Fができない (文研じゅべにーるYA)

著者 :
  • 文研出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784580824638

作品紹介・あらすじ

中学生になった直大には、中学校のスタートは大きな壁だった。中学校生活初日の自己紹介から、直大は思いを話すことができず、クラスで悪いほうに浮いてしまった。
直大は、自分を変えるために兄ちゃんからもらったギターに挑戦した。まずはギターのコードを覚え、少しずつできるようになったが、肝心のFのコードがうまくいかなかった。
直大がギターをやっていることを知ったクラスメイトのカイトは、堀田たちをさそって。直大とバンドを結成した。バンドの練習でけんかもしたが、担任の岸野先生が加わり、少しずつバンドらしくなった。
バンドのデビューはなんと、学校の文化祭。やったー!僕たちは文化祭で学校中のみんなの前で演奏することになった!。

感想・レビュー・書評

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  • 中1ギャップをどう乗り越えるか?
    中学はいくつかの小学校から生徒が集まる。
    人数も増え、多数派と少数派ができるだけでなく、制服、教科担任制と、子どもにとっては戸惑うことばかり。
    そんな中1の心情をリアルに描いている。


    中学入学を機に「自分を変えたいと思った」直大(なおひろ)。
    「今までぼくの周りは明るくて楽しそうだけれど、ぼくはその波に乗れていなかった。
    波はおだやかにゆれているのに、どうしてかおぼれてしまう」
    と感じていた直大に7歳上の大学生の兄直高が
    「きっと変われるさ。だいじょうぶ、やってみろよ」って渡してくれたギター。
    ネットで「初心者」「ギター」と検索し、弦を押さえて弾くとちゃんと音が鳴った!
    これをマスターできれば、ぼくも「かっこいい組」になれるかもしれない…。

    とはいえ、そう簡単に変われるはずもなく、自己紹介は散々、その上、思ってもみない文化委員をお調子者のカイトと一緒にやらされるハメに。
    新入生歓迎会のクラス発表の演目決めの話をクラスにすることができないまま発表の日となる。
    どうするんだ⁉︎とオロオロしていると、カイトが即興で作った自作の歌に、直大がギターで覚えたばかりの2つのコードで伴奏することに!
    先生からは怒られたが、生徒には大いに受けて、カイトたちとバンドを結成することになる。
    直大の中学校生活が大きく変わろうとしていた…。


    190ページ弱と短いお話で読みやすい。
    小学校中学年くらいからでも読める内容だと思う。
    ギターのコードや運指表、手のイラストなど解説もあり、ギターに興味がある生徒には、始めるきっかけにもなりそうだ。
    2022.4.3

  • 中学入学した直大。新しい学校、授業、友だち作りも不安で、毎日が緊張の連続。そんな彼は大学入学のため家を出た兄から譲り受けたギターでコード弾きに挑戦し始める。それがきっかけで思いがけない仲間ができてゆく。
    不器用な中学生の気持ちがいい感じでリアルに伝わる。ギターコードの解説つきで一緒に挑戦したくなる。

  • 中学1年生が主人公ですが、小学校低学年〜中学年のお子さんに向いている印象です。
    中学校という新しい環境に戸惑いながらも、大好きな兄から譲り受けたギターをもとに、クラスメイト達と友情を育んでいく姿が、優しく爽やかにつづられています。
    途中ギターの弦の図解などもあり、ギターを弾いたことのない人にも分かりやすい工夫がされているので、知識がなくてもスムーズに物語に入ることができました。

  • 〈新しい学校、新しいクラス、新しい友だち。
     学校とクラスは与えられるものだ。でも、最後のひとつはそうじゃない。けっこう、それはやっかいなんだ。〉

    中学スタートの波に乗れず立ちすくんでいる直大(なおひろ)

    「Fができるようになったら、教えてやるよ」

    そう言って兄がくれたギターをきっかけに、調子のいい自由人カイト、お寺のあととりホットケ(堀田君)とバンドの練習を始め、かわいくて気になる田崎さんをくわえて秋の文化祭で演奏することになる

    〈いや、ここはリクツじゃない。ぼくのFを出せばいい。〉

    指使いがむずかしいFのコードをモチーフにした中学生の成長物語、2021年6月刊
    「文研じゅべにーるYA」レーベルから

    フレット、コード、セーハ……ギター演奏にかかわる注とコードが載っていて、興味を持つきっかけになるかもしれない

    目次ページの背景に作中歌「中学生あるある ver.2」の楽譜がついていて、演奏にチャレンジするのも一興

    『空打ちブルース』で第51回(2010年)講談社児童文学新人賞を受賞した著者は、陽水、拓郎を中学時代にリアルタイムで体験、フォークソング部をつくったという

    ※p71〈檀〉⇒〈壇〉では

  • 青春っていいなぁ。今の子たちは同調圧力で、知らぬ間に苦しんでいるのだろうけど、楽しんだもの勝ちよ。いくつになっても。

  • 中学生の不安な気持ち懐かしい。別の校区の小学校の子達と仲良くなれるか不安だよね。
    私はギター弾けないけど、確かに指が難しそうなコード!挫折しそうになるのもわかる。
    みんなの性格がよく出ているバンドで楽しそう。
    仲良くなるまでのスピードとか、喧嘩とか、女子を誘えないとか、中学生らしくてかわいい。
    お兄ちゃんの気持ちで読んでいた。

  • 「F」ってなんだ?中学生になってうまくいかないことばかりの僕は兄にもらったギターを手にFに挑戦する。コードを覚え始めると同じクラスのカイト君がバンドをやろうと言ってきて・・・。

  • 「中学生になった直大には、中学校のスタートは大きな壁だった。中学校生活初日の自己紹介から、直大は思いを話すことができず、クラスで悪いほうに浮いてしまった。
    直大は、自分を変えるために兄ちゃんからもらったギターに挑戦した。まずはギターのコードを覚え、少しずつできるようになったが、肝心のFのコードがうまくいかなかった。
    直大がギターをやっていることを知ったクラスメイトのカイトは、堀田たちをさそって。直大とバンドを結成した。バンドの練習でけんかもしたが、担任の岸野先生が加わり、少しずつバンドらしくなった。
    バンドのデビューはなんと、学校の文化祭。やったー!僕たちは文化祭で学校中のみんなの前で演奏することになった!。」

  • 私も中学生の頃にギターが欲しいと言っていたら、親戚のおばさんからもらえた。でも、それはクラシックギターとウクレレだった。おばさんには違いがわからなかったようだ。
    およそ半世紀前のことを思い出しながら読みました。

  • 中学に入学したところから話はスタート。出だしでつまづいてしまった主人公は兄にもらったギターに打ち込み、バンドを結成することになる。

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著者プロフィール

作家。1957年、北海道札幌市に生まれ。北海道教育大学卒業。小学校教諭をつとめた後、童話・児童文学を書きはじめる。『爪の中の魚』(文渓堂)で第1回ぶんけい創作児童文学賞佳作、『空打ちブルース』(講談社)で第51回講談社児童文学新人賞受賞。そのほかの主な作品に、『シャインロード』『行ってきまぁす!』『とびばこバーン』『空をけっとばせ』(以上講談社)、『ドーナツの歩道橋』(ポプラ社)など。日本児童文学者協会会員。北海道子どもの本連絡会会員。「季節風」「まほうのえんぴつ」同人。

「2021年 『Fができない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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