みんな蛍を殺したかった

著者 :
  • 二見書房
3.59
  • (13)
  • (13)
  • (30)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 482
感想 : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576211015

作品紹介・あらすじ

R-18大賞受賞者である木爾チレンが原点に立ち戻り、少女たちの心の中にすくう澱みを映し出した著者渾身の書き下ろしミステリ!

2007年、京都にある私立女子高校に東京から美しく可憐な少女・七瀬蛍が転校してきた。
そんな中、大川桜、五十嵐雪、猫井栞と、それぞれ耽溺する世界をもつオタクが集う生物部に、蛍は入部してきた。
スクールカーストで底辺とされていた三人と心を通じ合わせるかのように、蛍は「私もね、オタクなの」と告白する。
四人はメールを頻繁にやりとりするようになったが、そんな中、悲劇が起きてしまう――。
そして、現在悲劇の歪みが連鎖する。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み

  • みんな蛍を殺したかった
    木爾チレン(きなちれん)さん


    ある日、蛍という名の美しい少女が
    転校生としてやってくる。

    彼女はオタクが集まる部活に入るが、
    部員たちは蛍を訝しげ思いながらも
    その美しさに戸惑いながらも、かつて
    感じたことのない居場所を見出していく。

    スクールカーストと心に巣食う嫉妬や
    憎しみ、そして愛情の渇望の物語。

  • 読む手が止まらなかった。
    電車に轢かれてバラバラになってしまった七瀬蛍、その携帯画面に残っていた「永遠の親友へ 私を殺してくれて、ありがとう」という未送信のメール。
    冒頭から一転、物語は蛍が女子校に転校してきたところから始まる。オタク女子三人が集う生物部に入部してきた、「勝ち組」の権化のように美しい蛍は、それぞれに対して好意的に接してくれる。三人はそれぞれ苦悩を抱えている。母親が死んだ双子の姉の分までご飯を食べさせ自分を見てくれなかったり、有名小説家の母に顔を焼かれてうまく話せないため常にマスクをつけそれでも小説を書いていたり、ゲーム世界でできたコイビトに自分の本当の姿を知られたくなかったり。
    蛍と関わることで彼女たちの世界は少しずつ変わる。そして――。
    蛍の死が実はそういうことだったのか、そことそこがつながっていたのか、と驚く終盤で、やるせなさの中に蛍の光のようなわずかな光明が見えたラストだった。

  • 読む手をとめられなかった。

    オタクという存在が虐げられ、嘲笑の対象となっているのが如何にも2007年ぽいなと感じた。

    誰も幸せになれないところが悲しい。

    いや、唯一栞だけは幸せだったのかな。

  • ある美少女、蛍が転校してきて、なぜか生物部の3人の冴えないオタク達と仲良くする。蛍の行動に訳はあるか、ないか。しかしある日、蛍は死んでしまう。うん、なんと言うか、みんなオカシイ(笑) でも、みんなただ愛され愛したかった。その歯車がうまくいかない。正直、どうすればみんな救われたのか。ほんと、親が悪いよ、なんとかせーよって思う。

  • カースト底辺で生きるオタク女子達と美少女転校生『蛍』
    女子同士が絡む独特の本音と建前、深まる謎に高揚し、ラスト一文にはしてやられました。
    辛い現実や環境から逃避し、違う世界に没頭するしかなかったオタク達のアイデンティティと、自分に無い美への強い憧れをもつ虚しい気持ちがとても共感できた。
    ミステリとしても秀逸。

  • 何故、この本自体がこんなにも「オタク」というものに過剰に反応するのかずっと疑問でした。
    けど、後に意味が分かりました。
    まず、思ったのは誰も幸せになれなかった物語でした。
    最後の実の父に汚らしいと言ったところ、私は最高に好きでした。結局は顔なのかと、

  • 表紙とあらすじに惹かれて購入しました!蛍ちゃんにはやっぱり憧れちゃいます。デュビアを飼ってることが衝撃でしたが笑。あと、自分も蛍ちゃんの妹と同じようなことを親にしてしまう時あるから自分の行動を見直そうと思えました。ラストは切なかった。でも個人的にはもうちょっと捻りが欲しかったかなという印象でした。

  • 物語が面白くて一晩で読んだ。
    最初から胡散臭さがあった蛍の本性とオタクたちの愛憎?が生々しい。

  • 転校してきた可愛い女の子の「蛍」を同じオタクと思い仲良くしていた生物部の3人が「蛍」を亡くしてしまったことによって〜みたいな感じかなと思っていたら大違いでした笑
    女の子というかこの世代ならではの悩みとかが凄い気持ち悪く書かれてて読んでて面白かったです。
    蛍と栞が入れ替わっていたり、栞が亡くなったあとの雪と桜の生活も書かれていて大人になった後でも蛍に憧れという名の恐怖を抱いていたり幼い頃の夢を捨てきれていなかったんだなと感じました。

    ページ数もそんなに多くはないし内容的にも読みやすいと思います!

  • 女子校を舞台にしたイヤミスと分類できるかな。どう話が転がっていくのか、先が気になり一気読み。面白い作品でした。

    以前「花子」のお話を読んだときは綺麗な心を見た気がしたのだけど、今回の作品はストレートに女子の悪意が描かれているように感じた。様々登場人物の背景や出来事はあるのだけど、抱く悪意自体非常にストレート。若者が抱く感情はもっと複雑で、理解もできないものかと思っているのだけど、案外そうでもないのかもしれないですね。

全29件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

木爾チレン( きなちれん)
1987年生まれ。京都府出身。京都府在住。
大学在学中に応募した短編小説「溶けたらしぼんだ。」で、新潮社「第9回女による女のためのR-18文学賞」優秀賞を受賞。
美しい少女の失恋と成長を描いた『静電気と、未夜子の無意識。』(幻冬舎)でデビュー。
その後、少女の心の機微を大切に、多岐にわたるジャンルで執筆し、作品表現の幅を広げる。
近著に、引きこもりの少女の部屋と京都が舞台の恋愛ミステリ『これは花子による花子の為の花物語』(宝島社)がある。

「2021年 『みんな蛍を殺したかった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

木爾チレンの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ツイートする
×