チリンのすず (フレーベルのえほん 27)

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本棚登録 : 269
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (31ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784577003275

感想・レビュー・書評

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  • 子供の頃、確か学校からもらった割引券だったと思いますが、めったに連れて行ってもらわなかったマンガ映画だ!わ~い!と思って見たのが「チリンの鈴」でした。
    映画の絵は全然違うんですが、どちらもチリンがかわいらしく、よわよわしいだけに、こどものみならず大人でさえも油断してしまうでしょう。
    その後の展開がかなりショックで重いものです。

    今の子供はアンパンマンでおなじみの作者ですから、その衝撃たるや幼いころの私の比ではないと思います。

    あっさりした文章ですが、読み聞かせは高学年の方がいいでしょう。

  • ひつじのチリンは首にチリンとなる鈴をつけていた。
    チリンはお母さんと一緒に住んでいたが、あるとき、オオカミのウォーに襲われ、お母さんはチリンを守って死んでしまった。
    チリンはオオカミの住む山に行き、自分もオオカミみたいになりたいから、弟子にしてくれと頼む。
    今までそう言われたことのなかったウォーは照れくさくなり、チリンを弟子にした。
    ひつじがオオカミになれるはずもない。
    なかなか、ウォーのようにななれなかったが、チリンには徐々に角が生え、キバが生え、けだものになっていった。
    2匹の恐ろしさはあたりに広まり、チリンの鈴の音が聞こえるだけで動物たちは怖がるようになった。
    そうして、嵐の中、ひつじたちの棲み処を襲うことになった。
    ところが、ウォーの胸を何かが貫いた。
    それはチリンの角であった。
    チリンは自分はウォーにお母さんを殺された、復讐するためにウォーに弟子入りし、ずっとこの時を待っていたと言う。
    ウォーはいつかこうなる気がしていた、チリンになら殺されてもいい、と言う。
    ウォーが死んでから、チリンはウォーはお父さんであり友達であったことに気が付くのだった。
    そして、チリンはもうひつじはないのだった…。

    まさか復讐のためだったとは。
    チリンがもっと早くに気付いてもどうしようもなかったろう。
    報われないし、寂しい。

  • 川越市立美術館でやっている、やなせたかしの世界展に行ってきました。

    読み聞かせの時間があって、大きい本で読んでいただいたんですが、迫力があって、三歳の娘も私も身じろぎもせず聞き入ってしまいました。

    三歳の娘には難しかったと思いますが、弟子入りのときのチリンの笑顔やひつじではない姿になってしまった事、チリンの気持ちの変化など娘がどう思っているか話せるようになった頃また読みたいと思います。

  • 悲しい絵本。復讐の行き先を考えさせます。

    アンパンマンでおなじみのやなせさんの作品内で
    異色かもしれないけれど
    こういうほうがずんと重く感じて、読んでよかったです。
    アンパンマンが苦手という方に、やなせさんの魅力を伝えるにはおすすめ。

  • ある夜のこと、オオカミのウォーにひつじのまきばが襲われた。
    こひつじのチリンのおかあさんは、チリンを庇って死んでしまう。
    チリンは強いけものになるため、ウォーに弟子入りするが…。
    『あんぱんまん』のやなせたかしによる絵本。


    可愛らしい表紙とは裏腹のシリアスな復讐憚。
    母も父も無くし、ひつじでもオオカミでもない「ものすごいけもの」になったチリンの姿は壮絶。
    見返しのチリンがとても可愛らしいだけに、その落差がひどく刺さる。
    恨みと復讐のやるせなさをひしひしと感じた。

    文を見なくとも絵だけで話の流れがわかる構成はさすが。
    しかし、果たしてこれを子どもに渡したものかどうか。
    こういう話に引き付けられる子もいるとは思うが、自ら持ってきた場合以外はあまりオススメできない。
    大人向けの絵本としたい。

  • 復讐心のむなしさを、このようなかたちで表現されたやなせたかしさんに脱帽です。児童文学の金字塔です。

  • オオカミに母親を殺された子羊のチリンがとった行動とは。
    予想を裏切るリアルなラストにぐっときます。
    表現が直截的(死ねとか)なので高学年向きかと。
    読み終わるとシーンとしてしまいます。
    それがいいかどうか…場の雰囲気を把握できている場合はOKかと思います。
    8分ほど。

  • 近年「あらしの夜に」が流行ったけど、
    それよりも遥かかなた昔に、こんなお話があった。

    もしかしたら狼は、弱い物を蝕まなければ
    自分が生きていけないことを心のどこかで
    呪っていたのかもしれない。

    私たちは、生きるために生まれて来た。
    どれほど大きな傷を背負っていたって、
    「それでも生きて行くこと」の大切さが 心に残っている。
    チリンはきっと弱者と強者、両方の傷みの分かる
    オトナになるのだろう。弱いけど強い、強いけど本当は弱い、
    たぶん、そんなお話。

  • やなせたかしの隠れた名作?
    タイトルと表紙からはおよそ想像のつかない壮絶なストーリーに言葉を失います。

  • 2010/10/19 5-1

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著者プロフィール

やなせたかし
1919年生まれ、高知県出身。百貨店宣伝部にグラフィックデザイナーとして勤務の後、漫画家・絵本作家として活動を始める。絵本の作品に『やさしいライオン』『チリンのすず』『あんぱんまん』(フレーベル館)など多数。2013年永眠。

「2019年 『アンパンマンと もぐりん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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