14歳からの哲学入門 「今」を生きるためのテキスト

著者 :
  • 二見書房
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576151144

作品紹介・あらすじ

14歳の頃に訪れる「常識の崩壊」。それを乗り越えるとき、哲学が始まる-200年先の未来を考えるための教科書。

感想・レビュー・書評

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  • 哲学史の歴史的な流れが分かりやすく書かれているため、ストーリーで理解できる。

    A哲学の誕生→A哲学は正しくない、正しいのはB哲学だ→B哲学は正しくない、正しいのはC哲学だ...の繰り返しで発展してきた哲学だが、ポスト構造主義でそのサイクルが止まった。

    サイクルは止まったが、今後の哲学として考えるべきお題が明記されているため、これについて考えてみようと思う。


    以下、メモ
    ■合理主義
    “経験する“ということが成立するためには、“時間と空間という概念“が前提として必要であり、これらの概念が人間の中に最初から存在していなければ、そもそも経験すること自体が不可能である by.カント

    私が認識したもの(私の精神現象)=世界
    つまり、「私は、世界のホントウの姿を正しく認識できているか」などという問題は発生しない by.ヘーゲル

    →私がいて世界を認識しているという認識論の哲学を終わらせた


    ■実存主義
    ※現実存在↔本質存在

    人間は自分の意志を持っており、その意志によって自由に自分の本質を決めることができる。人間とは、そのような素晴らしい特別な存在だ。

    実存は本質に先立つ
    アンガージュマン:人生に意味はない、しかし、だからこそ、あえて自分から社会に積極的に参加しよう
    by.サルトル
    →パリの五月革命に繋がる


    ■構造主義
    無意識を発見 by.フロイト

    人間は、自分で思うほど自分で考えていなかった by.レヴィ・ストロース

    個を見るより多を見て、それらを成立させている根本の構造を見出そう。そうしたほうが、より対象を深くしることができる。
    →多を比較して、そこに隠されている共通の構造、普遍的な構造を見つけ出そう。言語=思考だから、言語の構造を取り出そう。

    言語の意味とは、その使用である(言葉の意味は無根拠なルールによって決まっている) by.ウィトゲンシュタイン
    →言語が無根拠なルールによって決まっている以上、どんなに思索を重ねても、人間は普遍的で客観的な答え(意味)にたどり着くことはできない。


    ■ポスト構造主義
    真理批判主義、反哲学主義

    脱構築 by.デリダ
    1.テキストの内部から批判せよ
    2.テキストの前提となっている対立構造(二項対立)を見つけ出し、解体せよ   

    資本主義社会は、すでに生産時代を終えて消費時代に移っており、しかも記号を消費する時代になったから破綻しないのだ by.ボードリヤール


    ■これからの哲学
    (昔)生活に必要なものを作りたい→仕事をする
    (今)とにかくお金をグルグル回したい→仕事をする
    by.ケインズ

    労働には価値があり、人間は働いて当たり前という常識が崩壊したとき、その崩壊をどう乗り越えるべきか?

    最大限の暇が得られたとしたら、その暇をどう活用してどのように幸福にいきていけばよいのか?

  • 色々痺れるけどやっぱ最後の章がいいなー。「お話にならない」って感じで今の時代を跳躍していく力。いい!

  • 久しぶりに読み返した本。14歳というだけあって、どこか中二病的というか、哲学がそういうものだからかもしれないけれど。でもその感じが心地よかった。
    実存主義の部分を読んでいて、なんとなく欅坂っぽさを感じた。自分の本質は自分で決める!みたいな。でもポスト構造主義から言わせれば、それもそういう事を言いたい人用の記号でしかないのか……ポスト構造主義辛い……
    この本を入り口として、もっと勉強したい。色々な本から言葉や考えを習得して、都合よく使っていきたい。

  • 難解な哲学史を楽しくわかりやすく解説するだけでなくそれをストーリーとして語り、最後にこれからの哲学の展望を語る。ここまで哲学の世界に引き込ませるのは飲茶さんにしかできないと思う。入門書を越えた哲学入門書。

  • さすがの飲茶。安定の飲茶。

  • 「14歳からの哲学入門」これもまためっちゃ面白かった「史上最強の哲学入門」でもっと知りたい!と思った近年の哲学をさらに詳しく、わかりやすく読みやすく面白く解説、最後に「哲学は死んだ」として著書からの現代に生きる若者への想いが激アツ。著書の大ファンになりました。もっと読みたい!著書によるもっと掘り下げた近年哲学者の思想解説を読んでみたいのもあるけど、この飲茶さんの哲学書も読んでみたい(*^^*)
    様々な哲学者によって培われてきた哲学を学び、それを現代の我々が乗り越えていこうという前向きなメッセージに元気が出るし刺激をもらえた。

  • 夫から借りて読んだ本。
    この著者の本は他にも読んでいて、文体は読みやすかったけど、今回はずっと注釈を読んでいるような気分で読み進めづらかった。
    ただ半分読み終えた辺りからは無理に何かを得ようとするのを辞めた結果、わりとサクサク進められるようになった気がする。
    元々哲学に興味がとてもあるわけではなかったので、へぇって感じだったけど、一つ一つの主張についてはふんわり感じていた色んな考え方を言語化された気がして少しすっきりした。

  • キリスト教の権威が失墜し、人々は神に頼らず、自分達の理性で物事を考え始めた。そこで、人間が認識できる範囲はそもそもどこからなのかを考えたのが、デカルトやカントといった近代哲学者だった。彼らの主張は合理主義と言われる。
    合理主義的は、人間の性質を抽象化したものである。でも個人個人の思考はそんな簡単に一括りできないだろう、現実をもっと重視しよう。そんな実存主義が、キルケゴールやサルトルらによって広まった。
    その後、人間の思考は、属する社会や文化によって異なる「構造」によって決まってしまう。だから、どんな構造があるのか考えようという、ウィトゲンシュタインらによる構造主義が現れる。
    構造主義のあとは、反哲学主義。デリダは構築なんて解釈次第でなんとでも捉えられるという脱構築を主張した。
    そして、いま。新しい哲学はもう現れないという。ボードリヤール曰く「哲学は死んだ」。だが、偉大な哲学者達は、現状の常識では思いもつかない考え方を編み出しできた。哲学は死んだ。そんなこと知るかとばかりに新しい常識を生み出す人物は現れるのか?否、常に常識を疑い続けよう。そうすることでなにか見えてきそうなものだ。

  • 難解な部分を取り払って、哲学を14歳レベルの極端で幼稚な発想として解説する哲学書

    「史上最強の哲学入門」は西洋哲学の全体的な流れであったが、
    本書は、合理主義、実存主義、構造主義、ポスト構造主義、これからといった部分にフォーカスを当てている。

  • 本当にわかりやすくて深い!おすすめです!

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著者プロフィール

東北大学大学院修了。会社経営者。哲学や科学などハードルの高いジャンルの知識を、楽しくわかりやすく解説したブログを立ち上げ人気となる。著書に『史上最強の哲学入門』『14歳からの哲学入門』などがある。

「2020年 『「最強!」のニーチェ入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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