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- Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
- / ISBN・EAN: 9784578100867
作品紹介・あらすじ
創成期の「議会」を舞台に、明治天皇・伊藤博文・山県有朋・井上毅・谷干城・金子堅太郎・伊東巳代治・松方正義・中江兆民らが織りなす緊張の人間ドラマ。
感想・レビュー・書評
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帝国議会の開始までと第一議会をめぐって、山県・伊藤ら政治家が何を考えて議会運営をしていたかについて記した一書。ただ本書の特色はそれとともに、第一章に「幕末人にとっての「議会」」という章を設け、近世からの延長線上に帝国議会を位置づけているところにも特徴がある。尾佐竹猛・稲田正次らの議会制度史の観点を受け継いでいる、といえるだろう。
特に22頁から紹介されている「藩論」という史料は個人的に大変興味深い。「夫れ世人、衆に擢て言を発き事を行はんと欲すれば、必らず衆の視撃を受け、言或は理ありと雖ども容られず、事或は利ありと雖ども許されず」というのは近世の「討論」のありようをうかがわせる点で、貴重である。
ただ、その第一章とそれ以降の章がうまく橋渡しできているかというと、少々疑問である。というのも、第一章は議会制度史的な観点でありながら、二章以降は政治過程史的となり、方法論が異なっているように思えるからである。この違いが読んでいて気になった。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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