二度殺せるなら (二見文庫 ハ 7-1 ザ・ミステリ・コレクション)

  • 二見書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576990040

感想・レビュー・書評

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  • ロマサスの女王、リンダ・ハワード。
    中でもサスペンス色の強い作品、さすがです。

    カレンの父親は長年、消息を絶っていた。
    ニューオーリンズで遺体が発見され、カレンは現地にやってくる。
    担当する刑事マークは、ホームレスのように見えた遺体が、家族がいるのに冷たく見捨てられたのかと最初誤解を抱いてしまう。
    冷静に見えたカレンの手が震えていることに気づき、まったく違うことがわかって、今度は惚れ込んでいく。

    カレンの父親は元軍人で、家族を捨てて放浪し、それでも母親はたまに帰ってくる父親を喜んで迎えていたのです。
    同意は出来ないが母親の気持ちを尊重してきたカレン。
    その母親も少し前に喪ったばかりだった…
    親切にしてくれるマークと恋に落ちるが、あまりにも急な展開に、はっとして家に逃げ帰ることに。

    ところが何者かに命を狙われ、ニューオーリンズに戻ってくるしかなくなる。
    刑事のマークは南部の歴史ある街に住み、育ちがよく物腰が柔らかないい男で、カレンを守りつつ事件に取り組むのだった。

    事件はハードな方で、マークは有能な刑事だけど超人的に強いというのではない。
    カレンは看護婦のキャリアはあるが、こちらは腕が立つわけでもない普通の女性。そんなヒロインの芯の強さが魅力的でした。
    それぞれの良さと、だから惹かれ合う、ところに説得力があります。

  • 長年行方を絶っていた父親が殺された。
    看護師カレンは現地に向かい、担当のマーク刑事に出逢う。
    父を殺した犯人が次に狙うのはカレンだった。

    うん、面白かったと思う。
    マークが、最初カレンの父親について「面倒を見られる家族がいるのに、捨てられたのではないか」という考えに至ったのが、どうなのかなと。
    マークは自分が優秀な刑事であると自負してるけど、優秀な刑事は、先入観を持って物事を見ないし、何も決めつけたりしないと思ってるので、カレンに対して冷ややかなイメージを持って接するのはどうかと思った。
    何も聞いてないし、どんな事情があったのかも判ってないのに、裁いてしまってるのはなぁ…。

    まぁ、スグに気づいて態度を改めるんだけど、カレンが二人で夜を過ごした翌日に、怯えて逃げ出してしまった原因のひとつになってるのは、うまい伏線だなと思う。

    マークはすごく女の扱いになれてるんだろうなーって感じ。
    あんな風に素敵な家に住んで、素敵な服を着て素敵な声で話して、何でもかゆいところに手が届くような扱いをしてもらったら、女はもううっとりするしかないよな。
    手作りのペストリーだの何だの面倒見てくれる、たくさんの女友達たちが、1人もカレンがいる間に姿を見せたり連絡取ってきたりしなかったのは奇跡かな。
    マークはカレンが逃げ出すまで、何考えてるんだかいまいち判りづらい人で、素敵は素敵だけどのめり込めなかったな。
    カレンはマークに色々話したけど、マークはほとんど自分の話してないもんね。
    ただ側にいて、支えて優しくして、面倒見て、将来の話とか自分が人生に求めてるものの話とかもしないまま、セックスにスムーズに持ち込んだ。
    カレンじゃなくても、逃げ出すかもね。

    逃げ出されてからのマークは、やっと血の通った男らしく感情がよく見えるようになって、それからは良かったかな。
    「青い瞳の狼」のジョンが出てきてるのも興味深かった。

    ☆は4つ。

  • サスペンス色がとても強く、血なまぐささの強烈な作品。その中に織りこまれている要素のひとつにヒロインの器の深さが私には印象的だった。いつだったかフットボールの著名なプレイヤーが彼の所属するサポーター、あるいはチームの人間性に対して言及するときあちらの人間は"器が違う"とはっきり名言していたことを思い出すが、ハーレクインなどのロマンスものを読んでいるとやはりそういう人間性に関する容量の違いを感じてしまう。この作中のヒロインは父親に関する母親との意見の齟齬があってもそれを無闇に母に押し付けたりせず、母親の彼女の夫に対する純潔さを心から尊び、彼女が逝去してからも自分の父親に対する気持ちは脇に遣って母の思いを尊重しよう、とする徹底した姿勢には感服した。その父親に対しても本当は自分も彼を深く愛していたのだと自覚する勇気や強さもある。一度はヒーローの元を逃げ出したものの再び邂逅する豪胆さもあるし、やはり血は争えない、という父から受け継いだDNAの記憶、みたいな描写には、こんなに疎遠であっても切っても切れない親子間の絆を感じさせられたし、それを煩わしく思う素振りも見せずに自然に受け入れてしまうヒロインの心象の強靭さはまったく敬服モノ。ヒーローは文句無いほどに有能だし、なんといっても由緒正しきクレオールの人間のためかガツガツした感じが一切無い。ヒーローとヒロインの人間性も格段に魅力的だが周囲も同じくらい魅力的で、そのせいか、内容自体は本当に血なまぐさいがそれが少し緩和されている気がする。一番心引かれたのはヒーローが扱った虐待親子の惨憺たる事件だった。メインの犯罪があるものの、誘発的に起こったものや、そのほかの雑多な事件なども描かれていて、本当に面白かった。もちろんリンダ作品なので二人の睦まじさは心くすぐられるほどホット。

  • 家を出た狙撃手の父親が死んだと連絡を受け、看護師ヒロインが刑事ヒーローにあうも、父親が政治家から日の兄を殺して欲しいと依頼された事を記載したノートをヒロインに送り届けていたことにより、命を狙われる。
    んー…ロマンスも両親を亡くして弱ってるところで恋に落ちたり、そこを狙ってるヒーローも攻めはしないけど、なんだかホットなシーンもいらないんじゃとか、CIAは絡まなくても話し進んだんじゃとか、最後まで読んだけれど、正直楽しくなかった。

  • 刑事のヒーローがえらくいい男で格好いい。天涯孤独な看護師ヒロインと大変お似合い。ミステリとしても面白かった。ただ「先に着けておく」作戦は、用意良すぎて正直どうかと思った。

  • H/Hの心情がよく書かれていて良かった。
    ただ青い瞳の狼の ヒーローか出てきてそっちが気になった。

  • お互いが会ってまもなく強烈に惹かれてベッドインまでの展開が速いような気もしましたが、まぁそうでなくちゃロマンス小説じゃないのかな。でも今まで一人で強がってきたヒロインなんだからもうちょっと焦らしてヒーローをいらいらさせてくれてもよかったなぁ~なんて。この二人のその後は「青い瞳の狼」でチラリと出てきます。

  • 刑事×しっかり者看護師
    ヒーローとヒロインに好感が持てる。そして舞台のニューオリンズが魅力的に見える。それだけで大満足。

  • まま面白かったけど、1回読めば十分かな。

  • 購入済み

    内容(「BOOK」データベースより)
    長年行方を絶っていた父親がニューオーリンズで何者かに射殺された!知らせを受けた看護婦カレンはすぐさま現地に向かう。父親は元軍人で、ベトナムから復員後なぜか家族を捨てていた。変わり果てた父の姿に涙するカレンは、担当の刑事マークに優しく慰められる。が、射殺事件の黒幕が次に狙うのはカレンだった。果たして何のために?愛と陰謀が交錯する全米ベストセラーのサスペンス。

    Kill and Tell by Linda Howard

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