ぼくのおじさん (世界の傑作絵本A)

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  • Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784579400966

作品紹介・あらすじ

両親が行方不明になった象の男の子をなぐさめに、年とったおじさんが訪ねてきました。楽しいことをいっぱい知っている、すてきなおじさん!

感想・レビュー・書評

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  • 古い映画に「ぼくの伯父さん」というのがあったけど、こちらはローベルさんの作品。
    どちらかと言えば大人向けで、小さな子にはやや辛い内容かもしれない。
    というのは、両親を亡くした象の坊やが主人公でお話の語り手なのだ。

    孤児になってしまった坊やを引き取りに現れるのが、象の「おじさん」。
    このおじさんの視線で読んだせいか、前編に漂う切なさにしばしば胸が詰まった。
    「おじさん」は、坊やが寂しくないようにとそれはそれは心を砕き、毎日いろんな工夫をする。
    ランプに願い事をしあったり、ご自慢の庭を見せたり、お話しを聞かせたり、さんざん着膨れてみせたり、坊やのために歌を作ってくれたり。
    そして、坊やの哀しみもだんだん薄れてくるかのように見えるのだが、そこにはいつもどうにも逃れようの無い寂しさがぽっかりと口を開けている。
    坊や、頑張れ、泣くな、と小さな応援をしながら読み進め、そしてついに思いがけない結末へ・・

    冒頭、ひとり呆然とベッドの上に座り込む坊やの、なんという寂寞感。
    おじさんと出会って鼻をからませあう場面の愛らしさ。
    象さんて、こんなに表情が豊かなものなのかと、目を見張ることしばしば。
    挿絵の魅力が、お話しの哀しみから救い出してくれる素敵な一冊。
    大人はこうありたいもの、というローベルさんのヒューマンな願いがあふれている。
    全64ページは9つの章に分かれているので、ひとつずつ読み聞かせしても良いかも。
    気負いこまずにあっさりとね。年長さんくらいから。

    追記 子どもたちは意外なほどこのお話にくいついてきた。
       同い年くらいの子どもが主人公というのが興味をひいたらしい。
      つくづく大人の思い込みで進めるものではないと勉強になった。

  • ぼくのおじさんもの(というジャンルがあればですが)の中で一番好き。願いが叶うと聞いて水玉の服がほしいと言うおじさんがかわいすぎる。

    いつも心におじさんを!

  • ほのぼの

  • あまり元気のないときに読んだ。泣きそうになった。
    優しくて温かいおじさんでした。服をたくさん重ね着している絵がとっても可愛い。
    最後、電柱や畑を数えていると思いきや過ごした日々を数えているおじさんに心暖まる。

  • 優しくて切ない。おじさんがいてよかった。ぴったり一緒に悲しんだり楽しんだりしてくれる大人が。ランプの中から出てきたくもを戻してそっとしておいたおじさんを見て、誰かの願いごとを自分が叶えてあげられることもあるんだなと思う。

  • 船旅に出たかあさんととうさんが行方不明になった。ひとりぼっちになったぼくを迎えにきてくれたおじさんの家で、ふたりで過ごした日々の物語。

    行方不明になってはいませんが、私も、仕事がら旅の多かった両親の留守を親戚や従業員と待っていた。時には年単位で。
    小学生ぐらいのときは、ふと、母を恋しく思う瞬間もあったけど、概ねのびのびと不自由を感じることなく居られたのは、面倒を見てくれた大人たちが分け隔てない態度で愛情を注いでくれたからだと思う。きちんと叱ってもくれた。

    中でも、父の末妹である叔母は特別良く面倒を見てくれた。彼女自身、脊椎カリエスで幼い時から体が弱く、親姉兄から守られ可愛がられて育っていたせいか、無邪気で、無尽蔵の愛を持っていて。生後半世紀経とうかという私を未だに子ども扱いしている。

    この本のラスト、おじさんがドアを閉める場面で、叔母と別れて両親の元へ帰った日の事を思い出し、どうしても込み上げてしまう。
    嬉しそうにいっぱい手をふっちゃってごめんね、きみちゃん。

  • おじさんの愛情が伝わってくる作品
    滑稽なことをする という行が最高。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「おじさんの愛情が」
      男の子が、深い深い穴に落ちないようにするために、奮闘する姿が素晴しい。。。
      アーノルド・ローベルの作品は優しくて、チョ...
      「おじさんの愛情が」
      男の子が、深い深い穴に落ちないようにするために、奮闘する姿が素晴しい。。。
      アーノルド・ローベルの作品は優しくて、チョッと可笑しくて、そうなんだよねって思わせて呉れるから好きです。
      2013/01/24
  • 英語版で読みました。
    優しい英語で書かれているので、読みやすいです。
    おじさんと子供の絆に最後はほろりと泣きそうになる。昔から読まれていることに納得です。
    子供たちにも読んであげたいです。

  • 図書館にて。
    両親不在のあいだ、「ぼく」に色々なことを教えてくれるおじさん。
    おじさんの着眼点も、「ぼく」の素直さも、大人になってなんだか沁みます。
    不思議な余韻を感じるお話でした。

  • 初読、これも良かった…!!
    悲しみから始まる物語の中で、おじさんの優しさにグッとくる。
    最後はハッピーエンドでホッとした気分と、また別の寂しさで終わる。
    素敵なおはなしだ…

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著者プロフィール

アメリカ・ロサンゼルス生まれ。プラット・インスティテュートで学び、1961年、ハーパー&ブラザーズ社の編集者と知り合ったことがきっかけで『かえってきた さけ』の挿絵で、絵本作家としてデビュー。翌年には、文と絵の両方を手がけた『マスターさんとどうぶつえん』を発表する。1970年『ふたりはともだち』が誕生し、そのシリーズで絵本作家としての不動の地位を築き、54歳で亡くなるまで、100冊以上の作品を残した。

「2023年 『ダッドリーくんの12のおはなし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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