- Amazon.co.jp ・本 (46ページ)
- / ISBN・EAN: 9784580812543
作品紹介・あらすじ
ぼくのおじいちゃんは、目が見えないんだ。でも、おじいちゃんなりのやり方でものを見ている。ぼくも目をとじて、おじいちゃんのやり方でやってみる。すると、もの音や、におい、ぼくのゆびさきが、たくさんのことをおしえてくれるよ。小学一年生以上。
感想・レビュー・書評
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◆ぼくのお気に入りは、なんでもおじいちゃんの目で見られるおじいちゃんの家…。◆小1〜の易しい児童書。時折思い出しては読む。目の見えないおじいちゃんの一日を「ぼく」が紹介してくれる。「朝」の訪れはどうしてわかるのか。おばあちゃんの居場所はどうして知るのか。おじいちゃんはチェロを弾くのを楽しみ、点字の本も朗読してくれる。散歩が大好きで、鳥の名前も居場所も教えてくれる。◆目を閉じて、耳をすまし鼻を利かせ肌で感じてみたくなる。目に頼っていかに他の知覚に鈍感になっていることか。目を閉じても世界はなんと豊かなことか。◆好奇心だけでなく、他者への関心・尊敬の心も開いてくれる、大好きで大切な1冊。【2013/10/13】
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「ぼく」のおじいちゃんは、目が見えない。でも、おじいちゃんは、おじいちゃんのやり方で、いろいろなものを見ている。
朝、お日さまが、暖かい光の指先でそっと触れたとき、おじいちゃんは起きる。
今日の朝ごはんが、目玉焼きとバター・トーストだということも、おじいちゃんは匂いでわかっちゃう。
ツグミのうしろの方に、ウタヒメドリがいるということも、おじいちゃんには鳴き声でわかる。
ぼくは、「おじいちゃんの目」になって世界を見つめ、豊かな彩りを感じる。
ぼくは、「ぼくの目」でしか見えないものも楽しむ。おじいちゃんがお話を読んでくれるとき、そばのリンゴの木で一緒にお話を聞いているリスの姿はおじいちゃんには見えないけど、「ぼく」は知ってるんだ。
目の見えないおじいちゃんとの心温まる交流の中で、「おじいちゃんの目」で世界を見つめ始める男の子を描いた作品。
物音や匂い、指先で、この世界の一つ一つを確かに感じていくおじいちゃんと「ぼく」に豊かさを感じた。
三宮麻由子さんが、目が見えないことは「シーンレス」ではなく「シーンフル」だと書いていたことを思い出した。