ぼおるぺん古事記 三: 海の巻

著者 :
  • 平凡社
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レビュー : 57
  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582287486

感想・レビュー・書評

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  • ボールペンで描かれた古事記、第三弾。

    天孫降臨から、海彦・山彦を経て、トヨタマまで。
    古事記本編でいう「神代」がコレで終わります。

    ニニギノミコトの辺りから人間味も増してきていて、
    人と神との融合を見てとることもできます、なんて。

    また、様々な形で現される婚姻の系譜は、
    国々が統合されて「ヤマト王権」となっていた過程とも。

    婚姻をシンボリックに使っている辺り、殲滅戦ではなく、
    話し合いでの、緩やかな融和を重ねていったとの見方も。

    なんとなく、この時代の「合戦」の目的を洗い出してみるのも面白そうな。。
    そうそう、この先の「人代」については未定との事で、是非読みたいところです。

  • 全編ボールペンで絵が描かれ、ちょっとした注釈はあるけれど、セリフはすべて読み下し文の古事記マンガの最終巻です。
    ニニギさんの天孫降臨があって、山の神の娘、海の神の娘の血をひいた初代天皇の神武さんが生まれるまでの上巻(かみつまき)
    すっごく面白かった♪
    巻末カラーの『おとうと』は、特に素晴らしかったです。

    今まで「八雲立つ~」の歌の意味がイマイチピンとこなかったんだけど、天上界と地上界を雲がへだてると考えれば確かに納得!
    コノハナサクヤビメちゃんの別名が神阿多都比売で、アタってのが鹿児島県南部の古い地名だってのも「へぇ~♪」って感じでした。
    中巻以降もぜひ描いて欲しいです。

  • (No.13-12) 完結編です。

    神話は実際にあったこととは違うのでしょうが、古事記もこのあたりに来るとこの地を征服していったという歴史的雰囲気が濃くなっていくように感じられました。

    そして「うみさち・やまさち」としてよく知られている、ホデリの命は漁夫、ホヲリの命は狩人。神様なんだけど何だか普通の人っぽくなりました。
    この方たちは三兄弟だったとは知らなかった。三つ子。最初に生まれたのがホデリの命、次にホスセリの命、最後にホヲリの命。
    え~っと、ホスセリの命はどうなったの?生まれたということしか書いてない。もうそれっきりというのがすごく不思議。名前だけはあるんだから。
    天皇家の先祖だから、古事記が編纂された当時はもっと身近な存在だったはずなのにな。最も先祖だから、割愛しないで名前だけでも残したのかも。

    私は「うみさち・やまさち」の話は嫌いでした。だってやまさちの仕打ちはひどすぎるもの。でもこうのさんが欄外に書いていたことを読んで、古事記って不思議だなと改めて感じました。
    これを読んだら、たいていの人はホヲリの行為に対してドン引きしちゃうと思う。
    歴史は勝者によって作られるという言葉がありますが、時の政権が編纂したのですから、直接の祖先であるホヲリをもっと魅力的に描き、ホデリを悪者にすることも出来たはず。
    ホデリには非がないのにホヲリの策略に負け、結局ホヲリに仕えることになった過程を古事記に残すことには意味があったのかもしれません。
    ここでは兄弟になってるホヲリとホデリは、実は別の部族と考えられるようなので。

    出雲の国譲りも、古事記を読む限りは無理やり国を譲らされたとしか思えないような書き方だった。

    同じような時期に二つの歴史書が編纂されたのは、征服された側の人達も納得するような歴史書も必要だったのか?それともそういうものを残したい人達もある程度力があったからなのか?などと想像しました。

    古事記はここまでが三分の一。今まで私が読んだことがある抄訳もここまででした。この後の「人代編」は複雑で悲壮なので、こうのさんもこれで終わりにするつもりだったそうです。でもいつか続きを描きたい気持ちになられたとか。
    このぼおるぺん古事記を「そういう時が来た」と感じて描き始めた、その「時」がまたこうのさんを訪れてくれますように・・・。
    待ってますね!

    ヒルコちゃんが気になってる方、最後のページをお見逃しなく。
    大変な労作を読んで大満足でした!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「いつか続きを描きたい気持ちに」
      その日が早く巡ってきますように、、、
      3巻で一応完結したので、近藤ようこ「恋スル古事記」と一緒に読もうと思...
      「いつか続きを描きたい気持ちに」
      その日が早く巡ってきますように、、、
      3巻で一応完結したので、近藤ようこ「恋スル古事記」と一緒に読もうと思っています、どちらも未だ購入してませんが。。。
      2013/06/19
    • tokiwahimeさん
      nyancomaruさん、古事記関連本はすごくたくさん出ていますね。どれを買うか悩むくらい。
      とりあえずこれを買うのはいかがですか?
      nyancomaruさん、古事記関連本はすごくたくさん出ていますね。どれを買うか悩むくらい。
      とりあえずこれを買うのはいかがですか?
      2013/06/20
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「どれを買うか悩むくらい。」
      昨年は古事記編纂1300年でしたからねぇ~
      「とりあえずこれを買うのは」
      はい!此れは図書館から借りずに買う予...
      「どれを買うか悩むくらい。」
      昨年は古事記編纂1300年でしたからねぇ~
      「とりあえずこれを買うのは」
      はい!此れは図書館から借りずに買う予定です。
      2013/06/24
  • 日本最古の史書である「古事記」を、ボールペンによりコミック化された「ぼおるぺん古事記」の第3巻、海の巻です。


    またまた、私的にアラスジで説明・・・

     オオクニヌシから葦原中国(あしはらなかつくに)を譲り受け(奪い取った)天上の神アマテラスオオミカミは、地上を治める神として息子のアメノホシホミミノミコトを送ろうとしますが、何だか気分が乗らない息子は、その息子。アマテラスオオミカミの孫にあたるニニギを送ることにします。
     下界へ向かう道の途中に、とても怖い顔をした神が居座っているのを知り、アマテラスオオミカミはアメノウズメを使って追い払おうとしますが何と、地上から迎えに来たサルタヒコと言う神様でした。

     サルタヒコの先導で、地上に降りたニニギと沢山の神様御一行。辿りついた海に面し、太陽が照らす国「日向」(ひむか)を気に入り、「ココを拠点とする!」と決めます。

     道案内をしてくれたサルタヒコに感謝し、アメノウズメに付き添わせて自宅へ帰すことにします。途中、サルタヒコは海の貝に挟まり溺れかける。サルタヒコを送り届け、ニニギの元に戻る途中、アメノウズメは言う事聞かない海のものに対し、「あんたらが反抗してるのは、アマテラスオオミカミの孫のニニギなんだけど、覚悟あるんだろうね?」って聞けば、「仕え奉らむ!!」と瞬時に掌握。

     ニニギは、ある時コノハナノサクヤビメを見初め、姉がいる事を知り、二人と結婚。しかし姉のイワナガヒメは醜くて追い返す。これに怒ったイワナガヒメ、コノハナノサクヤビメの父オホヤマツミノカミは、呪い?をかけます。以降、不死だった神様の命に“限り”が出来ます。
    (神話的には、神様の亡くなった日が書かれるようになった。と言う事です。)

     コノハナノサクヤビメが懐妊すると今度はニニギ、何を思ったか「私の子では無いのでは?」と言い始める。怒ったコノハナノサクヤビメは別居。出産時には自ら家に火を放ち、燃え盛る中でホデリ、ホスセり、ホヲリの三人を産みます。

     漁師となったホデリ、猟師になったホヲリはある時、お互いの道具を交換し、海山を変えて見る事にした。弟のホヲリは慣れない海で兄の大事な釣り針を無くしてしまう。誤ってもどうにも許して貰えず、剣を500本の釣り針に作り変えて持って行っても、あの釣り針を返せと譲らない。困った弟ホヲリは、海で泣いていると海の神様がやってきて理由を問う。説明すると小舟を差しだされ、「コレに乗って、海の底にあるワタツミノカミの宮へ行けば、何とかなる。」って事で、船で海の道を勝手に流されます。

     海の底でホヲリは、トヨタマビメと恋に落ち3年暮らします。ホヲリの様子が何だか変。聞けば、無くした兄の釣り針が気になってしかたない。何だそんな事かと、すぐに全魚たちに聞けば、針が引っ掛かったままの魚が居た。針を得てトヨタマビメの元を去る時、父の海神(ワタツミノカミ)は兄への仕返しの技を授けます。

     陸に戻ったホヲリは、ワタツミノカミに授かった技により兄ホデリを打ち負かします。そこへ、トヨタマビメがやって来ます。「どうやら子供が出来たらしい」って事で結婚して一緒に暮らしますが、出産の時は見てはいけないと言われる。と言われれば見てしまうもので、本当の姿を見られたトヨタマビメは、産んだ子を置いて海に帰ってしまいます。この時に生まれた子が、タマヨリビメと結婚し生まれた子どもの1人が、ワカミケヌノミコト。後の神武天皇となります。


    これで神話の時代が終わり、天皇の時代になるようです。


    このシリーズは確か、ohsuiさんのレビューで初巻を知りました。そしてようやく読了。
    ストーリーの自己確認の意味で、長いあらすじを書きました。


    申し訳ないですが、こうの史代と言う著者を全くしりません。でも、この「ぼおるぺん古事記」は大当たりでした。

    日本の神話。日本で現存する最も古い書物「古事記」。なかなか面白いです。

  • ようやく、「天・地・海」の3巻を全部読み終わった。

    古事記って面白い。改めて。

    色んな物語に引用されたり、その元になってたりするお話だから、割とそれぞれのストーリーは知ってたりするんだけど、ちゃんと最初から読んだ事無かったから、今イチ頭の中でつながってなかった。

    それが、頭の中で時系列でしっかりつながった感覚。

    話自体も面白いし、こうの史代さんの絵もマッチしてて、すごく楽しめた作品です。

    この3巻は、古事記の前半1/3までのお話らしく、残りもいつか書く、とあとがきで書いてらっしゃるので、その日を楽しみに待とうと思います。

  • ニニギのハーレム。

    かわいくて、やがて恐ろしウズメたん。

    トヨタマビメから神武へ。

    終了、とおもいきや続刊。この力作の続きはどうなることか。楽しみ楽しみ。

  •  皇室史に重なるところは敢えて踏み込まず、か。とはいえ天壌無窮の神勅の内容を図らずも語ることになるのは、日本の歴史と皇室が切り離せないということを意味するとしか言いようがないような。
     全セリフを漢文書き下しでやる、というのは、歴史漫画系ではほとんど見られなかったか。石ノ森章太郎のシリーズもナレーションの一部に引用していたが、それくらいじゃないかな。この書き方のままで続日本紀・日本後記・大鏡・吾妻鑑・太平記とやってくれたら不朽の歴史シリーズが出来上がるんだけど、まあきっと体が持ちませんよね。その位の入魂の3巻シリーズでした。

  • 神代編完結。
    あとがきにもある「絵のみで展開させる手法」がぴったりだと思いました。
    たくさんの神々のイメージをうまく捉えていたり、一方的な悪役に描かないかきかたをしていたりと、読後感がよかったです。
    (トヨタマヒメの産屋をホデリも一緒になって作っているシーンは、兄弟の確執が薄れていることをさりげなく表していて、ほっとしました)
    付録の「おとうと」は、姉弟の性格がよく出ていて、ホロッと泣けつつも笑えました。
    ぜひ人代編も読みたいです。

  • あとがきが素晴らしかったのでメモ。「誰も歩いていない町でも、風にも雲にも日差しにも川にも、神々が宿っているのでした。いつだって、誰だって独りぼっちになる隙間なんてきっとないのだ、と思いました。」
    素晴らしい大業を終えられてこの言葉が出る、こうのさんを本当に尊敬します。
    人代編、ゆるゆると待ちたいと思います。

  • <閲覧スタッフより>

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    所在記号:913.2||コウ||3
    資料番号:10219713
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著者プロフィール

こうの 史代(こうの ふみよ)
1968年広島県広島市西区生まれの漫画家、イラストレーター、比治山大学美術科客員教授。広島大学理学部中退、放送大学教養学部卒業。
『夕凪の街 桜の国』で文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、手塚治虫文化賞新生賞受賞。「このマンガを読め!(2010)」第1位および文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞『この世界の片隅に』は2011年TVドラマ化・2016年映画化され、とりわけ映画は観客・著名人から極めて高い評価を受けて大ヒット作に。国内外でも絶賛されて多くの映画賞も受賞。2018年7月期、TBSで再度TVドラマ化される。
その他代表作として、『ぼおるぺん古事記』、『荒神絵巻』など。

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