雑誌の人格

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  • 文化出版局
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  • Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784579304455

感想・レビュー・書評

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  • 数多ある雑誌から毎回一誌をピックアップし、そこから読者像を独断と偏見で想像し、分析した「装苑」人気の連載「雑誌の人格」。いや~~~さすが能町さんらしい目の付けどころ!!!最初は蛍光色を多用したページに目がチカチカしたけど、次第にPOPに感じられるように。
    俎上に載せられた雑誌は、“小悪魔ageha”、“美的”、“nicola”、“ポポロ”、“LEON”などなど、ティーン誌から男性誌まで幅広い。たとえば“VERY”なんて、「千葉県浦安市在住の専業主婦35歳、家族という基盤を大事にする『ママ』文化の中心的存在、セレブに憧れつつ、下世話さも捨てきれない」といった感じで、設定が細かい上に的確!!隅々まで「雑誌あるある」が溢れています。雑誌によっては、編集側が設定している読者層より、実際の購買層は若いのではないかといった鋭い指摘も。チョイ上の世界に憧れるといった意味で、確かにそうかも…と激しく同意。
    目次の雑誌ロゴが能町さんの手描きというのもツボでした。
    最近の雑誌業界は売上げ的にも厳しく、休刊も相次ぎ、付録頼りな状況ではあるけど…何とかそういった閉塞感を打破し、生きのいい雑誌が出てきてくれないかなと、一「雑誌好き」人間として思うわけです。本書を読んで、結構面白い雑誌が色々あるじゃないかと再発見できてよかったよ。

  • おもしろい
    暇潰しに最高
    暇潰しのわりによくできてて芸術性を感じる結晶のようです。

  • それぞれの雑誌の読者に対する愛情が優しい...

    読み応えあります

  • 恐るべし観察眼。それぞれの雑誌を読んでる読者像を細かく描き、思わずくすっとしてしまう。そして納得。雑誌はまだまだ面白い。

  • 初めて行った美容院のアンケートに、「よく読む雑誌は?」という項目が設けられていることが多々ある。
    「好みのヘアスタイルは?」という項目には一切答えずとも、スペースに書ききれない程雑誌名を記入する。

    “Seventeenから文藝春秋”までを自負するくらい幅広く雑誌を読むのが好きなのだが、何故好きなのかについての気付きを与えてくれる本であった。

    当然雑誌はターゲットが最も細分化されたメディアであるが故に、複数の雑誌を読むことで知識が蓄えられ、見識も広まる。
    また、その情報は広く浅いものばかりではなく、ターゲットとされる読者でなければ得られない狭く深い情報も多い。
    それが、心地良い。

    とか何とか言って、結局は純粋に面白かった。
    能町みね子さんのイラストが、あまりに秀逸である。
    また、将来は『OCEANS』を読むようなイケてる父親になりたい、という青写真も描くことが出来た。

  • なるほど〜と納得感ばっちり。中には「コレ、あの人だ!」と知人に重なる雑誌人格もいておもしろかった。
    しかし能町さんの本にしては、辛口の度合いが低いように感じたのはちょっと物足りないか(笑)
    コズフィッシュの装丁は超ポップで面白い。

    あんまり自分は雑誌を読まないけれど、自分とかぶるようなキャラ設定の雑誌があったら読みたいな…と思って探したけれど無かった。

  • 雑誌のイメージから人だったらこんな人物だろうと
    次々にいろんな雑誌を人にしていきます。
    知らない雑誌をこんな風に紹介されたら
    本当に分かりやすく
    知っている雑誌は、あるある!とうなずける
    面白いのでもっと他の雑誌もやって欲しいです。

  • 2013年1月初版
    能町みね子著
    ==

    いろいろな雑誌の読者を”人格”として捉え、面白おかしくシニカルに、しかし的確に描いた装苑人気連載の書籍化本。

    さすがという、切り込み方で。
    よく見てるなあという感心の一言です。
    ちゃんと読んだことのない雑誌もたくさん出てきたんだけど、
    それも、この本を読んだことを持って改めて
    読まねばという感じです。

    やっぱり雑誌はセグメントされた人の”欲の写し鏡”で
    媒体価値としての存在としてとらえておしまい、ということでなく文化的な側面からもちゃんと読んでいかないと、脳が細るなと思いましたし、そこには”編集”というすさまじく宇宙な特殊能力となによりも偏愛が詰まっているなと、嬉しくなったわけです。

    オススメの一冊。

  • 実は本書の内容は雑誌掲載時にほとんどを読んでいました(その事実にも驚き!!)が、単行本化されて一気に読み返すとやっぱり面白かった~。ここまでくると一つの文化史研究なのでは…是非とも連載を続けて頂きたい!!勿論装丁も素晴らしいです~

  • 「雑誌の示す世界観と、その読者との間には乖離がある」。そんな誰しも分ってはいる事実を、鋭い視点からえぐりとり、エンタメ化した一冊。
    もちろん、あくまでエンタメなので、鵜呑みはキケンなものの、雑誌広告の仕事をしている方にはオススメの一冊。

著者プロフィール

北海道出身、茨城県育ち。文章やイラストの仕事のほうが多い漫画家。他称好角家。雑誌やネット媒体でコラムなどの連載多数。2006年、イラストエッセイ『オカマだけどOLやってます。』(竹書房)でデビュー。著書に『くすぶれ!モテない系』(文春文庫)、『ドリカム層とモテない系』(ブックマン社)、『逃北〜つかれた時は北へ逃げます』(文春文庫)、『「能町みね子のときめきデートスポット」略して能スポ』(講談社文庫)、『雑誌の人格 2冊目』(文化出版局)、『うっかり鉄道』(幻冬者文庫)など。『「能町みね子のときめきサッカーうどんサポーター」、略して能スポ』(講談社文庫)がサッカー本大賞2017の大賞を受賞。ラジオやテレビなどでも活躍している。

「2018年 『中野の森BAND』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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