恋する弟子の節約術 (二見サラ文庫)

著者 :
  • 二見書房
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本棚登録 : 19
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576201009

作品紹介・あらすじ

幸と不幸が目まぐるしく訪れる体質の文緒。幼き日に出会った「魔法使い」の青年・宗隆と再会し押しかけ弟子となるが収支は火の車で!?

感想・レビュー・書評

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  • 伏線の張り方が凄かった。
    確かに冒頭に「全て想定内」と言ってはいたが、主人公は分かっていたんだなと。
    初恋相手が何故主人公のことを思い出せなかったのか、主人公が極端に多くを望まない理由などなど、段々と明かされる秘密に「ああ、だからこういう書き方していたんだな」と後からびっくりさせられること多数。
    構成がうまい。

    幻香師という職業も細やかに練られていて、素敵な職業に思えた。
    実際はクレームも多いのだろうが。
    自分が実際に身に着けているお守りの力を信じてみたい、そんな気にさせてくれる話だった。
    そう、主人公が彼のことを「魔法使い」だと信じてきていたから、彼も救われたことが多々あった。
    信じる力は、こちらが思っているより遥かに強大な力になるのだろう。

    一つ一つのエピソードも本当にしっかり練られていて、どれも印象的。
    そんな中、柊木なる人物の活躍が少ないなと思っていたら、最後の最後でやらかしてくれて「やっぱりな」と無駄のない人物配置に拍手。
    こいつがまた平気で嘘を吐くえげつない野郎だったという。
    利用するものは利用して、不必要になったらポイ捨て。
    うん、でもこういうキャラがいてこそ、あの展開があってこそ、ヒーローの活躍が目立つ。

    主人公が抱えていた最大の悩み。
    それを解決するのはヒーローの純粋なる願いだったのが感動的で思わず泣けた。
    「頼む、信じてくれ。魔法にかかってくれ」
    この言葉で涙腺が大決壊。
    ここまで彼が積み重ねてきたものがあったから余計にぐっと来た。
    その魔法にかかった場面がまた非常に美しくて幻想的で綺麗で、とにかく印象的。
    あのシーンを拝めただけでも読んだ甲斐はある。

    だだ漏れだった恋心には決着がつかなかったが、主人公の幻香師の弟子としての修行はこれからも続く。
    目指せ、稀代の幻香師!
    これまで我慢してきた分、思う存分自分の幸せを願ってくれと切に思う。

    この主人公、貧乏暮らしが長いせいで非常に逞しい。
    オオバコもタンポポも彼女にかかれば立派な食材になる。
    節約、野草料理はお手の物。
    家事は無論バリバリこなす。
    いい嫁になるぞ、これは。
    金銭感覚麻痺しているお坊ちゃまなヒーローにはぴったりな相手だ。
    末永くお幸せに、というのは早い祝福だろうか。

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著者プロフィール

青谷真未 (あおや まみ)
『鹿乃江さんの左手』で第二回ポプラ社小説新人賞・特別賞を受賞し、同作でデビュー。
著作に『鬼の当主にお嫁入り ~管狐と村の調停お手伝いします~』『読書嫌いのための図書室案内』などがある。

「2020年 『恋する弟子の節約術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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