なっちゃう (創作どうわライブラリー 8)

著者 : 佐野美津男

• フレーベル館 (1992年12月1日発売)

感想・レビュー・書評

[郁さんの感想 · 2022年5月2日]

なっちゃうくんとなっちゃうちゃんが大活躍する壮大なスケールのヘンテコなハートフル変身譚。佐野美津男作品の中では比較的ソフトなタッチで読みやすかった。四本足のにわとり（こどもの発想って常識の斜め上を行く）、机の脚にされた望遠鏡（誰かの横暴な陰謀だ）、にゃうん・にゃうん・にゃうんとオルゴールを鳴らす猫捕り自動車（不吉に響いて猫が逃げ出すぞ）。うそじゃない、ほんとだよ、と言われてもにわかには信じがたい出来事ばかり起きるのはいつもの佐野作品だなあ。
長新太の抽象的な挿絵が訳のわからない事態をますます混迷させている。