- Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582277470
感想・レビュー・書評
-
写真集としては、観光ブックの写真レベルだが、撮された人々は特筆に値する。
小さな村で生まれて、おそらくはそのまま年をとり死んでいく人生。
先祖たちの生活や信念を、疑問の欠片すら抱くことなく継承できる無邪気で尊い単純さ。
きっと、神が否定され得る存在だということすら知らないのだろう。
先進国の都会に生まれ育った人間が、何もかもをなげうち出家して人生を捧げても、届かない。そんな境地を生まれたときから約束されているように見える。
私が多様な価値観を知り続け、理解に勉めるのは、生まれ落ちた場所が要求する義務だ。その義務を果たさずには、生きていられない。でも、不可能なことをしようとしているんじゃないか?しようとしてるポーズをとっているだけじゃないか?自分を信じられる時間より、自分を疑う時間の方が、きっと、ずっと長い…。
私が決して届かない幸福のひとつが、この写真集の中にある。穏やかで汚れのない幸福だ。私は彼らの幸福がこの世にあることを喜んで、私なりの幸せの可能性を探ろう。
2002 ルーマニア詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
■東欧で唯一ラテン系。心が暖まる色たち。■
ルーマニアといえばドラキュラ、ドラキュラと言えばルーマニアってわけで、何だか重苦しいイメージがあったんですが、紹介文にあるように東欧で唯一ラテン系。明るいのであります。ROMANIAという綴りを眺めると、「ローマ人」そのものずばり(かな?)。ちなみに、本書からの知識ではありませんが、ルーマニアの人たちはドラキュラの話なんて最近まで知らんかったそうです。
みんないい顔してます。
全体に色の乗りがコッテリしてるのもテーマに合ってていい。
平凡社 (2002/04)
(「MARC」データベースより)
東欧で唯一ラテン系の人々が暮らす国ルーマニアには、昔のヨーロッパの伝統が色濃く残っている。この国を第2の故郷とする著者による、日本・ルーマニア交流100周年記念の写真集。