢神に助けられ、その後再び母は行方をくらませるが、朝加は矢神家で世話になる。
    矢神の議員への立候補を機に朝加はその地元の秘書として働く。しかし、2年半前の選挙で矢神の足を引っ張ってしまった朝加は、その件の黒幕を探り当て、次の選挙で矢神を当選させるため裏取引や危ない橋を渡り、矢神を裏切り続け・・・。
    なかなか気の強い思い切った受だったなぁ。という印象ですね。坊ちゃん議員がバカにされないように手綱を握って、そして彼のために彼を裏切る有能秘書です。
    命を助けてもらった恩を返すためと、自分の恋心で、自分がどうなるかなんて考えない。ただ好きな人のために。そんな愛。空回っちゃいますが。
    矢神なかなかに男前・・・。

  • 思ってたより重いお話だった。ダイスケ大活躍だなー。

  • 金沢の美しい冬景色を舞台に、お互いを思うがゆえのすれ違い身分差愛と好意的にとらえられれば楽しめるのではないでしょうか。
    私は受のキャラが健気さと浅はかさをはき違えているように思えて、なんだか色々…とてもダメでした。
    しっとりとしたムクさん絵は素敵☆

  • 北陸の海辺を舞台にした、幼馴染みへの切なくも純粋な献身愛の物語です。
    こんなメロドラマには泣かされまいと頑張りましたが、結局ボロ泣きしてしまいました…

    国会議員とその秘書として精力的に活動する矢神と朝加。13年間、矢神への思慕を胸の内に隠し続けて、ひたすら彼のことを想って生きてきた朝加。幼い頃、母とともに大阪から流れてきた朝加は、母親から酷い仕打ちを受け、無理心中までさせられようとしていたところを、老舗旅館の御曹司である矢神に助けられ一命を取りとめた過去があります。
    朝加はいつも自分を守ってくれる彼のために生きていこうと、国会議員になった矢神の私設秘書として尽くす決意をします。
    しかし、朝加はその選挙活動の際に、卑劣な妨害行為の犠牲になってしまいその時盗まれた情報のせいで矢神を形勢不利な状況に立たせることに。
    悔やんだ朝加は、何とかして敵の正体を暴こうとするのですが、その矢先に矢神に縁談が持ち上がって。

    ひたすら矢神のことを想う朝加がとても健気で、いじらしくて…
    晃ちゃん、といつもは呼んでるんです。そして、一生懸命になるとつい関西弁がでてしまうところもかわいい!
    子供時代の場面が、もうかわいそうすぎで思わず涙を誘われます。
    母親がものすごい悪女。それなのに、お母さんのことが大好きで大切で、愛してもらいたいと切望している、いたいけな子なんです。
    そして矢神にもまた無償の愛を捧げまくります。矢神は、きっと朝加のそんな健気さに胸を突かれたのだろうと思います。

    矢神は、何不自由ないお坊ちゃまですが、なかなか頭の切れる男ですよね。わかってないふりで、何もかもお見通しなところがあっていい攻。
    頭が良いだけじゃなく、優しさ、思いやりも兼ね備えている男です。
    カッコいいけど、けっこう実はガマンしたりぐるぐるしてたんじゃないかと想像。強気なこといろいろ言ってましたが、朝加が自分の身を案じて離れていってしまいそうになると、あらゆる手段で引き戻すあたりがとても頼もしかったです。

    ダイスケが、とても重要な役割を果たしていてかわいかった!ダイスケは何度も朝加を救っているし、矢神との絆も深めてあげて、とってもお利口。
    2時間ドラマみたいにちゃんと崖シーンが…!
    小椋ムクセンセのイラストがぴったりでした。

    書き下ろしの小冊子。これがまたよかったです。矢神視点で描かれていて、彼の気持ちが滲み出ています。
    かなりボリュームのある内容でした。なぜこれは収録されていなかったのかな?ここまで読んだ方がいろいろ納得できる気がするんですが。
    まぁ、ちょっと本編とは違って、晃ちゃんの心情が素!地が出てるというかなんというか…辛抱たまらん感じがダダ漏れw
    甘々で胸キュンなのに、なぜかニヤニヤしちゃいました。

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