L.A.で蝶が死ぬ時 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

制作 : 石田 善彦 
  • 二見書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (481ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576871271

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  • ロサンジェルスの私立探偵ホイスラーを主人公とする三部作の第1作。ハードボイルドの定式におさまらないオフビートの魅力に溢れた作品で、ハリウッドの最下層、女優の卵や未成年者を食い物にする裏社会の無惨な暴力の実態を描き出す。

    事務所を持たないホイスラーは、読書家である〝街角の哲学者〟ボスコの営むコーヒー・バーに入り浸る。そこには市警未成年者風紀取締課の刑事カナーンも集い、下劣なテレビ俳優が自動車事故で引き起こした残虐な事件の隠蔽について折に触れて意見を交わし、見返りを求めない援護をする。この三者のやり取りが実に味わい深く、熱く議論する訳でもなく皮肉を交じえつつ、坦々と眼前にある問題を提示し、次に何を為すべきかを確認し合うだけなのだが、固い友情で結ばれた彼らの情景がなんともいえない深みを本作にもたらしている。

    弱音を吐きつつも報酬の見込みのない殺人事件の真相を追求するホイスラーの闘いは、闇の世界に生きるヒーローとしての正義感に満ち、冷血な敵に立ち向かうさまは、時に感動的ですらある。

    変則的ではあるが、新しいハードボイルド(ノワール)のスタイルを築いた傑作だ。

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著者プロフィール

ロバート キャンベル Robert Campbell
日本文学研究者。国文学研究資料館館長。東京大学名誉教授。
ニューヨーク市生まれ。カリフォルニア大学バークレー校卒業。ハーバード大学大学院東アジア言語文化学科博士課程修了、文学博士。1985年に九州大学文学部研究生として来日。専門は近世・近代日本文学。とくに江戸後期~明治前半の漢文学に関連の深い文芸ジャンル、芸術、メディア、思想などに関心を寄せている。著書には『Jブンガク 英語で出会い、日本語を味わう名作50』(編集、東京大学出版会)、『ロバート キャンベルの小説家神髄 現代作家6人との対話』(編著、NHK出版)、『東京百年物語』1~3(編集、岩波文庫)などがある。

「2019年 『井上陽水英訳詞集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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